更新日:2015年12月1日(火)
今朝ほど発表された11月の中国製造業景況指数は、国家統計局発表値の小幅低下に対して財新発表値は小幅上昇、いずれも節目の50を下回る低迷状態は継続。それでも財新分は中国ショックの引き金となった8月速報値47.1からは上昇傾向、国家統計局の数値もそれほど悪化が進む様子でもなさそうな状況。9月利上げを見送った要因の一つである中国景気減速懸念もそれほど進行せず、米国の9年7カ月ぶり利上げ決定に向けての阻害要因とはなりえない状況のようです。
米国内での製造業景況感としては、ここまでやや微妙な状況とも言えそうな状況です。昨日発表されたシカゴPMIは予想の54を大きく下回り、節目の50を割り込む48.7へと低下。(※チャート上は50を0に換算して表示)今年は節目の0をはさんでの上下動が続きます。少し前に発表されたNY連銀とフィラデルフィア連銀の指数はいずれも回復傾向にはありますが、NY連銀の数値は大幅マイナス圏での推移が続きます。
主要地域以外の数値でも、 ミルウォーキー購買部協会の景気指数は45.34と予想を下回り節目の50も下回る状態が継続、ダラス連銀の指数も予想こそ上回ったもののマイナス圏での推移からは抜け出せない状況。さらに、先日のマークイットの製造業PMI速報値では52.6。節目の50は上回ってはいるものの低下傾向にあり、2013年10月以来2年ぶりの低水準。
本日発表予定のISM製造業景況指数は10月分まで4カ月続落で50.1と節目割れ目前の状況。11月分は小幅反発が予想されてはいますが、万が一節目割れとなるようなら、にわかに雲行きが怪しくなる可能性も否定できません。
それでも12月利上げはもはや決定的に織り込み済。ただし、その後の利上げペースには足下の景況感低迷が大きく影響しそうな状況です。
30日のNY金相場は0.86%の反発。米11月のシカゴ購買部協会景気指数や10月の中古住宅販売保留件数指数などが予想を下回ったことなども材料となり、週末の急落に対する反発の流れ。しかし、戻り局面では1070ドルが壁に。ここをしっかり突破できるようなら1100ドル台辺りを目指す反発基調が強まる可能性。方向感はニュートラルに近づきつつある状態も、きっかけ次第で再び戻り売り圧力が強まることになり、もう一段安で1030円台辺りまで下値を試す可能性も。
月間ベースでは-76.1ドル(6.67%)の大幅反落。
NYプラチナ相場は0.35%の小幅続落。7年ぶり安値圏での安値更新も830ドルの目標水準までしっかり下げたことに伴う反発余地もあり、イベントさえなければかなりの高確率である程度の自律反発も見込めそうな状況。しかし、タイミングの悪さも最近のプラチナ相場の特徴。ユーロ安材料となるECB理事会にドル高材料になり得る雇用統計やイエレン議長講演などを控え、反発余地も限定的か。860ドルが当面の上値抵抗水準。
月間ベースでは-156.2ドル(15.79%)大幅反落、2011年9月(-17.5%)以来の急落。
ドル円相場は0.24%の小幅続伸で123円台を回復。低調な米経済指標への反応も限定的となり、ドル高の流れ再開。4営業日連続でのドル高ユーロ安傾向に追随する形でドル円でもドル高地合いが強まる傾向。123円台半ばを超えると125円台の高値トライへ、失望売りで122円台半ばを割り込むと121円割れへとやや大幅調整となる可能性も。
月間ベースでは+2.47円(2.05%)で続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/30終値とチャート
1日の国内金価格は4営業日ぶりの反発で1.05%の大幅高。4500円の下値メドを行き過ぎたことによる巻戻しも今のところは限定的か。4580円台の抵抗水準を突破できるようなら4600円台半ばを目指す反発基調継続見込み、反落で安値更新の場合には4420円台辺りが目先のメドに。
国内プラチナ価格も1.25%の大幅反発。しかし、9日移動平均線で上値を押さえられる形での下落トレンドは継続中。目先は3480円近辺までの下落余地を残し、反発継続でも3620円台が抵抗水準に。ここを突破する勢いがあれば反発局面継続で3700円台半ばを目指す展開も。
※参考:金プラチナ国内価格12/1とチャート
2015年12月1日(火)時点の相場
国内金:4,526 円 12/1(火) ▲47(1.05%)
国内プラチナ:3,557 円 12/1(火) ▲44(1.25%)
NY金:1,065.3 ドル 11/30(月) ▲9.1(0.86%)
NYプラチナ:832.9 ドル 11/30(月) ▼2.9(0.35%)
ドル円:123.09 円 11/30(月) ▲0.30(0.24%)
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