2016年前半、対ドル上昇率:金vs円
更新日:2016年07月19日(火)
安全資産として米ドルよりも買われやすい金と日本円。今年前半の対ドル上昇率を比較。※2015年末の1トロイオンス当たりのドル建て金価格と、1円当たりのドル価格を100とした指数の推移を比較。
金価格は昨年末終値の1060.5ドルから、2016年最高値=7月6日高値1377.5ドルまで買われ、7月18終値1329.3ドルまで売られています。
日本円は昨年末の1ドル=120.32円から、2016年最高値(円高)=6月24日の99.16円まで買われ、7月18日終値106円15銭まで売られています。
指数化した金価格の2016年最高値は129.89、現在は125.35まで低下。
指数化した円価格の2016年最高値は121.34、現在は113.35まで低下。
金価格は対ドルで30%上昇し、そこから3.5%下落、現時点での年間騰落率では25.35%の上昇。
日本円は対ドルで21%上昇し、そこから6.6%下落、現時点での年間騰落率は13.35%の上昇。
今年前半、ピーク時の金は、対ドルで円の1.5倍買われ、半年間では約2倍買われている状態です。
しかし、ピーク時からの下落率は円のほうが大きく、金の約2倍。
最近の円安の進行度合いは、金価格の調整度合いの約2倍、という状況です。
安全資産が買われやすくなる局面では、円よりも金が買われ、リスク資産が買われやすくなる局面では、金よりも日本円が売られやすくなっています。
これが今年のトレンドとなり、国内金価格を押し上げています。
18日のNY市場はトルコのクーデター未遂が週末の短時間で収束したこともあり、
ダウが今年2度めの7営業日続伸で5営業日連続の最高値更新、
VIX指数も連日の年初来安値更新とリスク選好の流れ継続。NY金相場は0.14%の小幅高で3日ぶりの反発。土曜日未明に急騰した1330ドル台後半からの調整も1320ドル前半までと意外と下値も堅い。しかし、流れとしては短期調整局面入りで引き続き1310ドル程度までの下押しは想定される。
1週間前に965.22トンへと大幅減となっていたSPDRゴールド・シェアの金ETF残高は、その後962.85トンまで減少し、再び965.22トンまで増加。金相場が下落すると金ETFが買われる今年のトレンドは継続。
NYプラチナ相場は0.66%の反発。4営業日連続で1090ドル台を割れて1080ドル台までの下値トライからの反発。金以上に下値は堅く、高値圏での保ち合い状態が継続。1070ドル付近までの調整はいつ入ってもおかしくはないところ。しかし、買われ過ぎ状態からの調整を下落幅ではなく時間で解消しようとしているかの様子も。保ち合い上抜けなら1130ドル台へとさらに水準を切り上げるような展開も。
ドル円は1.29%の大幅反発。土曜早朝の急落分を取り戻し、さらにドル高円安方向へと上値を切り上げると終値でも6月23日以来の106円台を維持。トルコの政情不安による一時的な急落が適度な調整となった形で、105円台前半の節目を上抜けたことによる
上値目標106円台前半へと一気に到達。今朝には再び105円台後半へと水準を切り下げ、104円台後半から106円台前半までのレンジで保ち合い形成の兆し。レンジを維持できれば月末に向けて日米金融政策動向によってはドル高円安基調継続の展開も。下限割れの場合には103円台半ばまでの下押し余地も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/18終値とチャート
3連休明け、19日の国内金価格は0.29%上昇、1月と3月に続き今年3回めの6日続伸。
上値目標の上限4830円近辺にしっかりと到達し、
ダブルボトムからの反発目安4850円台にもあとわずかの水準となったことによる一服感も。
プラチナ価格は0.18%の小幅安で6日ぶりの反落。今朝の時間外でNYプラチナが1090ドル台へと若干調整気味となったことによる下げもかなり控えめ。RSIは95.4となり、過去最大レベルの買われ過ぎ状態。ただし、しばしば行き過ぎ状態が発生する国内プラチナ価格のRSIは過去99台も何度か記録したことも。NYプラチナの異常な底堅さと短期的な円安地合いが国内プラチナ価格の異常な買われ過ぎ状態をサポート。
※参考:
金プラチナ国内価格7/19とチャート
2016年07月19日(火)時点の相場
国内金:4,839 円 7/19(火)
▲14(
0.29%)
国内プラチナ:3,967 円 7/19(火)
▼7(
0.18%)
NY金:1,329.3 ドル 7/18(月)
▲1.9(
0.14%)
NYプラチナ:1,101.6 ドル 7/18(月)
▲7.2(
0.66%)
ドル円:106.15 円 7/18(月)
▲1.35(
1.29%)
7/18(月)のその他主要マーケット指標
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