ヒントなしのFOMC後、年内利上げ前提に適度な円安株高再開へ
更新日:2015年07月30日(木)
現状維持の7月FOMCでは、次回9月に利上げスタートか、見送って12月濃厚となるのか、そのヒントが示されるのかどうかが最大のポイントとなっていましたが、結局グレーなまま。景気拡大傾向と雇用の底堅さなどに言及し、労働市場がもう少しだけ改善すれば利上げにゴーサイン、という印象も。
8月と9月の雇用統計が好結果となれば、9月利上げ観測も再燃する可能性も残り、例え12月にずれ込んだとしても、米国経済の順調な拡大を背景に年内最低1回の利上げは濃厚。
そんな程良い状況を背景に、円安株高の流れが再開し始めた様子です。厳密にはドル高傾向が再開し、日本株が一時的な調整局面から堅調地合いへと回帰し始めた状況とも言えますが、ドル円上昇と日経平均上昇のカップリング状態が戻ってきたようです。
ここ数年のドル円と日経平均は相関関係の強い状態が続いていますが、短期的には方向性が若干異なることもあります。
4月頃には堅調推移が続いていた日経平均は2万円を超え、一方のドル円は120円近辺での膠着状態が続いていました。
30日間の相関係数の推移チャートを見るとその傾向が顕著に表れ、一時逆相関よりの状況となっていました。その後徐々に方向性が一致し始め、ギリシャや中国株動向に振り回されて同じようにリスク回避の流れを経て、それが一段落すると、相関関係の強い状態へと戻ってきました。90日の相関係数の推移では、ゆるやかに弱めの相関関係から強めの相関関係へと推移しています。
以前のように、日銀主導の極端な円安株高の流れではなく、米国経済の動向や好調な日本企業の業績にも支えられ、適度な調整もはさみながらの落ち着いた堅調推移の円安株高傾向がスタートしたかもしれません。
29日のNY金相場は0.33%の続落。この日の高値もFOMC声明文発表直後の急騰局面での1100.9ドル。22日終値で1100ドルを割り込んで以降の6日間は、一時的には何度も1100ドル超えを試しながら終値での1100ドル回復は一度もない状態。1100ドルのレジスタンスラインと1080ドル台のサポート水準との間でレンジを縮小するミニ三角保ち合い状態に。9月利上げの可能性がやや後退したことで直近の経済指標がそれほど良くなければいったん買い戻し進行で急反発の可能性も。逆もまたしかり。
プラチナ相場は0.15%の小幅続落。20日に1000ドルの大台を割り込むとそのまま990ドルを通過、これ以降、終値では990ドルを維持できない日がそろそろ10日め。970-990ドルのレンジを縮小しつつ、金に連れての大きな動き出しを警戒しながら待つ状態。
ドル円は0.29%の続伸。FOMC前からドル買い円安傾向が続くと、グレーな声明文に123円半ばへ30銭ほど急落も即反発でドル高地合い継続。米4-6月期GDPや雇用統計などでの好結果を期待しているかのような流れへ。ネガティブ・サプライズに警戒しながらも124円台前半の上値抵抗水準トライ、そして高値更新トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/29終値とチャート
30日の国内金価格は0.49%の続伸。NY金の安値膠着状態が続くなかでの円安傾向により、下値リスクが緩和されて底値圏からの反発傾向へ。4680円の抵抗線超えに伴い、当面の反発余地は4740円近辺まで拡大。
プラチナは0.86%の大幅続伸。(現時点での)底値からの反発傾向が強まり、流れも変わった可能性。いったん底入れで短期的には上昇トレンドがスタートした可能性も高まり、円安基調が続けば4300円台前半までの上昇余地も。
※参考:
金プラチナ国内価格7/30とチャート
2015年07月30日(木)時点の相場
国内金:4,691 円 7/30(木)
▲23(
0.49%)
国内プラチナ:4,238 円 7/30(木)
▲36(
0.86%)
NY金:1,092.6 ドル 7/29(水)
▼3.6(
0.33%)
NYプラチナ:984.9 ドル 7/29(水)
▼1.5(
0.15%)
ドル円:123.91 円 7/29(水)
▲0.36(
0.29%)
7/29(水)のその他主要マーケット指標
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