金プラチナ短期相場観

6月CPIは総合指数が予想を上回り、コア指数も4ヵ月ぶり高水準
更新日:2025年7月16日(水)
米6月CPIはコア指数が前月比で5ヵ月連続市場予想を下回ったのに対し、総合指数が前年比で市場予想を上回り、強弱混在となって市場の反応は乱高下。しかしインフレ高止まり、上昇傾向への兆し、関税の影響への警戒感などから早期利下げ観測後退とともにドル高の流れが強まる展開となり、金は軟調推移。
6月CPIは前年比+2.67%。市場予想の+2.6%を上回り、前月から+0.31%、4年2ヵ月ぶり低水準となった4月(2.31)からは続伸。2月(2.82)以来、4ヵ月ぶりの高水準。
NY原油が月間平均で5月の60.86ドルから6月は67.11ドルへと急上昇、3ヵ月ぶり高水準へと急反発したのに同調した格好にも。
コアCPIは前年比+2.93%。市場予想の+2.9%にほぼ一致。前月からは+0.15%、4年1ヵ月ぶり低水準となった4月(2.78)から続伸で2月(3.12)以来、4ヵ月ぶりの高水準。
セクタ別では、エネルギー関連を除くサービス価格が前年比+3.6%となり、3ヵ月連続横ばい推移となって下げ渋り。モノの価格は+0.7%で5月の+0.3%を上回り、3ヵ月続伸。
クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+3.58%。3年7ヵ月ぶり低水準の5月から+0.13、2年4カ月ぶりの反発で1月(3.59)以来、5ヵ月ぶりの高水準。
16%トリム平均CPIは前年比+3.17%。前月から+0.14、3年11ヵ月ぶり低水準の4月から続伸、11月(3.18)以来7ヵ月ぶりの高水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは+3.31%。3年7ヵ月ぶり低水準の5月から+0.12%で1年3カ月ぶりの反発、4ヵ月ぶりの高水準。
全ての指標で6月は上昇傾向。トランプ大統領の大幅利下げ要求も一服となるかどうか。
15日のNY金は-22.4ドル、0.67%の続落。時間外には3350ドル付近から反発、3370ドル台半ばの高値で上げ渋るとロンドン市場では3350ドル台へと巻き戻し。NY市場では米6月CPI結果に対してはやや乱高下気味の反応も、ドル高の流れが強まるに連れて軟調推移、NY午後には一時3330ドル割れも3330ドル台半ばで下げ渋り。上ヒゲ陰線となって20日移動平均線(3352.6)も再び下抜け、3360ドルの節目上抜けに伴う上値トライは失敗。3310ドルから3370ドルまでが目先の主要レンジとなり、やや上値の重い状態で保ち合いへ。下限割れの場合には3210ドル近辺までを目安に一段安トライへ、上限突破へと切り返すことができれば形成逆転で上値トライ再開、6月高値圏3480ドル近辺までが短期上値目標に。
NYプラチナは-4.9ドル、0.35%の続落。時間外は1410ドル台での揉み合いとなって下げ渋り、NY朝には一時1440ドル付近まで上昇も、これが高値となって失速すると1400ドル付近までの急反落で安値をつけ、NY午後には1410ドル台で下げ渋り。上ヒゲ長めながら小幅十字線を形成して高値圏での下げ渋りの様相も、1370ドルの節目を割り込むようなら調整局面入りへ、1280ドル近辺までの一段安も。上方向に1470ドルの節目を突破するようなら再び高値更新トライへ、短期上値目標は1540ドル台辺りまで。
ドル円は+109銭、0.74%高で3日続伸。4月2日(149.37)以来、3ヵ月半ぶりの高値。東京市場では147円50銭台の安値から147円80銭台までのレンジで保ち合い推移、欧州時間には保ち合いレンジを微妙に縮小、NY朝にはCPI結果を受けて初期反応は乱高下。前月比では予想を下回るも前年比では予想を上回り、147円90銭近辺から60銭台まで急落後に切り返すと148円を挟んでの保ち合いを経て、米10年債利回り上昇に連れて堅調推移へ。148円80銭台まで上昇するとNY午後には149円トライ。結果的に早期利下げ観測後退にサポートされる形で堅調推移継続。ただし短期的には徐々に調整圧力も強まる状況にも。水準としては1月高値(158.87)から4月安値(139.89)の半値戻し(149.38)が目前となり、これを達成すると61.8%戻し(151.62)が今後意識される可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/15終値とチャート
16日の国内金価格は+58円、0.33%の反発。最高値となった6月16日(17508)以来、1ヵ月ぶりの高値。強気相場再開の流れにサポートされて17420円の節目をわずかながら上抜け、一段高トライへの可能性。短期上値目標は最高値更新、17510円近辺まで。17370円割れの場合には高値保ち合い崩れとなっていったん調整へ、17250円辺りまでが短期下値目安に。
プラチナ価格も+58円、0.82%の反発。今年高値となった6月27日(7153)以来、半月ぶりの高値。前日の反落分を取り戻し、2日前の水準をわずかに上回るも7290円の節目にもわずかに届かず。7290円超へとあと一歩抜け出すことができれば高値再トライへ、短期上値目標は今年高値更新、7180円近辺まで。ただし7030円割れの場合には調整方向へ、6900円近辺までの下値切り下げも。
※参考:金プラチナ国内価格7/16とチャート
- 2025年7月16日(水)時点の相場
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国内金 : 17,429 円 7/16(水) ▲58(0.33%) 国内プラチナ : 7,089 円 7/16(水) ▲58(0.82%) NY金 : 3,336.7 ドル 7/15(火) ▼22.4(0.67%) NYプラチナ : 1,413.1 ドル 7/15(火) ▼4.9(0.35%) ドル円 : 148.86 円 7/15(火) ▲1.09(0.74%)
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