更新日:2014年5月30日(金)
NYダウと米10年債利回りの相関関係が非常に使った時期には、90日間の相関係数も0.933と非常に強い数値を示し、株が下がれば国債が買われて金利は低下、株が買われると国債が売られて金利が上昇、というイメージを市場に強く植え付けることになっていたようです。
もともと、両者の関係は常に強い相関関係があるわけではなく、逆相関よりになったり、無関係の時期もあります。それでも最近の株と金利の関係では、株価上昇、金利低下と相反する動きとなっていることに警戒感が高まっています。日々の値動きと方向性を数値化する相関係数では、ほぼ無関係のような数値となっていますが、4月後半以降の方向性は明らかに逆方向。
通常の景気循環において、1つの局面の継続期間は平均5年半とも言われます。従って2009年の世界金融危機以降、回復基調にある局面がそろそろ終了を迎えるのではないか、という見方もあるようです。その兆しが金利低下であり、ボラティティの低下とすると、近々株価の急落局面を迎えても不思議ではない、ということのようです。
別の見方では、2009年の金融危機で被った打撃が大き過ぎたために回復局面も通常以上に長い時間を要する、という考え方も。従って労働市場の回復や金利の上昇には、もう少し時間がかかるという見方。
さらには、もう以前のような状態に戻らないとするニューノーマル、以前とは違う新たな水準に留まるとするニューニュートラルという考え方もあります。
いずれにしても、米10年債利回り低迷と歴史的低水準となっているVIX指数への警戒感は続きます。
29日のNY市場、金相場は0.24%安の4日続落で2月5日以来の水準。過去に度々節目を形成してきた1,250ドル近辺まで下げたところで、米1-3月期GDP改定値が-1.0%へと下方修正され、マイナス成長となったことなどを受けて1,260ドルまで切り返す場面も。しかし、短期下落トレンドは変わらず目標水準1,230ドル近辺までの下値リスクは継続中。
プラチナ相場は0.18%の小幅反落。この日も安値では目先の下押しリスク1,440ドル近辺となる1,446.6ドルまで下げて1,460ドル付近へと反発。底堅さも見せる動きとなりつつあり、ここから再度上値トライへと向かう可能性も。しかし、下押し圧力も徐々に高まりつつある状況からは終値ベースでも1,440ドル近辺の目標水準までしっかりと下落するリスクも継続。急騰、急落を繰り返すプラチナはこの週末が変化日となることにも警戒感。
ドル円は0.06%の小幅続落。米GDP改定値の下方修正と新規失業保険申請件数の好結果にやや乱高下、101円70銭台まで上昇して101円40銭台まで急落、その後再び101円台後半まで戻し、狭いレンジながらも動き出しを試そうとするような展開に。101円台前半から102円台前半のレンジ相場継続。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/29終値とチャート
国内金価格はわずかに1円安で3日続落。4,300円から4,400円近辺のレンジは長期的にも流れが減速し易い水準。このレンジ上限付近での足踏み状態となっているものの、もう一段の下落余地は十分にあり。このレンジ半ばとなる4,350円程度が当面の目標水準。
週間ベースでは-127円(-2.8%)となり大幅反落。月間ベースでも-154円(-3.37%)の大幅反落。
プラチナは0.49%の反発。前日下抜けたばかりのサポートライン5,090円台を回復。しかし現状では、この水準がレジスタンスラインとなる可能性のほうがやや高い状況。下値目標水準4,980円辺りまでの下落余地。
週間では-87円(-1.68%)と反落。月間ベースでは+76円(+1.51%)の続伸。
※参考:金プラチナ国内価格5/30とチャート
2014年5月30日(金)時点の相場
国内金:4,416 円 5/30(金) ▼1(0.02%)
国内プラチナ:5,096 円 5/30(金) ▲25(0.49%)
NY金:1,256.3 ドル 5/29(木) ▼3.0(0.24%)
NYプラチナ:1,460.1 ドル 5/29(木) ▼2.6(0.18%)
ドル円:101.78 円 5/29(木) ▼0.06(0.06%)
Copyright(C) Let's GOLD