グッドフライデー、雇用統計でバッドフライデー
更新日:2015年04月04日(土)
3月の
米雇用統計で、平均時給は24.86ドル。2月の24.79ドルからは0.28%上昇し、前年同月比では+2.14%。2月の+2.02%から小幅上昇。決して悪くはないけれど、近年続く「賃金上昇率・前年比2%」近辺の呪縛から解き放たれる気配は依然見られない状況。
その他の指標では、長期失業者の割合が前月の31.1%から29.8%に改善、U6失業率も前月の11.0%から10.9%へと改善。しかし、労働参加率は前月の62.8%からリセッション後の最低水準62.7%へと再び後退。
最もインパクトのあった非農業部門雇用者数(NFP)の前月比増減数は、
ADP雇用との関係から下振れが予想されたとおり、むしろ、それ以上に予想を大きく下回る結果となりました。過去分も下方修正されたことにより、
NFPの年間平均と3カ月平均は+19.7万人へと低下。
この数字では、回復の目安とされるリセッション前の水準+16.2万人程度が意識され、3月分単月ではこれを大きく割り込む結果となっています。
「雇用市場だけは」と見られていた状況から、「雇用も」へと変化しかねない、ネガティブ・サプライズとなりました。
こうして、グッドフライデーの日に発表された米雇用統計により、グッドフライデーはバッドフライデーに。
なお、これで雇用の鈍化傾向が今後も続くと見るのは、現時点では時期尚早で、季節要因が十分に炙りだされた結果、ともとれます。
バッドフライデーとなったドル円相場は、0.59%のドル安円高で3日続落。雇用統計を受けて急落すると一時118円70銭台へ。やや持ち直した形で週末を迎えたものの、週明け・イースター休暇明けの変動余地を残し、短期的には119円10銭台のサポートラインを割れたことによる下値メド118円台前半まで、もう一段の下落も予想されるところ。
週間ベースでは前週末比わずかに-0.17円(-0.14%)となり、3週続落。長期上昇トレンドが続くドル円の3週続落は、2013年5月20日から6月前半までの4週続落、ちょうどバーナンキショックの時以来のこと。中期スパンで見ると12月と3月高値のダブルトップ形成への流れが続き、1月末の安値揉み合い水準117円台半ば辺りも意識される。
グッドフライデーのNY金相場は休場。週間ベースでは+1.1ドル(+0.09%)となり3週続伸。
なお、週明け時間外のNY金相場は1%程度の上昇も見込まれそうな状況で、1,210ドル程度でスタートした場合、国内金価格の月曜朝の予想価格は、現時点で4,950円程度。
プラチナ相場もグッドフライデー。週間ベースでは+10.2ドル(+0.89%)で3週続伸。
週明けのNYプラチナ相場も金と同程度の上昇となった場合、国内プラチナ現物の月曜朝の予想価格は4,750円程度も。
2015年04月04日(土)時点の相場
国内金:4,956 円 4/3(金)
▼2(
0.04%)
国内プラチナ:4,758 円 4/3(金)
▼16(
0.34%)
NY金:1,200.9 ドル 4/3(金) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ:1,153.8 ドル 4/3(金) +-0.0(0.00%)
ドル円:118.99 円 4/3(金)
▼0.71(
0.59%)
4/3(金)のその他主要マーケット指標
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