金プラチナ短期相場観
利下げ効果でユーロ圏の6割超の国が1月の景況感上昇
更新日:2025年1月31日(金)
10-12月GDPがユーロ圏では予想を下回り、前期比+-0%と横ばい推移となり、ドイツは-0.2%、フランスも-0.1%と低調で2024年を終了。ECBの4会合連続の利下げにもサポートされるように、2025年のユーロ圏景況感は反発でスタート。
欧州委員会発表の1月ユーロ圏景況感指数は95.3。1年2ヵ月ぶり低水準の12月から+1.5の反発、14ヵ月では2番めの低水準。2年7ヵ月連続節目100割れ。
業種別では製造業が-12.9。2年5ヵ月ぶり低水準の12月から+1.2の反発、2年半では2番めタイの低水準。1年11ヵ月連続マイナス圏推移。サービス業は6.9。+0.9の続伸で3ヵ月ぶり高水準。3年9ヵ月連続プラス圏推移。横ばい傾向で推移するサービス業がやや軟調気味に低迷する製造業をカバーする構図に変わりなし。
<主要4カ国>
スペイン:104.4=+1.5で3ヵ月続伸、4ヵ月ぶり高水準。3ヵ月連続100超。
イタリア:100.2=13ヵ月ぶり低水準の12月から+1.8、4ヵ月ぶりの急反発で8ヵ月ぶり高水準。6ヵ月ぶりの節目100超。
フランス:96.2=4年1ヵ月ぶり低水準の12月から+3.3の急反発で2ヵ月ぶり高水準。10ヵ月連続100割れ。
ドイツ:88.1=4年半ぶり低水準の12月から+1.2、3ヵ月ぶりの反発で2ヵ月ぶり高水準、4年7ヵ月では2番めの低水準。2年半連続100割れ。3ヵ月連続90割れ。
<節目100超の好調国>
ギリシャ:108.6=前月から+2.2、4ヵ月ぶりの反発で4ヵ月ぶり高水準。2年3ヵ月連続節目100超。
ポルトガル:107.2=前月から+0.2で5ヵ月続伸、2年11ヵ月ぶり高水準。11ヵ月連続100超。
キプロス:106.1=2年10ヵ月ぶり高水準の12月から-2.6、4ヵ月ぶりの反落で3ヵ月ぶり低水準。2年5ヵ月連続100超。
クロアチア:105.6=前月から-1.1、3ヵ月ぶりの低下で7ヵ月ぶり低水準。3年9ヵ月連続100超。
リトアニア:103.0=2年9ヵ月ぶり高水準の11-12月から-2.6、11ヵ月ぶりの低下で4ヵ月ぶり低水準。9ヵ月連続100超。
<ワースト3>
エストニア:88.5=前月から+0.1の反発で2ヵ月ぶり高水準、2年5ヵ月で2番めの高水準。2年9ヵ月連続節目100割れ。2年5ヵ月連続90割れ。
オーストリア:88.7=前月から+3.9、3ヵ月ぶりの急反発で8ヵ月ぶり高水準。2年7ヵ月連続100割れ。8ヵ月連続90割れ。
フィンランド:92.4=前月から+0.2の反発で2ヵ月ぶり高水準、2年半で2番めの高水準。2年8ヵ月連続100割れ。
調査対象19カ国中、前月から上昇したのは12カ国。63.2%が上昇、12月の6か国からは倍増。ビッグ4とワースト3がいずれも上昇。
30日のNY金は+75.4ドル、2.72%の大幅高で3日続伸。10月30日以来、3ヵ月ぶりの最高値更新。4月限は2790ドル台からスタートして安値も2790ドル台半ば、2800ドルの大台トライに成功するとロンドン序盤に2810ドル台へ、米10年債利回り低下とドル安局面にも連れてNY朝には2840ドル台へと一段高。高値では2850ドル台前半まで上昇し、NY午後の反落局面でも2840ドル近辺までにとどまり、NY引け後には2850ドル台後半へと堅調維持。トランプ米大統領の「カナダとメキシコへ25%関税賦課」発言もサポート材料となった可能性も。高値保ち合い上限となっていた2780ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2810ドル近辺を突き抜けての一段高となり、目先は一服感も。2800ドル近辺までが目先のサポート候補にも。
NYプラチナは+49.7ドル、5.09%の大幅続伸で10月29日(1059.3)以来、3ヵ月ぶりの高値。上げ幅では昨年6月26日(+49.7ドル、5.04%)以来、7ヵ月ぶりの急騰。アジア時間の980ドル近辺が安値となって堅調推移。アジア時間に990ドル台へ、ロンドン・NY朝にかけて1000ドルの大台との攻防を突破するとNY金の急騰局面に追随、NY午後には1020ドル台へと一段高。高値では1020ドル台後半、NY引け後には1030ドルトライの様相に。980ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1000ドルの大台回復達成にとどまらず、さらにオーバーラン。12月安値(907.4)から1月10日高値(1001.3)までの上げ幅(93.9)を1月16日安値(938.5)に加算した水準(1032.4)付近にも到達したことで短中期的な上値トライにも一服感。1000ドルの大台を維持できるかどうがが今後の重要ポイントに。
金との価格差は1818.2ドルへと拡大、2日ぶりに過去最大を更新。
ドル円は-95銭、0.61%の続落で12月17日(153.53)以来、1ヵ月半ぶりの安値。東京朝の高値155円20銭台から軟調推移。155円を割れると前日安値154円90銭台も下回り、154円半ばの節目との攻防へ。154円20銭台まで下げて反発すると午後から欧州時間にかけても154円半ばでの小幅保ち合いに。しかしNY市場では下方向へと保ち合い崩れとなって154円割れトライ、安値では153円70銭台まで下落して下げ渋り、NY午後には154円台を回復。NY終盤にはトランプ大統領の関税発言などを受けて154円半ばまで小幅に急騰する場面も。154円半ばの節目割れに伴う短期下値目安153円半ばには少し届かず、もう少しの下げ余地も残す状態で155円半ばの上限までのレンジで保ち合い傾向へ。値幅的には12月安値(148.65)から1月高値(158.87)の38.2%戻し(154.97)を割れて半値戻し(153.76)をほぼ達成。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/30終値とチャート
31日の国内金価格は+126円、0.84%の反発。1週間ぶり、今年2回めの最高値更新。9日移動平均線(15015)にサポートされ、高値保ち合い上限15090円突破に伴う短期上値目標15150円辺りにも急接近、若干の上昇余地も。15000円の大台が当面のサポート、割り込むようなら14900円近辺までの調整へ。
週間ベースでは+44円、0.29%の続伸。月間では+523円、3.58%の続伸。1月としては3年連続上昇。
プラチナ価格は+49円、0.96%の続伸で1月14日(5208)以来、半月ぶりの高値。5110円の節目上抜けに伴う短期上値目標5170円程度にもあと少し。90日移動平均線(5095)上抜け目前の9日移動平均線(5093)が21日移動平均線(5122)も上抜けへと向かえば、もう一段の堅調局面進行で5200円台トライへも。
週間ベースでは+50円、0.98%の続伸。月間ではわずかに-6円、0.12%の小反落。1月としては3年連続下落。
※参考:金プラチナ国内価格1/31とチャート
- 2025年1月31日(金)時点の相場
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国内金 : 15,133 円 1/31(金) ▲126(0.84%) 国内プラチナ : 5,158 円 1/31(金) ▲49(0.96%) NY金 : 2,845.2 ドル 1/30(木) ▲75.4(2.72%) NYプラチナ : 1,027.0 ドル 1/30(木) ▲49.7(5.09%) ドル円 : 154.30 円 1/30(木) ▼0.95(0.61%)
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