長期トレンド転換後の金相場、短期上昇トレンドは2ヶ月が限界か?
更新日:2014年03月05日(水)
2011年夏に近年のピークとなる1,900ドルの高値をつけたNY金相場は、長期上昇トレンドの終焉を迎え、2012年は横ばい推移、2013年には大きく下落、そして2014年に入り上昇基調が継続中。しかし、ここまでの間、NY金相場が短期的な上昇トレンドを描いた期間は2ヶ月が限界となっています。(参考:
NY金長期チャート)
この2年半の間で、1ヶ月以上の上昇トレンドが続いたのは5回。
1)2011年9月末(1,600ドル割れ)から11月初旬(1,800ドル手前)までの1ヶ月強。
2)2011年12月末(1,540ドル近辺)から2012年2月末(1,780ドル台)までの2ヶ月間。
3)2012年7月末(1,500ドル台後半)から10月初旬(1,800ドル手前)までの2ヶ月強。
4)2013年7月(1,200ドル近辺)から8月末(1,410ドル台)までの2ヶ月間。
5)そして今回の2014年、年初(1,200ドル近辺)から2ヶ月経過して1,330ドル台に。
ウクライナを舞台としたロシアと欧米の緊張感はいったん緩和されたものの、根本的な解決には至らず、警戒感はくすぶる状況。米国の景気回復基調にも疑問符がつく状態からは抜け切れない状況。
そんな状況下でNY金相場の短期上昇トレンドは3ヶ月めに突入。そろそろ時間的な限界点に達し、短期トレンドに変化が見られるか、それとも記録更新へと向かうのか、今週末には重要イベントも控え、重要な分岐点を迎えているようです。
NY市場、金相場は0.92%の反落。ロシア・プーチン大統領の声明によりウクライナ情勢の緊張が緩和され、リスク回避の巻き戻し。前日、既にほぼ
目標水準1,360ドル近辺となる1,355ドルまで上昇していたこともあり、ロシア西部の軍事演習終了報道の際には1,350ドル台から1,330ドル台へと急落。地政学リスクで急上昇した場合のリスク後退による急落の典型例に。ここまでの上昇基調にやや減速感も見られ、サポートライン1,320ドルを割れると流れに変化も。
プラチナ相場は0.23%の続伸。南アの鉱山ストが6週間めに入り、労使交渉に進展がなければ在庫不足の懸念も浮上し始めていることが買い材料に。高値でも1,467.6ドルまで上昇し、
1,470ドルを超えて第2目標1,490ドル程度まで上値を伸ばす可能性がさらに高まってきたことをロウソク足の足型も示します。サポートラインは1,420ドル台。
ドル円は4日ぶりに0.75%の反発。前日の十字線の足型が示唆したとおりに、当面の地政学リスク後退を背景に長めの陽線となり、102円台を回復。しかしこの102円台前半には3本の移動平均線が集中しており、抵抗線にもなりうる水準。下押し圧力は緩和されたものの、100円30銭台付近までのリスクは残る状態。円安方向へは102円60銭近辺が節目に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/4終値とチャート
国内金価格は3日ぶりに小幅反落。目先のサポートラインは9日移動平均線のある4,550円付近と4,530円台。RSIの数値が高値から下降気味となり、減速感も見られるものの、4,620円近辺の上値目標トライは継続中。
プラチナは3日ぶりに0.96%の大幅反発。こちらもRSIは下降気味となり、価格上昇に逆行するダイバージェンスを形成し、反落の可能性も示唆。それでも緩やかに上昇する9日移動平均線に支えられて5,000円ちょうどの上値目標を目指す展開。サポートラインは4,870円。
※参考:
金プラチナ国内価格3/5とチャート
2014年03月05日(水)時点の相場
国内金:4,571 円 3/5(水)
▼12(
0.26%)
国内プラチナ:4,961 円 3/5(水)
▲47(
0.96%)
NY金:1,337.9 ドル 3/4(火)
▼12.4(
0.92%)
NYプラチナ:1,464.1 ドル 3/4(火)
▲3.4(
0.23%)
ドル円:102.21 円 3/4(火)
▲0.77(
0.75%)
3/4(火)のその他主要マーケット指標
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