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米6月生産者物価指数は6年半で最高、関税インフレにも警戒感
更新日:2018年07月12日(木)
生産者物価指数(PPI)2018年6月米労働省が発表した6月生産者物価指数(PPI)は前年比+3.4%。市場予想の+3.1%を大幅に上回り、5月の+3.1%からも急上昇し、2011年11月以来、6年7カ月ぶりの高水準。
食品とエネルギーを除いたコアPPIも前年比+2.8%となり、市場予想の+2.6%を上回って5月の+2.4%からも急加速。食品とエネルギーと貿易サービスも除いたコアPPI2は+2.7%となり、2カ月連続上昇で2014年以降のデータでは最高となった3月の+2.9%に次ぐ高水準。

この春にトランプ政権が導入した鉄鋼・アルミ関税による影響もあり、PPIとコアPPIはいずれも過去6年半では最高水準に達しています。
労働市場が最大雇用に達している可能性もある現状と、今月6日に発動した対中国製品への340億ドルの追加関税の影響を考慮すると、インフレ基調は今後もさらに加速する可能性もありそうです。

本日発表されるCPIも5月時点では前年比+2.8%、コアCPIは+2.2%。6月にはさらに0.1%程度づつの上昇も見込まれています。
月末に発表されるPCEも5月時点では前年比+2.3%、コアPCEは+2.0%。PPIの加速に連れて6月CPIも上振れるとPCEのさらなる上昇も見込まれることになります。

トランプ政権が昨日発表した中国からの輸入品2000億ドル相当の新たな関税対象リスト分については、衣料品、テレビ部品、冷蔵庫、その他ハイテク製品などが対象品目とされ、より消費者に近いレベルでの関税適用となり、8月30日以降にも発効される可能性とされています。

今後、秋にかけても関税インフレが警戒されることにもなりそうです。

NY金・日足チャート 2018/6/6 - 7/1111日のNY金相場は-11.0ドル、0.88%の続落。2000億ドルの対中追加関税リスト公表に対して、中国の報復声明により米中貿易戦争激化懸念も高まり、株安とドル全面高の流れ。「一部のECBメンバーは2019年7月の利上げを主張」報道で一時的にユーロ買いドル売りが進行したNY朝までは1250ドル台で下げ渋っていたNY金も、ドル高加速とともに1240ドル付近まで軟調に推移。月初の安値から二番底をつける形となり、反発基調となりつつあった流れは巻き戻され、1240ドルから1260ドルまでの保ち合い形成から下限割れを警戒する局面にも。米6月CPIの予想以上の上振れなどがきっかけとなって1240ドルを割り込めば1220ドル付近までを目安に一段安の展開へ。1260ドル超へと反発の場合には1280ドル台までが戻りの目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2018/6/6 - 7/11NYプラチナ相場は-11.2ドル、1.32%の大幅続落。貿易戦争懸念を背景に売り圧力が強まると時間外に一度830ドル台前半を試し、840ドル台半ばへと反発後もNY市場での金の下落に連れて再反落。840ドルから850ドル台までの小幅レンジでの保ち合いも長続きせず、早々の下方ブレイクとなって今朝の時間外には830ドル割れを試す場面も。二番底をつけに行く可能性は高まり、目先の目標水準は810ドル。下値トライ一服で850ドル台超へと反発の場合には一段高へと流れが変わることになり、その後の目標水準は6月半ば以降の下落局面前の水準、890ドル付近へ。

ドル円・日足チャート 2018/6/7 - 7/11ドル円はほぼ1円の大幅ドル高円安となって3日続伸。ドル全面高の勢いが強まったNY市場では1月10日以来、半年ぶりとなる112円台まで上昇し、NY終盤にはやや失速。111円超えに伴う上値目安111円台後半をクリアしたこと、週足や月足では上値を押さえられやすい水準に到達したことなどもあり、目先は上昇一服ともなりやすいところ。ただし、米6月PPIが予想を上回っており、本日のCPIでも予想以上にインフレ加速が意識されるようなら、もう一段のドル高進行の可能性も。昨年11月高値から今年3月安値の76.4%戻しとなる112円30銭台を超えるようだと、次なる上値目安は今年高値113円前半まで。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/11終値とチャート

12日の国内金価格は+4円、0.08%の小反発。NY金の下落分を円安がカバーする形で下値トライ再開を回避。21日移動平均線(4812)が直近戻り高値となった10日の4812円まできり下がって抵抗線となりつつあり、下値はゆるやかな上昇基調を維持する9日移動平均線(4786)にサポートされるかどうか。4800円の大台ラインをはさんだこの水準には4月高値から6月安値までの23.6%戻し(4806)も重なる居心地の良い水準。目先は9日線割れでも今年安値圏4750円付近がサポートに、20線超えなら反発基調再開で38.2%戻し(4841)から5月安値(4864)辺りまで、485円台近辺が当面の上値目標に。

プラチナ価格は-20円、0.62%安で続落。下値トライ再開への動きは円安サポートを受けてやや緩和。しかし、9日移動平均線(3210)を再びデッドクロスして3200円の大台ラインも下抜け、大底となった(可能性を残す)3日の3117円に次ぐ安値水準に。循環的には反発基調に転じているにもかかわらず上値の重い展開が続く状況に。3260円が当面の抵抗水準となり、3117円から3256円までの61.8%戻しとなる3170円辺りまででサポートされるかどうか。
※参考:金プラチナ国内価格7/12とチャート

2018年07月12日(木)時点の相場
国内金:4,796 円 7/12(木) ▲4(0.08%)
国内プラチナ:3,195 円 7/12(木) ▼20(0.62%)
NY金:1,244.4 ドル 7/11(水) ▼11.0(0.88%)
NYプラチナ:835.0 ドル 7/11(水) ▼11.2(1.32%)
ドル円:111.95 円 7/11(水) ▲0.99(0.89%)
→7/11(水)のその他主要マーケット指標

←賃金上昇率<CPI=実質賃金減少、2カ月連続は5年8カ月ぶり 07/13(金)
→ドイツZEW景況感指数は6カ月続落で第3四半期も下落スタート 07/11(水)
→米失業率は1970年以降の最低水準からの反発でリセッション待ちへ 07/10(火)
→プラチナ価格の76.4%戻し 07/09(月)

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