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★金プラチナ短期相場観★

昨年の年間値幅を超えたドル円、激動の10日間
更新日:2016年02月12日(金)
日銀がマイナス金利導入を決定した1月29日のドル円高値が1ドル=121円60銭台、この瞬間が年初来高値となってドル円暴落の起点となりました。
この日から数えて10日めの2月11日、祝日の日本時間夕刻には1ドル=110円90銭台を記録し、10日間ほぼ一方的に円高が進行したドル円の値幅は10円を超えました。たった10日間で早くも昨年の年間値幅10円弱を上回る大幅変動となっています。
足下では、この10日の中では最も長い下ヒゲを残したことでセリング・クライマックスとの期待感も高まるところですが、背景にある様々なリスク要因の織り込み、収束見通し不十分、止まらない日本株安の現状からは、まだまだ予断を許さない状況です。

木曜終値時点で今週のドル円下落幅は前週末比-4.49円、-3.84%に達し、先週の-3.42%も超えてきました。
過去10年間のドル円週間騰落率の平均は1.1円、1.1%の上下動に過ぎません。平均の3倍となる3%超の上昇、もしくは下落となるケースはそうそう見られません。

ここ2週間を除き、ドル円が3%超の上昇、もしくは下落となった週は、2010年まで遡ると6回ありました。
(1)2014年10月27日からの週には、108.14円から112.36円まで4.22円(3.90%)の上昇。FOMC、米GDP上振れ、日銀追加緩和が続いた週。
(2)2013年6月17日からの週:94.19円から97.82円まで3.63円(3.85%)上昇。FOMCで年内QE縮小見通しとなった週。
(3)2013年6月10日からの週:97.56円から94.19円へ-3.37円(-3.45%)下落。バーナンキショック(5/22)後のリスク回避局面。
(4)2013年4月1日からの週:94.23円から97.61円へと3.38円(3.59%)上昇。黒田日銀量的質的緩和(4/4)の週。
(5)2011年10月31日からの週:75.83円から78.24円へ2.41円(3.18%)上昇。最後の円売りドル買い介入(10/31)の週。
(6)2011年3月28日からの週:81.36円から84.02円へ2.66円(3.27%)上昇。東日本大震災後の円高でG7協調介入(3/18)の翌週。

全て、当局の動きがきっかけとなっていました。今回のきっかけも、やはり当局の動き。
年1回の頻度で発生する週3%超の変動が、今回は2週連続2回めの発生となりそうな状況にあります。
この状況が収束に向かうためにも、当局の動きが必要なのかもしれません。

NY金・日足チャート 2016/1/12 - 2/1111日のNY金相場は53.2ドル、4.45%の大幅反発で昨年2月5日(1262.7)以来、1年ぶりの高値水準となり、行き過ぎ警戒水準1245.9ドル付近にいきなり到達してしまった状態。上昇率4%超となるのは2013年9月19日(+61.7ドル、4.72%)以来2年5カ月ぶり。当時は米QE縮小開始の先送り決定を好感した金買い。今回は世界規模に拡大してきた金融市場の混乱を背景とした米追加利上げ先送り催促と先送り濃厚となることに伴う景気減速不安が交錯する負のスパイラル状態、さらにはこのタイミングに乗じた仕掛け的なドル売り円買いが重なり、逃避的な形で金への資金流入が強まった状態。ドル円の急落・急反発と荒い値動きに対して、コンスタントに買われ続ける形で大きく水準を切り上げる展開となったこともあり、突発的なリスク回避による急騰後の急反落という流れにはならず、比較的緩やかな調整フェーズとなる可能性も。
目先の調整目安としては12月安値から11日高値までの23.6%戻し1212.3ドル~5月高値1227.6ドル辺り。実現すると大変なことになりそうな、さらなる行き過ぎ警戒水準としては昨年高値付近1300ドルの大台も視野に。
※波乱の祝日にWGCから2015年金需要レポートが公表されています。

NYプラチナ・日足チャート 2016/1/12 - 2/11NYプラチナ相場も3.1%の大幅高で金に追随、11月2日以来3カ月と1週間ぶりの高値水準となり、行き過ぎ警戒水準976ドルに迫る970ドルまで一時上昇。市場全体が不安定な状況下での調整目安は、1月安値から11日高値までの38.2%戻し909.9ドルから90日移動平均線なども集中する900ドルの大台ライン辺りまで。さらなる行き過ぎ警戒水準としては、早々の到達確率は極めて低いと思われる1000ドルの大台も。

ドル円・日足チャート 2016/1/13 - 2/11ドル円は0.8%の大幅ドル安円高で4日続落。落ちるナイフ状態で休日の日本時間朝と欧州時間朝の急落で111円割れ。その後113円20銭付近まで急騰する場面もあり、介入か?との噂も飛び交う大荒れ状態。日銀追加緩和の2014年10月31日終値112円30銭台と同水準となり、一時的には行き過ぎ警戒水準110円30銭台も視野に入る状態に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場2/11終値とチャート

12日の国内金価格は1.66%の大幅反発。円高を補って余りあるNY金の急騰で目標水準4750円を超え、10月29日(4805円)以来の高値水準。7月以来7カ月ぶりに200日移動平均線も超え、昨年来続いた中期下落トレンドの抵抗線を上抜けた形。混乱状態の市場が落ち着いた時点で現状水準以上を維持できていれば、大きな流れが変わり始めたことに。目先は4800円前後までの続伸の可能性も残し、4700円が重要なサポートラインに。
週間ベースでも+145円(3.12%)の大幅高で4週続伸。

国内プラチナ価格は0.43%上昇し、6日続伸。昨年10月以来4カ月ぶりの6日続伸となり、ようやく年初来高値を更新し、目標水準3710円台辺りにも1週間かけてほぼ到達。目先意識される水準としては90日移動平均線の3723円、12月高値1237円。この水準をしっかりと超えるような展開となれば、底値揉み合い圏からの脱出へ。
週間ベースでは+58円(1.59%)、3週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格2/12とチャート

2016年02月12日(金)時点の相場
国内金:4,787 円 2/12(金) ▲78(1.66%)
国内プラチナ:3,707 円 2/12(金) ▲16(0.43%)
NY金:1,247.8 ドル 2/11(木) ▲53.2(4.45%)
NYプラチナ:963.2 ドル 2/11(木) ▲29.0(3.10%)
ドル円:112.41 円 2/11(木) ▼0.91(0.80%)
→2/11(木)のその他主要マーケット指標

←1月の小売売上高は上振れも米国の消費は減速フェーズ進行中 02/13(土)
→行き過ぎた相場の警戒水準 02/11(木)
→回復傾向を示したダッシュボード、注目度高まるイエレン発言 02/10(水)
→米労働市場にも暗雲、労働市場情勢指数(LMCI)は急減速 02/09(火)

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