金プラチナ短期相場観
米主要インフレ指数、市場予想どおりの12月PCEも下げ渋り
更新日:2025年2月1日(土)
米主要インフレ指数は消費者物価CPI、生産者物価PPIに続き、個人消費支出物価指数PCEも12月は下げ渋り。
PCEは前年比+2.55%。市場予想の+2.6%にほぼ一致、前月から+0.1%、3ヵ月続伸で7ヵ月ぶりの高水準。
コアPCEは前年比+2.79%。市場予想の+2.8%にほぼ一致、前月からは-0.03%、3ヵ月ぶりの小幅低下で3ヵ月ぶり低水準。直近8ヵ月では3番目の高水準、3ヵ月連続2.80%前後で下げ渋り。
住宅とエネルギーを除くサービス業の価格指数、スーパーコアPCEサービス価格(SPコアs)は前年比+3.50%。前月から-0.01%の小幅続落で3ヵ月ぶり低水準。8ヵ月では3番めの高水準、3ヵ月連続3.5%近辺で下げ渋り。
セクタ別では、モノの価格が前年比+-0.0%。12月の-0.4%から上昇、3ヵ月続伸で8ヵ月ぶりの高水準。サービス価格は前年比+3.8%で前月から変わらず、8ヵ月連続+3.8%前後での推移で下げ渋り。
ダラス連銀のトリム平均PCE前年比+2.77%。前月から+0.05%で小幅に3ヵ月続伸、5ヵ月ぶりの高水準。3年ぶり低水準となった9月(2.66)に底打ちの可能性、6ヵ月連続2.7%前後で下げ渋り。
クリーブランド連銀のメディアンPCEは前年比+3.20%。前月から+0.07%の反発で4ヵ月ぶりの高水準。6ヵ月連続3.2%前後で下げ渋り。
ボウマンFRB理事曰く、「利下げ前にさらなるインフレ鈍化が必要」。
31日のNY金は-10.2ドル、0.36%安で4日ぶりの反落。アジア時間には一時2860ドル付近まで上昇し、2850ドル近辺での保ち合いに。ロンドン市場で2840ドル近辺まで下押し後、NY朝には米10年債利回り低下局面に連れて2860ドル台へと最高値を更新。しかしNY午後には巻き戻しの流れとなり、長期金利上昇とドル高の流れも重石となって2840ドル割れへと軟調推移。NY引け後には一時2820ドル台半ばの安値をつけて2830ドル台へと小反発。急騰局面一服後の調整も程々に月初の重要指標ウィークへ。2850ドルから2860ドル台までが目先の上限候補、もう一段の調整目安としては12月安値(2596.7)から最高値(2862.9)までの23.6%戻し(2800.1)近辺まで。
週間ベースでは+56.1ドル、2.02%高で5週続伸。5週続伸は2023年4月以来、1年9ヵ月ぶり。月間では+194.0ドル、7.35%高で3ヵ月ぶりの反発。昨年3月(+183.7ドル、8.94%)以来、10ヵ月ぶりの急騰。上げ幅では少なくとも2012年以降の13年余りで最大。
NYプラチナは+16.7ドル、1.63%高で3日続伸。10月29日(1059.3)以来3ヵ月ぶり高値圏での一段高。アジア時間からロンドン序盤にかけては1030ドルが上限となって小幅揉み合い推移、1020ドル台前半の安値をつけて切り返すと1030ドルの壁を突破してNY市場では1040ドルトライ、NY午後には1045ドルを上限に1040ドル台前半での小幅揉み合い推移となって高止まり。過熱感こそないものの、昨年5月高値(1105.0)と10月高値(1064.6)を結ぶラインの延長線付近に到達し、中期レジスタンスラインを形成。いったんは下押し圧力が強まりそうで、調整目安としては12月安値(907.4)から1月高値(1045.6)の23.6%戻し(1013.0)近辺、1000ドルの大台など。
週間ベースでは+71.6ドル、7.37%の続伸。昨年9月9日からの週(+88.1ドル、9.59%)以来、4ヵ月半ぶりの大幅高。月間では+133.2ドル、14.63%高で3ヵ月ぶりの反発。上昇率、上げ幅ともに少なくとも2012年以降の13年余りで最大。
ドル円は+89銭、0.58%高で3日ぶりの反発。トランプ大統領発言にやや過剰気味に反応し、前日NY午後から続く154円台前半での上下動はこの日の東京午前も継続、朝方に154円50銭付近まで上昇後は153円90銭台まで反落してこの日の安値を付けると午後には154円台後半へと反発。インフレ高止まりや関税懸念などからドル高優勢の展開となり、東京市場終盤には154円90銭台まで上昇。保ち合いレンジを154円台後半へと切り上げ、NY朝には予想どおりとなったPCE結果を受けて155円トライも、予想を下回る低調となったシカゴPMI後には154円50銭台まで反落。NY午後には米10年債利回り上昇にも連れて155円トライへ、NY終盤には高値で155円20銭まで上昇して155円台を維持。154円半ばの節目割れに伴う短期下値目安153円半ばに対しては前日安値70銭台までにとどまり、少し手前で切り返し。154円30銭から155円60銭までが目先の主要レンジとなって保ち合い継続へ、上方向へ抜け出せば156円台後半までの上値トライ、あらためて下抜けなら153円割れを試しに行く展開にも。
週間ベースでは-75銭、0.48%安で3週続落。3週続落は昨年7月末以来、半年ぶり。月間では-2.03円、1.29%の反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/31終値とチャート
- 2025年2月1日(土)時点の相場
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国内金 : 15,133 円 1/31(金) ▲126(0.84%) 国内プラチナ : 5,158 円 1/31(金) ▲49(0.96%) NY金 : 2,835.0 ドル 1/31(金) ▼10.2(0.36%) NYプラチナ : 1,043.7 ドル 1/31(金) ▲16.7(1.63%) ドル円 : 155.19 円 1/31(金) ▲0.89(0.58%)
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