年間平均値幅から見たドル円と金相場のさらなる行き過ぎの余地
更新日:2014年11月06日(木)
年前半の異常な小動き状態から抜け出したドル円相場は、異常とも言えるペースでのドル高円安が進行し、過熱感を最大レベルに高めながら、行き過ぎとも思える状態に入りつつあります。
1999年以降のドル円相場の年間値幅は平均16.48円。変動率にして15.8%。
今年の値幅は現在14.21円。変動率は13.5%。最低水準の値幅10円程度、変動率10%程度を超えてはいるものの平均値には及びません。2013年の値幅18.87円、21.8%と比較すると大きく下回ります。
年末までに平均的値幅に到達する為にはあと2.2円。ドル高方向に2円強上乗せすると117円台。もし、120円まで上昇した場合の値幅は19.25円、変動率は18.3%。値幅こそ2013年を少し上回りますが変動率では下回ります。1999年以降の平均値を少し上回る程度。
同様にNY金相場を見ると、2002年以降の平均値幅は284.45ドル。変動率は33.6%。
今年の値幅は現在255.5ドル。変動率では21.2%。
値幅の差分30ドルを下方向へプラスすると、1,100ドル近辺・・・。
プラチナ相場の場合、2008年の異常値(2,290ドルまで上昇後730ドル台へと急落、変動幅1,557ドル)を除き、2002年以降の平均値を算出すると、値幅は363.76ドル、変動率34.5%。
今年の値幅は現在337.3ドル。変動率は24.5%。
値幅の差分30ドルを下方向へ加算すると・・・1,150ドル台。
いずれも現状では、上昇し過ぎ、下落し過ぎ、の行き過ぎ感もあるものの、年間の値幅で見ると、決して行き過ぎではありません。
5日のNY市場、金相場は1.88%の大幅安で6営業日続落となり、2010年4月以来4年7カ月ぶりの安値水準へ。米中間選挙での共和党過半数獲得で上下院のねじれ解消濃厚となった東京時間午後、黒田日銀総裁の強気発言も重なったことによりドル高の流れが加速、同時に金の売り圧力が急速に高まることに。
下値目標1,100ドル台半ばに到達したことで短期的には一服感も出やすいところ。しかし、ボラティリティが高まった状態で雇用統計を迎えることで目先の波乱も。また、昨年来のトリプルボトム形成に失敗し、長期サポートラインを下抜けており、長めのスパンでは一時的な大台割れへの警戒感も高まる状況。※参考:
1,000ドルの大台割れの可能性
プラチナ相場も1.15%の大幅続落。金に連れ安となった形で一時1,197ドルまで下落し、
下値目標1,200ドル前後に到達。10月3日の終値ベースでの今年安値は下回ったものの、10月6日の安値ベースでの今年最安値1,186.5ドルは下回らず、2番底の状態を維持。ボラティリティも低下傾向にあり、急落局面収束への可能性は金よりも高め。1,240ドル台の抵抗線が反発への節目。
ドル円相場は0.93%の大幅反発。米中間選挙と黒田総裁発言で114円台へと上昇した後、
好調を維持したADP雇用統計発表直後には2007年11月5日以来ちょうど7年ぶりとなる114円80銭台まで上昇。10月のISM非製造業景況指数は予想を下回ったものの下押しも限定的。今朝は115円台トライへの動きも見られる状況。ECB理事会を経てユーロ売りドル買いが進み、米雇用統計がそこそこポジティブな結果となれば、ドル買いの勢いがさらに高まることに。短期的には116円近辺、少し時間を要するとしても120円近辺を目指す可能性も。ただし、113円台半ばを割れると調整局面入りへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/5終値とチャート
6日の国内金価格は1.25%の大幅反落。4510円台から4570円台のレンジを乱高下の状態で上抜け目前の状態から、わずかに下抜け。単なる行き過ぎでレンジ内回帰の可能性も残しつつも下方リスクも拡大、下値トライの場合のメドは4,430円程度まで。
プラチナ価格は0.17%の小幅続落。それでも反発傾向の流れは継続中、当面の抵抗線4,780円を突破できれば4,850円程度まで上値余地拡大の可能性。サポートラインは4,660円台。
※参考:
金プラチナ国内価格11/6とチャート
2014年11月06日(木)時点の相場
国内金:4,512 円 11/6(木)
▼57(
1.25%)
国内プラチナ:4,749 円 11/6(木)
▼8(
0.17%)
NY金:1,145.7 ドル 11/5(水)
▼22.0(
1.88%)
NYプラチナ:1,210.6 ドル 11/5(水)
▼14.1(
1.15%)
ドル円:114.64 円 11/5(水)
▲1.05(
0.92%)
11/5(水)のその他主要マーケット指標
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