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★金プラチナ短期相場観★

トランプリスク+ハードBREXIT、LMCIも7カ月ぶりのマイナス圏
更新日:2017年01月10日(火)
労働市場情勢指数(LMCI)と雇用統計NFP-3カ月平均 2016年12月FRBが発表した12月の労働市場情勢指数(LMCI)は-0.3となり、5月(-3.3)以来7カ月ぶりのマイナス圏。11月は+1.5から+2.1へ、10月は+1.4から+1.7へなど2月以降では合計+1.8ポイントの上方修正。
近年のピーク2014年4月(+8.2)から、上値を切り下げる下落トレンドの抵抗線を上方ブレイクした11月からの急反落となり、2年半以上続くLMCIの下落トレンドは、転換の兆しも一時的に過ぎず、トレンド継続への可能性を示したことになります。

少なくとも、12月の賃金上昇率急騰は、このLMCIの数値を押し上げる結果にはつながっていないようです。
非農業部門雇用者数(NFP)の伸びも失速状態が続き、3カ月平均での推移は下落基調が進行し始める状況です。
完全雇用に伴い雇用者数の伸びも失速している、という状態であれば、NFP3カ月平均は前月比+10万人台のどこかで下げ止まって横ばい推移へと移行する展開も予想されます。と同時に、LMCIの推移も+-0近辺で下げ止まり、横ばい推移へと向うのかもしれません。

11日のトランプ次期米大統領の記者会見、そして政権発足後のトランプリスクへの警戒感に加え、この日はメイ英首相の「欧州の単一市場アクセスを断念することになっても、移民流入管理と立法の権限回復がEU離脱における優先事項」発言により、ハードBREXIT懸念が再燃することになり、市場にもリスク回避ムードが漂い始める状況となってきました。

トランプリスクも、ハードBREXITも、今後一定程度の現実化は避けられない状況とも予想され、その度合によっては、完全雇用の領域に達しつつある米国の雇用情勢にも影響が及ぶことも有り得そうです。
今年、NFPやLMCIの数値が下げ止まらないような事態となった場合には、ドル売り金買いの流れが一段と進行するような場面も訪れることになりそうです。

NY金・日足チャート 2016/12/7 - 1/99日のNY金相場は0.98%の大幅反発で11月29日(1187.9)以来、6週間ぶりの高値水準。ハードBREXITやトランプリスクへの警戒感などを背景にややリスク回避的なドル買いの巻き戻し、さらには米国海軍のイラン船舶への威嚇射撃など地政学的リスクも加わり、金の上値を押し上げた形。短期上昇トレンドはもう一段進行の可能性も高まり、目先1200ドルの大台前後までの上昇も見込めそうな状況に。反落の場合には1170ドルがサポート水準、割れると1150ドル前後までの調整局面も。

NYプラチナ・日足チャート 2016/12/7 - 1/9NYプラチナ相場も1.24%の大幅反発。強気相場を維持し、11月9日(1003.3)以来2カ月ぶりの高値水準となり、980ドルから1000ドルの大台まで比較的急騰・急落となりやすい真空地帯へ。但し、今朝の時間外では980ドル割れへと調整の動きも見られ、下方向への節目となる970ドルも割り込んだ場合には940ドル台までの大幅調整もあり得る状況に。再度980ドル台へとしっかり持ち直す展開となれば、1000ドルの大台トライへ。

ドル円・日足チャート 2016/12/8 - 1/9ドル円は0.86%の大幅ドル安円高となり、週末の雇用統計以降の上昇分全てを帳消し。ハードBREXIT懸念に伴うポンド急落の影響で円高が進行し、トランプリスクへの警戒感とともにドル高再燃の動きをいったん封じ込められた形。調整局面進行への動きが優勢となり、目先は上限を117円に切り下げ、直近安値圏115円前半を下抜けると114円前後までのドル安円高も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/9終値とチャート

3連休明け、10日の国内金価格は3営業日ぶりの反発で0.53%高、9月8日(4718)以来4カ月ぶりの高値水準に到達。水準的には昨年7月高値から10月安値の61.8%戻し(4710)をほぼ達成し、いったんは落ち着きどころ。しかし、11月以降の保ち合い上方ブレイクに伴う上値トライの勢いからは、4720円の上値目標水準まで若干の上値余地も残す状態。過去2年間、4700円ラインは重要な節目となってきた水準で、この水準以上を維持できれば当面の下値サポートライン候補となり、今年の主要レンジを大きく引き上げることになる可能性も。

プラチナ価格は0.68%高となって4営業日続伸、8月16日(3876)以来、ほぼ5カ月ぶりの高値水準に到達。10月末からスタートした上昇トレンドのチャネル上限付近からの反落も予想されていた状態から、さらに上値を切り上げてチャネル上限を突破するオーバーペース。しかし年末にしっかりとした調整局面をはさんでいたこともあり、金価格よりも過熱感はない状態。過去1年半の主要レンジ上限3900円トライでいったんは失速も。
※参考:金プラチナ国内価格1/10とチャート

2017年01月10日(火)時点の相場
国内金:4,709 円 1/10(火) ▲25(0.53%)
国内プラチナ:3,876 円 1/10(火) ▲27(0.70%)
NY金:1,184.9 ドル 1/9(月) ▲11.5(0.98%)
NYプラチナ:982.6 ドル 1/9(月) ▲12.0(1.24%)
ドル円:116.01 円 1/9(月) ▼1.00(0.86%)
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→トランプラリーから、トランプリスクへ? 01/06(金)
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