労働市場情勢指数もようやく底入れ反発?、の判断は次月へ
更新日:2016年11月08日(火)
FRBが発表した10月の労働市場情勢指数(
LMCI)は+0.7となり、3カ月ぶりのプラス圏を回復。9月の-2.2は-0.1へ、8月の-1.3も-0.3へと大幅上方修正されており、今年3月から9月までで合計4.1ポイントの大幅上方修正。
6カ月平均では4月以降7カ月連続のマイナス圏推移が続くも9月の-0.85から10月には-0.23まで上昇し、6カ月平均でのマイナス圏脱出も見えてきた状態に。
2014年半ばから明確な下落基調を形成し、2009年以来の低迷期となっていたLMCIは労働市場の情勢悪化を牽引してきました。雇用統計のNFP(3カ月平均)も+20万人台での推移が続いた状態から水準を切り下げ始め、今年5月には+11.8万人まで急低下。8月には+23.3万人まで戻したものの、10月には+17.6万人と再び20万人割れ水準へと反落。
LMCIは右肩下がりの抵抗線上まで反発し、悪化が続いた労働市場のトレンド好転への分岐点に到達した状態となり、ようやく底入れ、そして好転への可能性も示す状況となってきました。雇用統計の失速状態を下支えできるかどうか、その判断は次月、LMCIが抵抗線を突破できるかどうかが注目されます。
12月FOMC前に発表される11月労働市場情勢指数が好転していれば、来年の雇用統計をサポートする可能性も高まり、2017年の利上げ見通しにも影響を与えることになりそうです。
その前に、まずは目先の重要イベントを無難に通過することが、必須条件となります。
7日のNY金相場は前週末比-25.1ドル、1.92%の大幅反落。週明けのクリントン・メール問題不起訴、トランプリスク後退で急落した水準から若干値を下げて10月31日(1273.1)以来、1週間ぶりの水準に。メール問題再燃となった10月28日金曜日の前日、27日終値1269.5ドルから11月2日水曜の1308.2ドルまで38.7ドル急騰し、リスク後退で28.8ドルの急落となり、急騰幅の74%を戻した状態。
NYダウが全値戻し以上の急騰で10月10日(18329.0)以来1カ月ぶりの高値水準まで反発したことと比較すると、底堅さもまだ残る状態。英国の国民投票前日6月23日の水準1263ドル付近まで戻して米大統領選挙投票日を迎えることになったことも興味深い。FRBではなくFBIによって振り回されたマーケットもいったん落ち着きを取り戻し、選挙動向を見守る状態へ。1260ドルから1310ドルまでの広めのレンジから下抜けなら1240、上抜けなら1330ドル付近までが控えめに見た目先の変動目安。
NYプラチナ相場は0.31%の小幅反落。結局990ドル割れまで下げたのは日本時間朝一の急落局面のみ、ほぼ990ドル台での揉み合い状態で下げ渋る展開に。通常なら1020ドル前後までは上値を試すような展開も見込まれるが、現状では金に連れての軟調な展開が予想されやすい。990ドルをしっかり割り込めば970ドルまでは下げやすい状況だが。
ドル円は1.36%の大幅続伸となって10月31日(104.81)以来、1週間ぶりのドル高円安水準。27日の105.28円から3日の102.98円まで下げて104円40銭台まで反発、FBIショックによる行って来いでの戻しは64.3%にとどまる状況。円高方向への流れは巻き戻された状態で、あらためて仕切り直し。105円台前半の節目突破ならEU離脱決定時の高値や7月高値を超えて107円台後半へ、102円後半を下回るようだと100円近辺までの急落の可能性も。さらにはEU離脱決定日の安値も意識されるような展開もありうるか。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/7終値とチャート
8日の国内金価格は0.35%安となり、4営業日ぶりの反落。調整らしい調整としては最小レベルの調整で一服。過熱感はまだ高い状態ながら、リスク後退局面で迎える米大統領選挙も大方の予想通りの結果となれば、ゆるやかな上昇傾向が続く可能性も。4630円の節目を突破すると当面の上値目安は9月半ば水準4670円台辺りまで。ただし明朝には大勢判明前での乱高下も。
プラチナ価格は1.12%の大幅高、横ばい推移をはさんでの9営業日続伸で10月3日(3606)以来、1カ月ぶりの高値水準を回復。想定以上の底堅さを見せるNYプラチナの下げ渋りに支えられ、過熱感を振り切って次の目安3620円台(7-10月の38.2%戻し、9月後半高値)辺りまで早々に到達する可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格11/8とチャート
2016年11月08日(火)時点の相場
国内金:4,610 円 11/8(火)
▼16(
0.35%)
国内プラチナ:3,603 円 11/8(火)
▲40(
1.12%)
NY金:1,279.4 ドル 11/7(月)
▼25.1(
1.92%)
NYプラチナ:1,001.4 ドル 11/7(月)
▼3.1(
0.31%)
ドル円:104.46 円 11/7(月)
▲1.40(
1.36%)
11/7(月)のその他主要マーケット指標
求人件数も、ヒラリー・クリントン氏も伸び悩み 11/09(水)クリントン氏のメール問題訴追せずトランプリスク後退、金反落 11/07(月)米10月雇用統計、賃金上昇率は7年ぶり、U6失業率は8年ぶりの水準 11/05(土)ハード・ブレグジット懸念後退vsトランプ・リスク継続 11/04(金)
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