金プラチナ短期相場観

FRBはトランプ圧力に屈せず、市場は年後半3回利下げ織り込みへ
更新日:2025年5月8日(木)
予想どおり(予定どおり)、3会合連続でFF金利4.25-4.50%据え置きを全会一致で決定した5月FOMC。トランプ関税の影響による「インフレ加速と経済減速、失業増加」への警戒感を、スタグフレーション懸念をパウエルFRB議長は示し、トランプ大統領による利下げ圧力に対しては「影響しない」と、これも当然ながらFRBの独立性を固辞(誇示)。
市場予想はFOMC前後で大きな変動はなく、年後半に0.25%×3回の利下げで年末にはFF金利3.50-3.75%が有力。
それでもトランプ関税がなければ、それほど極端でなければ、インフレ加速懸念はそれほど強まらず、経済減速への警戒感もそれほど強まらず、利下げ見通しはもう少し前倒しになっていたものと推測され、利下げ先送りの責任の一端はトランプ大統領にも。
とりあえず今後は、年後半の利下げフェーズ再開をさらに織り込んでいくことに。ただし、それもトランプ関税とその協議動向などの行方が大きく左右することにも。
トランプ大統領は早速、NY時間8日AM8時(日本時間8日PM11時)に貿易合意に関する記者会見を開くことを発表。
関係者も、金融当局も、市場も振り回されっ放し状態が続きます。
7日のNY金は-30.9ドル、0.90%安で4日ぶりの反落。米中貿易協議開始報道を受けてアジア時間序盤に3450ドル手前の高値から3400ドル割れへと急落後は、3370ドル割れの安値をつけて下げ渋り、3390ドル台を中心に保ち合い推移の展開に。NY引け後にはタカ派のFOMC通過で3370ドル近辺へ。3350ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標3480ドル辺りに対しては3450ドル付近までにとどまって失速、反落。3430ドルが目先の上限となり、3300ドル台前半のサポート帯上限、3300ドル半ばが目先のサポート候補に。
NYプラチナは-8.9ドル、0.90%の反落。アジア時間序盤の990ドル台半ばが高値となり、980ドル台後半を中心に小幅揉み合い推移となってロンドン・NY市場へ。NY午後から軟調気味の展開となってNY引け後には980ドル割れ。1000ドルの大台手前での抵抗感の強さを確認し、960ドルまでの保ち合いレンジを維持しての推移が継続。上限突破できれば1030ドル近辺までが短期上値目標に、下限割れの場合には900ドルの大台を目安に下値トライへ。
ドル円は+143銭、1.00%高となって4日ぶりの反発。東京朝の142円40銭台が安値となり、米中貿易協議開報道を受けて143円30銭台へと急騰、142円70銭台から143円30銭台までのレンジで保ち合いとなって東京時間を通過すると、欧州時間には143円10銭台から40銭台へとそのレンジを上方圧縮。NY市場では143円50銭台まで上値を切り上げ、FOMC後には143円近辺までの急落で反応後には143円後半へと切り返し、高値では144円ちょうど近辺まで上昇。目先、保ち合い下限を142円40銭に切り上げ、145円40銭までのレンジで保ち合い継続へ、上方ブレイクとなれば147円半ばまでが短期上値目標に、下方ブレイクなら4月安値圏再トライ、140円近辺までが短期下値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/7終値とチャート
8日の国内金価格は+69円、0.41%高で3日続伸。2日連続で今年17回めの過去最高値更新。16880円の節目突破に伴う短期上値目標17030円近辺にもしっかり到達してさらに一段高。今年の絶対値平均騰落値幅143円分さらに上昇すると17232円、平均的な下落なら16946円。意識されうる上値目標として4月1日(16436)から4月9日(15235)までの下げ幅の161.8%戻し(17178)。
プラチナ価格は-4円、0.08%の小幅続落。4810円から4910円までの保ち合いレンジ上限付近で失速後に小康状態。下げ止まって緩やかな上昇に転じた21日移動平均線(4799)の上で堅調推移の9日移動平均線(4869)にサポートされ、保ち合い上放れとなれば一段高トライへ、4950円程度までが短期上値目標。
※参考:金プラチナ国内価格5/8とチャート
- 2025年5月8日(木)時点の相場
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国内金 : 17,089 円 5/8(木) ▲69(0.41%) 国内プラチナ : 4,891 円 5/8(木) ▼4(0.08%) NY金 : 3,391.9 ドル 5/7(水) ▼30.9(0.90%) NYプラチナ : 983.2 ドル 5/7(水) ▼8.9(0.90%) ドル円 : 143.83 円 5/7(水) ▲1.43(1.00%)
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