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米12月コアCPI前年比+1.8%上振れにドル買い金売り、も続かず
更新日:2018年01月13日(土)
米・消費者物価指数(CPI) 2017年12月米労働省が発表した12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.1%で市場予想どおり。11月の+2.2%からはやや減速し、9月以降は2.0%から2.2%のレンジで揉み合い状態となっています。食品とエネルギーを除いたコアCPIは前年比+1.8%となり、市場予想の+1.7%を上回りました。10月と同水準となり、5月以降続く+1.7%での横ばい推移の状態から上昇の兆し、というところ。
コアCPIの前月比では+0.3%となり、11カ月ぶりの大幅な伸びを示し、今後の加速基調への期待感を高める結果となったようです。

ガソリン価格が11月の前年比+16.5%から12月には前年比+10.7%へと減速したことがCPIの減速につながったものと思われます。
携帯電話サービスは-10.2%で横ばい、航空運賃は-2.5%から-4.0%へと低下したのに対し、中古車価格は-2.1%から-1.0%へと上昇。
これ以外では賃貸住宅が+3.7%、自動車保険の+7.9%などがコアCPIの押し上げ要因となった可能性もありそうです。

2018年に向けてインフレ加速の可能性を示す結果となったことで、ドル買い金売りの反応となりましたが、年末から続くドル売り金買いの流れを反転させるまでには至らず、逆にドル安基調はもう一段進行しそうな状況にもなってきました。

ただし、ドル安がもう少し進行することになれば、携帯電話サービス価格の値下げの影響が剥落する2018年春頃には、輸入物価上昇も加わって実際にインフレ加速となる可能性もあります。

NY金・日足チャート 2017/12/7 - 1/1212日のNY金相場は0.94%高となって3日続伸。9月11日(1335.7)以来4カ月ぶりの高値水準となり、NY引け後の時間外には一時1340ドルまで上昇、小幅保ち合い上抜けに伴う上値目標1340ドル前後に到達。
欧州時間にはメルケル独首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)が大連立協議に暫定合意したことを受けて前日からのユーロ買いの勢いが加速し、ドル安基調に伴う金買いで節目の1325ドルを突破。1330ドル台に水準を切り上げたNY市場では米12月コアCPIの上振れと小売売上高の好結果に1320ドル台前半へと急反落。しかし、ここまでの流れが反転するまでには至らず、徐々にドル安ユーロ高の流れへと巻き戻されると金も切り返しての一段高へ。
ユーロは対ドルで一時3年ぶりのユーロ高水準となる1.22ドル台まで上昇し、ドルインデックスも3年ぶり安値となる90.60ポイント台まで下落して重要なサポート水準を割り込みつつあり、ドル安の流れはそう簡単には収束しない可能性も。目標水準到達のNY金は短期的にはいったん落ち着きそうな状況も、ドル安基調がさらに続けば昨年高値1360ドル台が次の目標水準となり、やや下げ渋るドル円でもドル安円高が一段と進行するようなら一方的な流れが再開する可能性もあり、1400ドル手前辺りまでの一段高という展開にも。
週間ベースでは+12.6ドル(0.95%)となり、2016年7月以来1年半ぶりとなる5週続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2017/12/7 - 1/12NYプラチナ相場も0.55%高で3日続伸。9月11日(998.8)以来4カ月ぶりの高値水準に達し、NY市場では1000ドルの大台ラインをはさんでの揉み合いとなり一時1004ドルまで上昇。調整不足のまま大台回復したものの、大台ラインがいったん抵抗水準となれば調整目安としては970ドル台辺りまでも予想される状況。しかし、コモディティ高の流れは続き、特に1110ドル台まで水準を切り上げたパラジウムの高値更新が続く限りはこれに追随する展開も。買われ過ぎの展開が続けば次の目標水準は9月高値の1020ドル台、さらに昨年最高値1040ドル台も意識される可能性も。
週間ベースでは+21.0ドル(2.15%)となって2016年5月以来、1年8カ月ぶりの5週続伸。

ドル円・日足チャート 2017/12/8 - 1/12ドル円は0.17%のドル安円高となって4日続落、9月15日(110.85)以来4カ月ぶりのドル安円高水準に。欧州時間でのユーロ高に押されてのドル安基調で111円割れを何度か試しながらも耐える展開、米12月コアCPIが予想を上回ったことを受けて米10年債利回りも2.55%付近から2.60%手前まで急騰、ドル円も111円10銭近辺から111円60銭台までの急騰で反応。この結果を受けてCMEフェドウォッチの3月利上げ織り込みも前日の68%から73.7%へと急上昇。しかし、この流れも長続きせず、200日移動平均線(111.70)にも上値を押さえられた形となって徐々に巻き戻しの展開に。ユーロ高要因に加えてこの日は日銀の経済成長率見通しを引き上げ観測も伝えられており、円高要因も重なってのドル全面安状態。
ドル安の勢いは強いものの111円割れでの買い支え圧力も強く、11月安値からの2番底をつけた形で踏みとどまっており、111円80銭台を割り込まない限りは反発への可能性も。割り込んだ場合には下値目標109円台へ。
週間ベースでは-2.03円(1.8%)で反落。下落基調にある52週移動平均線(111.93)も下抜け。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/12終値とチャート

2018年01月13日(土)時点の相場
国内金:5,065 円 1/12(金) ▲8(0.16%)
国内プラチナ:3,752 円 1/12(金) ▲38(1.02%)
NY金:1,334.9 ドル 1/12(金) ▲12.4(0.94%)
NYプラチナ:996.2 ドル 1/12(金) ▲5.4(0.55%)
ドル円:111.04 円 1/12(金) ▼0.19(0.17%)
→1/12(金)のその他主要マーケット指標

←円高圧力が強まるなかでも国内金価格は強気相場継続へ 01/15(月)
→1年4カ月ぶりの前月比マイナス、米PPI下振れでドル安基調継続 01/12(金)
→日銀テーパリング警戒の円高に中国の米債購入減額懸念にドル安 01/11(木)
→期待インフレ率上昇で実質金利低下、NY金の調整は1290ドルも 01/10(水)

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