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★金プラチナ短期相場観★

予想外のムーディーズ日本国債格下げをきっかけに金相場は反転
更新日:2014年12月02日(火)
2014年も残り1カ月となった12月の第1週は商品市場大荒れの週明けとなりました。先週末のOPEC総会の余波で原油相場が11月末に急落、貴金属市場もこの影響を受けての追随。さらに金相場はスイスの国民投票の結果を受けて急落局面が加速。プラチナもこれに追随する形で底値圏への再トライの可能性も高まっていた昨日朝時点からは状況が一変。意表を突いたムーディーズの日本国債の格付け引き下げをきっかけに流れが大きく変わり始めた様子も。

主要国のなかでは、今後格下げされる可能性は高かった日本。しかし、見通し「ネガティブ」としていたのはムーディーズ以外の2社。しかもS&Pは消費増税先送りを好感するようなコメントを出しており、強いて言えば総選挙後の動向を見てフィッチによる格下げがあるかどうか、という程度。ムーディーズも2015年の国債格付けは安定方向、との見通しを出していただけにノーマーク状態。2014年中にけりをつけてしまおうとの思惑も働いたかどうかは定かではありません。これで主要先進国のなかでは最低ランクの格付けとなり、アジアではサウジや韓国、中国の1ランク下、日本政府に対する信用度はエストニアとチェコと同等に。
長期的には、円安・株安・債券安(金利上昇)のトリプル安要因がわずかに増えたことになります。

総選挙前という意外なタイミングもあり、完全に不意を突かれた形で市場は乱高下の反応。円売りの流れが一瞬急速に進んだものの、日本株の急落に連れてドル円も円高方向へと切り返し、短期的には、格下げがリスク回避要因となることを示した形。
ただし、このリスク回避の流れも限定的に留まり、今朝の日本株もドル円も反発傾向へと転じています。
そんな乱高下のなか、リスク回避の流れに乗じて反発傾向を強めた金相場は大幅上昇に。直前までの急落局面からの反発という側面と相まって一気に流れが変わってしまった可能性も高まります。

黒田日銀総裁が懸念していた「手の打ちようがなくなる状況」への可能性を一瞬、垣間見たような市場のプチ混乱ぶりに、安倍総理も少しだけ、身を引き締める思いを感じたかもしれません。総選挙後の日本の政権動向への注目度も高まると同時に、市場のリスク要因もまたひとつ増えました。

NY金・日足チャート 2014/10/30 - 12/11日のNY市場、金相場は3.65%の大幅反発。10月29日以来1カ月ぶりの1,200ドル台を回復。朝の時点で今年最安値圏となる1,140ドル近辺まで急落していたことで反発傾向の推移、ムーディーズの日本国債格下げを受けたリスク回避の流れで反発基調が加速。1カ月間、上値抵抗線となっていた1,200ドルの大台ラインを大きく上抜けたことで上値余地が拡大。しかし、急騰局面もやや行き過ぎの感もあり、目先の目標水準は1,230ドル近辺、上昇余地は限定的。

NYプラチナ・日足チャート 2014/10/30 - 12/1プラチナ相場も2.5%の大幅反発。急落局面ではサポートラインの1,200ドルを大きく下抜けて1,180ドル近辺まで下落していたことで、今年最安値圏更新へと向かう可能性が高まっていたところをムーディーズに救われた格好。上値目標1,250ドル近辺を目指す流れ再開となり、既にその近辺となる1,247.7ドルまで上昇し、ほぼ到達状態。後退しつつあった上昇圧力が強まり、1,260ドル程度まで上値余地は拡大。

ドル円・日足チャート 2014/10/31 - 12/1ドル円相場は0.24%の小幅反落。格下げを受けた直後の円売り反応で119円10銭台まで急騰し、高値更新後は一転してリスク回避の流れ。日本株売りとともに円高傾向を強めると117円80銭台まで下落する乱高下状態。米ISM製造業景況指数が予想を上回ったことをきっかけに118円台を回復。日本売り要因でドルが売られて米国買い要因で買い戻された形に。117円60銭台をサポートラインに120円近辺を目指す流れもなんとか維持。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/1終値とチャート

2日の国内金価格は5営業日ぶりの反発で3.95%の大幅高。今年最大の下げ幅となった翌日は今年最大の上げ幅に。昨年4月17日の+190円、+4.39%以来の上昇率。この時は前日が-12.5%の金価格暴落の日。値幅こそ若干違うものの、急騰と急落がセットで生じやすい金価格の特徴的な動きが健在であることを今回も証明。当面の抵抗線になるものと思われた4,860円台をあっさりと上抜けたことで上昇基調加速の可能性。上値目標は4,960円近辺。

プラチナ価格も2.38%の大幅反発。NYプラチナの急落リスク回避により国内価格の上昇トレンドも再加速の可能性。4,940円の抵抗線超えにより、まずは5,000円近辺、さらに堅調推移が続けば5,030円辺りが当面の目標に。サポートラインは4,840円。
※参考:金プラチナ国内価格12/2とチャート

2014年12月02日(火)時点の相場
国内金:4,892 円 12/2(火) ▲186(3.95%)
国内プラチナ:4,956 円 12/2(火) ▲115(2.38%)
NY金:1,218.1 ドル 12/1(月) ▲42.9(3.65%)
NYプラチナ:1,241.6 ドル 12/1(月) ▲30.3(2.50%)
ドル円:118.39 円 12/1(月) ▼0.29(0.24%)
→12/1(月)のその他主要マーケット指標

←とまらない円安日本株買いの流れに警戒感高まるドル高懸念 12/03(水)
→「スイスの金を救え」否決でNY金相場続落、日本の金は円安が救う? 12/01(月)
→原油安・ドル高円安が進行した2014年11月の月間騰落率 11/29(土)
→1200ドルの分岐点、NY金とプラチナ相場それぞれの攻防 11/28(金)

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