米耐久財受注は伸び悩み、欧州リスク後退でリスクオン
更新日:2016年10月28日(金)
米商務省が発表した9月の耐久財受注は前月比-0.1%。市場予想の0.0%を下回り、8月の+0.3%(+0.1%から上方修正)からも低下。7月の+3.6からは2カ月連続の急低下となり、やや低調な状態が続きます。
変動の激しい輸送機器を除いた数値では、前月比+0.2%と予想通り。8月の+0.1%(-0.2%から上方修正)からも上昇し、7月の+1.1%から3カ月連続のプラス圏を維持。6カ月平均では1年ぶりにプラス圏を回復した8月の+0.17に続き+0.15%と2カ月連続のプラス圏となり、わずかながら増加傾向を維持し始めた状態、というところです。
民間の設備投資の先行指標となる、非国防資本財から航空機を除いたコア受注は前月比-1.2%。4月の-0.9%から5月の-0.6%、6月+0.5%、7月+0.8%、8月には1.2%へと4カ月連続上昇で3カ月連続のプラス圏となっていた状態からの急失速で2月の-2.1%以来7カ月ぶりの低水準へと後戻り。
6カ月平均でも2015年末から8カ月連続マイナス圏に沈んでいた状態から8月に+0.2%へとプラス圏回復、その翌月には再び0.0%へと低下、2013年以降の上値を切り下げる流れからは抜け切れない状態です。
米製造業の悪化を示すような状況ではないですが、回復基調を後押しするような力強さにも欠ける状態のようです。
なお、GDP算出に用いられるコア資本財の出荷ベースでは、7月の前月比-0.7%から8月には0.0%、9月は+0.3%と回復基調を示しています。
27日のNY金相場は0.23%の小幅反発。英7-9月期GDP速報値が前年比+2.3%と予想を上回る好結果となり、経営不安が警戒されるドイツ銀行の7-9月期も予想外の黒字決算となるなど欧州リスク後退を背景にロンドン・NY市場にかけて欧米10年債利回り上昇にドル高円安、日本株高の流れが進行するリスクオンの展開。そんな流れをよそにNY金は1260ドル台半ばから1270ドル台前半までの小幅揉み合い状態に終始。ヒンズー教のディーワーリーや婚礼シーズンを迎えたインドの金需要増を指摘する向きもあるが、意外な底堅さ。ただ、流れとしてゆるやかな反発基調はまだ続いており上値目標1280ドル台を試す可能性はまだ残される状況。ただし、リスクオンの流れが続き、1260ドルの節目を割り込むようなら短期反発トレンドも終息方向へ、下値目安は1240ドル台へ。
NYプラチナ相場は0.09%の小反発。NY市場朝に一時970ドル半ばまで上値を試した後は960ドル台での揉み合い状態が継続。
上値目安970ドル前後の水準に連日上値を押さえられ、反発基調も頭打ち。金と同様に流れはまだ上向きの状態ながら、リスクオン地合いにも上値を押さえられる状況。上向き始めた9日移動平均線の947ドル付近が目先のサポートライン候補となって保ち合い形成か。
ドル円は81銭、0.77%のドル高円安となって4日続伸。7月27日(105.39)以来、3カ月ぶりの105円台。欧州・NY時間のリスクオンの流れに乗ると、米9月の耐久財受注下振れも好調維持の新規失業保険申請件数が相殺する形で意に介さず、ドル全面高に円安・日本株高の展開。買いたい向きが待ち切れず、重要イベント前にややフライング気味の上昇となった感も。2015年最高値から2016年最安値までの23.6%戻しとなる105円20銭台に到達しており、一服感は生じやすいところ。加速のきっかけとなるのでは、と見込んでいた米GDP速報値がそれなりの好結果となった場合には短期上値目標水準106円台にも早期到達の可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/27終値とチャート
28日の国内金価格は0.94%の大幅反発で急落前の9月27日(4613)以来、1カ月ぶりの4600円台を回復。予想通りの展開でNY金の失速状態を円安がカバーする形での急騰となり、
上値目標4600円付近にしっかり到達。ただし、タイミング的には予想外の早さ、今晩の米指標結果次第ではさらに上値を試す展開もありうることにもなり、次の上値目安水準としては90日移動平均線の4650円台辺りまで。しかし、
7月から高値を切り下げる抵抗線上にも到達しており、達成感からの反落の可能性も否めないところ。サポート水準候補としては21日移動平均線をゴールデンクロスした9日移動平均線の4540円近辺。
週間ベースでは+66円(1.46%)で続伸。
プラチナ価格は1.15%高となり、4日連続の大幅続伸。10月6日(3517)以来3週間ぶりの水準を回復し、
短期上値目標3480円付近をクリア、円安加速に伴う若干の行き過ぎ状態に。売られ過ぎ状態からの急反発局面を形成し、10月24日の3352円は今年安値1月の3334円を下回らず、2番底を形成する形。大きく見ればネックライン、今年高値の4072円を目指す流れがスタートする可能性も。ただし目先は一服感からのいったん調整も。
週間ベースでは+160円(4.77%)の大幅高となり、5週間ぶりの反発。
※参考:
金プラチナ国内価格10/28とチャート
2016年10月28日(金)時点の相場
国内金:4,602 円 10/28(金)
▲43(
0.94%)
国内プラチナ:3,513 円 10/28(金)
▲40(
1.15%)
NY金:1,269.5 ドル 10/27(木)
▲2.9(
0.23%)
NYプラチナ:964.9 ドル 10/27(木)
▲0.9(
0.09%)
ドル円:105.28 円 10/27(木)
▲0.81(
0.77%)
10/27(木)のその他主要マーケット指標
米GDP速報値は2年ぶり高成長も消費低迷にクリントン・ショック 10/29(土)新築住宅販売件数は予想下振れも好調維持、でも過熱感もなし 10/27(木)強弱まだら模様の米経済指標にドル高加速せず、金は安定推移へ 10/26(水)世界的にも回復基調を示し始めた製造業PMI 10/25(火)
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