金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

雇用者数の伸びは急減も失業率は上げ渋り、賃金は下げ渋り

更新日:2024年9月7日(土)

米雇用統計 2024年8月米FRBの利下げフェーズ入り直前、最後の雇用指標ウィークとなった今週、JOLTS求人件数、ADP雇用に続いて雇用統計も市場予想を下回る低調な結果に。利下げ反対理由はなくなり、今後は利下げペースが市場のテーマに。
ただ、8月雇用統計は強弱混在。
非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+14.2万人。市場予想の+16.5万人を下回り、7月と6月は2ヵ月合計8.6万人の下方修正。3ヵ月平均では+11.6万人となり、5ヵ月続落で4年2ヵ月ぶり、コロナ後最低水準に。
失業率は4.2%。2年9ヵ月ぶり高水準となった7月の4.3%からは、市場予想どおり低下。
3ヵ月平均は4.20%、過去12ヵ月の最低は3.70%、その差0.50%は前月と同じ。0.5%超で景気後退入りの可能性が高まるとされるサーム・ルール点灯は継続。
広義の失業率、U6失業率は7.9%。2021年10月(8.1)以来、2年8ヵ月ぶりの高水準へと悪化。
半年以上の長期失業者の割合は21.3%。続落で3ヵ月ぶり低水準。こちらは上げ渋り。
賃金上昇率は前年比+3.83%。市場予想の+3.7%を上回り、3年2ヵ月ぶり低水準となった7月からは+0.2%上昇。3ヵ月平均では+3.77%、6ヵ月続落で3年1ヵ月ぶりの低水準。
ただし長期平均3.04%を依然大きく上回り、2018-19年平均3.16%にもまだ距離を残す状況で下げ渋り。

FOMC議長を務めるNY連銀ウィリアムズ総裁は「利下げが適切になった」ことを宣言し、ウォラーFRB理事は「労働市場は軟化しているが悪化はしていない」現状を評価。シカゴ連銀グールズビー総裁は「複数回の利下げはFRBの圧倒的コンセンサス」との見通し。

NY金・日足+20日移動平均線 2024年9月6日6日のNY金は-18.5ドル、0.73%安で3日ぶりの反落。2540ドル台での小幅揉み合いで時間外を通過、NY市場では雇用統計の結果を受けて急騰で反応。2540ドル台から2560ドル近辺まで上昇後に切り返すと2540ドル割れ、強弱混在の指標結果ながら9月利下げに影響はなく、むしろ利下げ幅に議論の余地を残す状況となり、長期金利の下げ渋り、ドルの下げ渋りにも連れて乱高下。NY午後には一時2520ドル割れ、NY引けにかけては2520ドル台半ばへ。2520ドルの下値サポートを維持し、上限は2550ドルに切り下げての保ち合い継続へ。次週、あらためて下限割れなら2470ドル近辺までが調整目安、切り返して上限突破なら2600ドルの大台近辺トライへの流れにも。
週間ベースでは-3.0ドル、0.12%の小幅続落。

NYプラチナ・日足+20日移動平均線 2024年9月6日NYプラチナは-11.6ドル、1.25%の反落。930ドル台前半を中心とした保ち合い推移から、NY朝の雇用統計後には一時940ドル台へと急騰。1週間ぶり高値をつけて失速すると930ドルを割れて一段安、NY午後には一時920ドル割れの安値をつけて反発、NY引け後には920ドル台半ばへ。目先、上限を940ドルに切り下げて900ドルまでのレンジで保ち合い継続へ。上限から20日移動平均線(945.5)の抵抗帯を上抜けることができれば反発局面再開、960ドル付近までが短期上値目標に。下値切り上げの構図が崩れて900ドルの大台も割り込むようなら今年安値圏880ドル近辺までの一段安トライへも。
週間ベースでは-13.5ドル、1.45%の続落。

USDJPY・日足+20日移動平均線 2024年9月6日ドル円は-113銭、0.79%安で4日続落。今年安値となっている年初の1月2日(141.99)以来、8ヵ月ぶりの安値。東京時間は日経平均とともに軟調推移、144円40銭近辺から142円半ばへと水準を切り下げ、東京市場終了後には142円ちょうど付近まで下落。欧州時間には反発の流れとなって143円近辺へ、NY朝の雇用統計後には乱高下の反応。143円付近から144円まで急騰後には142円割れへと急反落、その後の反発局面では143円を回復して143円90銭近辺まで上昇。再び失速すると143円割れ、NY午後にかけて142円半ばでの揉み合いから一時141円80銭近辺の安値をつけてNY終盤にかけては142円前半へと収束。143円90銭の節目割れに伴う短期下値目安142円半ばにしっかり到達し、ウォラーFRB理事の「利下げ前倒し」発言なども下押し材料となって一時的には8月安値141円台再トライ。8月5日安値(141.70)とこの日の安値とでダブルボトムを構成し、終値での下値切り下げに対してRSIが下げ渋る逆行状態でそろそろ反発への可能性も示唆する状況にも。
週間ベースでは-3.90円、2.67%の反落。今年3番めの大幅安。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/6終値とチャート

2024年9月7日(土)時点の相場
国内金12,675 円 9/6(金) ▲80(0.64%)
国内プラチナ4,648 円 9/6(金) ▲94(2.06%)
NY金2,524.6 ドル 9/6(金) ▼18.5(0.73%)
NYプラチナ918.7 ドル 9/6(金) ▼11.6(1.25%)
ドル円142.31 円 9/6(金) ▼1.13(0.79%)

9/6(金)のその他主要マーケット指標

国内金価格の中期38.2%戻し、プラチナの長期38.2%戻し 9/9(月)

雇用者数の伸びは急減も失業率は上げ渋り、賃金は下げ渋り 9/7(土)

ADP雇用低調も失業保険は改善、ISM非製造業も下げ渋り 9/6(金)

求人件数は急減で3年半ぶり低水準、求人倍率は分岐点に 9/5(木)

米ISM製造業景況指数8月は下げ渋りも5ヵ月連続節目50割れ 9/4(水)


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