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米インフレ期待は3月に急失速、低金利支持のトランプの思惑通り?
更新日:2017年04月13日(木)
NY連銀・インフレ期待指数 2017年3月NY連銀が今週発表した3月消費者アンケート調査によると、1年先インフレ期待値の中央値は2.74%となり、2月の2.96%から大幅低下。2015年6月(3.0%)以来1年7カ月ぶりの高水準となった1月の2.98%から2カ月連続の低下で4カ月ぶりの低水準に。3年先インフレ期待中央値も2.71%となり、2015年6月(3.0%)以来、1年8カ月ぶり高水準となった2月の2.98%から急反落で4カ月ぶりの低水準。
2016年末からスタートしたかに見えた上昇基調は、3月にいきなり急失速してしまった形です。

この傾向はミシガン大の1年期待インフレでも同様で、12月には6年ぶり低水準となる2.2%まで低下し、2月には8カ月ぶりの水準となる2.7%まで反発していましたが、3月は2.5%へと失速していました。

なお、NY連銀の指標では地域別の数値も発表されており、この数値も概ね似たような推移にはなっているものの、3月の1年期待インフレは南部と中西部が2月の3%前後から3月には2.6%台へと急落しており、北東部は2.74%で横ばい、西部は2.92%に小幅上昇しています。
3月には原油価格が急落していたことが大きく影響したものと推測できます。月間平均では3月の49.67ドルから、4月は12日時点で51.99ドルまで急反発しており、原油価格にこのまま波乱がなければ、4月のインフレ期待値もそれなりの反発が見込めそうです。
早速、本日速報値が発表されるミシガン大のインフレ期待値で確認することになります。

もし反発傾向が見られないようなら、インフレ期待の低下傾向が底をつけて反発基調がスタートし始めた流れにも疑問符が付き、インフレ上昇余地を残すと見るFRBの利上げ見通しにも影響を及ぼすことにもなりそうです。
と同時に、「金利が引き続き低水準にあることを望む」トランプ大統領の思惑どおりの展開となってしまいます。

そもそも、低金利を支持するトランプ大統領発言が、インフレ期待の低下要因の一つとなっているか、もしくは今後の低回要因となる可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2017/3/9 - 4/1212日のNY金相場は0.31%の小幅続伸となり、11月7日(1279.4)米大統領選前日以来の高値水準。北朝鮮当局の「大規模かつ重要なイベント」をチラつかせる発言などもあり、15日の故金日成主席の生誕記念日等に核実験敢行などへの警戒感もくすぶり続け、前日来1270ドル台半ばの高値水準を維持して揉み合いの展開。引け後にはトランプ米大統領の「ドルは強すぎる」発言を受けたドル売りの流れを受けて1290ドル手前まで水準を切り上げ。200日移動平均線と1260ドルの抵抗水準突破に伴う上値トライの流れは続き、次のちょっとした出来事、発言などをきっかけに目標水準1300ドル到達も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/3/9 - 4/12NYプラチナ相場は0.17%の小反落。前日の大幅上昇からの一服となったものの、引け後の金一段高に連れて970ドル台を回復。金に牽引される形での上値トライへの動きも90日移動平均線(966.8)との揉み合い状態から抜け切れず、スロースタートを余儀なくされる状態。目標水準1010ドル到達に向けては金が目標水準を突き抜ける必要も。なお、ズマ南ア大統領の「要求があれば辞任も」発言を受けて南アランドが買い戻されていることは今後のサポート要因に。

ドル円・日足チャート 2017/3/9 - 4/12ドル円は0.56%のドル安円高となって3日続落。11月14日(108.42)以来、5カ月ぶりの円高水準。朝鮮半島関連を中心とする地政学リスクは高まりこそしなかったものの緩和もせず、依然警戒感は続き、日本株安とともに円高地合い。NY市場終盤にはトランプ発言を受けての金利低下とドル売りが加速し、一時109円割れ。日々の推移からは短期下値目安109円近辺に到達しており、いったん下げ止まってもおかしくはないところ。しかし、朝鮮半島を巡る米朝動向などのリスク要因とともに下値警戒感も燻る状況。目先は108円62銭まで上昇してきた200日移動平均線がサポート水準となるかどうか。割れると昨年11月9日米大統領選開票の日以来となり、次の目安はトランプラリーの61.8%戻し107円80銭台も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/12終値とチャート

13日の国内金価格は0.15%の小幅続伸。地政学リスクへの警戒感継続で緩やかな上昇トレンド継続。トランプ大統領のドル高牽制発言による円高に足を引っ張られ、目標4880円近辺へと向う足取りは相変わらずのスローペース。ただ、価格ラインから9-200日移動平均線まで上から昇順に並ぶパーフェクトオーダーを形成し、かつ全て上昇基調という強気相場の状態。

プラチナ価格はわずかに1円の反落。前日の大幅反発からの一服状態も、基本的には底値反発の流れがスタートした可能性は高いと見られる状態。目先、3688円で下げ止まってきた21日移動平均線が上方向への節目水準、超えると3740円台辺りまでが次の上値目安水準に。
※参考:金プラチナ国内価格4/13とチャート

2017年04月13日(木)時点の相場
国内金:4,822 円 4/13(木) ▲7(0.15%)
国内プラチナ:3,662 円 4/13(木) ▼1(0.03%)
NY金:1,278.1 ドル 4/12(水) ▲3.9(0.31%)
NYプラチナ:967.9 ドル 4/12(水) ▼1.6(0.17%)
ドル円:109.00 円 4/12(水) ▼0.61(0.56%)
→4/12(水)のその他主要マーケット指標

←米4月ミシガン大消費者信頼感指数は2001年以降のピーク水準 04/14(金)
→米10年債利回り2.3%、NY金1260ドル突破で警戒されるレッドライン 04/12(水)
→米3月労働市場情勢指数は0.4と低調、後退局面入りへの警戒感も 04/11(火)
→国内プラチナ価格は年初来安値、金価格は今年高値トライへ 04/10(月)

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