1月の小売売上高は上振れも米国の消費は減速フェーズ進行中
更新日:2016年02月13日(土)
米商務省が発表した1月の小売売上高は、予想の前月比+0.0%を上回り+0.1%。12月分も-0.1%から+0.2%へと上方修正。変動の大きい自動車を除く数値でも0.0%予想に反して+0.1%、12月分も-0.1%から+0.1%に修正され、米国の消費は底堅さが見られる状況のようにも見えます。
局面的には好結果となったものの、数年間の推移を見ると、減速フェーズが進行している様子も確認できます。
自動車を除いた小売売上高でも月々の変動は大きい為、方向性を見るために6カ月移動平均で見ると、2010年以降は前月比+0.2から+0.8%までの範囲での推移が続いていました。しかし、その上限は徐々に下降傾向、下限も2014年12月にはマイナス圏に低下すると、そこから6カ月連続でのマイナス推移。反発後のピークは2015年8月の+0.47%。そこから再び下落傾向となって2016年1月には0.0%まで低下した状態。上値も下値もゆるやかに切り下がる下落トレンドが進行中です。
また、ミシガン大学の消費者信頼感指数の2月速報値でも予想を下回る90.7。こちらは2014年まで上昇トレンドが続き、2015年1月の98.1をピークに下降トレンドがスタートしています。
米国経済を支える消費も、それほど良くない数値が目立ち始め、減速フェーズが進行しようとしている状況のようです。
12日のNY金相場は0.67%の反落。リスク回避ムード一服となるなか、前日までの急騰に伴う利益確定売りと衰えない金買い需要との交錯で高値揉み合い状態。1240ドル台から1230ドル台前半へと急落しては買い戻されるパターンが何度も繰り返され、NY時間には産油国の協調減産実現への期待感再燃で原油価格が急騰し、株高ドル高の流れが加速したにも関わらず金の調整は限定的。昨年5月高値1220ドル台後半辺りまでの調整はいつ入ってもおかしくはない状況ながら、堅調地合いも継続。1250ドルが目先の抵抗水準に。
週間ベースでは+81.7ドル(7.06%)の大幅高となり、4週続伸。2013年7月半ばの5.35%上昇を大きく上回り、過去5年では最大の上げ幅。
NYプラチナ相場も0.53%の反落。金と同様に950ドル台での保ち合い状態が続く堅調ぶりで調整幅としてはかなり限定的。きっかけ次第で90日移動平均線など複数の節目が集中する900ドルの大台ライン付近までの調整は想定されるものの、今しばらくは高値揉み合い継続の可能性も。
200日移動平均線のある970ドル台が当面の上値抵抗水準候補に。
週間ベースでは+54.4ドル(6.02%)で4週続伸。昨年10月上旬(+8.17%)に次ぐ大幅上昇。
ドル円は5日ぶりの反発となり、0.78%の大幅ドル高円安。休日明けの日本株が大きく値を下げた東京市場では113円から111円台半ばまで大きく値を下げて反発、欧州株の反発地合いを好感するように112円台半ばでの安定推移へ。NY時間にかけては米1月小売売上高の好結果や原油の反発基調に米株の大幅高と好材料も重なり、一時113円台半ばまで上昇。結果的に2013年前半の長期保ち合い底辺100円70銭台から2015年高値125円80銭台までの61.8%戻しとなる110円30銭台手前で急反発し、50%戻しとなる113円30銭付近まで戻した状態。1週間前に底割れした重要水準、38.2%ラインの116円20銭台方向へと反発地合い継続か、再び61.8%ライン方向へと円高再開かの分岐点に。
週間ベースでは-3.61円(3.09%)、2週連続3%超の大幅安。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/12終値とチャート
2016年02月13日(土)時点の相場
国内金:4,787 円 2/12(金)
▲78(
1.66%)
国内プラチナ:3,707 円 2/12(金)
▲16(
0.43%)
NY金:1,239.4 ドル 2/12(金)
▼8.4(
0.67%)
NYプラチナ:958.1 ドル 2/12(金)
▼5.1(
0.53%)
ドル円:113.29 円 2/12(金)
▲0.88(
0.78%)
2/12(金)のその他主要マーケット指標
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