住宅価格も頭打ち、米住宅市場は減速基調も
更新日:2019年02月27日(水)
米国連邦住宅金融庁(FHFA:Federal Housing Finance Agency)が発表した12月の住宅価格指数は270.24となり、前月比+0.38%。11月の前月比+0.44%からは減速し、9カ月ぶりの低水準となっています。前年比では+5.61%となって6カ月連続の低下、2016年2月(+5.46%)以来、2年10カ月ぶりの低水準。
前年比伸び率では、2013年7月と2018年2月に7.7%台で金融危機後のピークをつけて頭打ち。2014年9月につけたネックライン、4.18%に向けて減速傾向が続きます。
FHFA住宅価格指数は過去最高を更新し続けてはいますが、その勢いは着実に減速基調となっています。
S&Pが発表した
ケース・シラー住宅価格指数では、9月まで過去最高を更新し続け、10月から12月までは3カ月連続で低下しており、価格指数自体のピークアウトの可能性も示唆しています。前年同月比の伸び率では9カ月連続の低下で12月は+4.18%。6年3カ月ぶりの低水準となりました。
政府機関閉鎖の影響で延期されていた住宅着工件数もこの日発表され、12月は107.8万件。11月の121.4万件から大幅に落ち込み、2016年9月(106.4)以来2年3カ月ぶりの低水準となっています。ただし、建設許可件数は132.6万件となり、8カ月ぶりの高水準。
先週末に発表された中古住宅販売件数も1月には494万件となり、3年2カ月ぶりの低水準へと落ち込んでいました。
米住宅市場は年末年始に減速基調の兆しが強まる状況となっています。
ただし、住宅ローン金利の低下により住宅価格の値上がりペースが鈍化している一方で、賃金上昇率は加速基調にあることから、今後は住宅市場が持ち直す可能性も否定はできません。
この日、コンファレンスボードが発表した消費者信頼感指数では、1年半ぶり低水準となった1月の120.2から、2月は131.4へと急上昇し、リッチモンド連銀の製造業指数も12月の-8.0、1月の-2.0から2月は16.0へと5カ月ぶりの高水準へと急回復しています。ダラス連銀でも1月の1.0から2月は13.1へと急上昇。
年末年始のハードデータの低調は目立ちますが、2月のソフトデータの好調ぶりも続きます。
ハト派転換したパウエルFRB議長は議会証言で、判断を急がず、引き続き「忍耐強く」政策運営に当たることを強調しましたが、年後半に向けてはタカ派へと再転換するリスクもありそうです。
26日のNY金相場は-1ドル、0.08%の小幅続落。調整局面入りに伴い、ドル安と米10年債利回り低下にも上値は重く、時間外には1330ドルから1320ドル台半ばまでの小幅レンジで保ち合い推移。メイ英首相がEU離脱期限延期の可能性について言及したことが好感されてポンドが急速に買われるとユーロの連れ高も伴ってドル安、金もNY引け後にかけて1330ドルを回復。ただし、この日の値幅は7ドルを下回り、今年3番目の小動き。小動きで下げ渋りながらの調整局面を形成し、20日移動平均線(1322.0)付近で反発へ、というこれまでと同様のパターンの様相にも。しかし、20日線を下回れば1300ドル付近まで一段安となる可能性も。
NYプラチナ相場は+6.8ドル、0.8%高で3日続伸。昨年11月8日(870.3)以来、3カ月半ぶりの高値水準に。南ア・プラチナ鉱山のストライキの影響で供給不足懸念によるパラジウムの過去最高値更新も続き1520ドル台へ、プラチナも追随する形で上値トライへの勢いが止まらず。いずれ収束方向へと向かえば急反落の展開が確実視されるものの、オーバーラン継続で11月高値880ドルも視野に。
ドル円は50銭ほどのドル安円高となって110円台半ばへと反落。東京朝に111円台を割れるとそのまま失速。インドがパキスタンのテロリスト拠点を空爆との報道を受けての地政学リスクを警戒する向きもあり、株安・円高優勢の流れで110円70銭台まで水準を切り下げ、欧州・NY時間には英国のEU離脱を巡ってポンドが急騰してドル安へ。EU離脱期限延期や国民投票再実施への思惑、さらにはカーニーBOE総裁のインフレ加速懸念とそれに伴う利上げ示唆発言なども影響。ドル円は一時110円40銭台まで下落し、110円半ばに収束。上値トライへの可能性もあった流れは巻き戻され、再び110円台後半での保ち合い推移の展開で今度は下値警戒感も漂い始める状況にも。110円台半ばを維持できなくなれば109円台前半までを下値目安に円高ドル安の展開にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/26終値とチャート
27日の国内金価格は-15円、0.3%安となって3日ぶりの反落。NY金の調整局面入りに連れて短期急騰局面はほぼ末期の様相にも。ただし、NY金の下げ渋りによって調整幅もそこそこに高止まり状態を維持する可能性も。目先、9日移動平均線(5042)に今回もサポートされるようなら堅調維持で上値トライ再開の可能性も多少残され、5060円台の節目を突破できれば高値更新で一段高、昨年高値更新トライで5130円台までが次の上値目標にも。下方向には5030円のサポートを割れると5000円の大台割れの可能性は高まり、4970円近辺までが下値目安に。
プラチナ価格は+12円、0.37%高で3日続伸。昨年11月28日(3272)以来、3カ月ぶり高値水準での堅調推移が継続。
11月後半の保ち合いレンジ3270円から3300円までの水準にほぼ到達したことで、通常なら上昇一服も。ただし、南ア鉱山ストの動向を睨みながら買われ過ぎ状態へとさらに上値を切り上げる可能性もあり、11月上旬高値圏3350円台を目指す流れとなれば、急反落局面では現状水準がサポートとなる可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格2/27とチャート
2019年02月27日(水)時点の相場
国内金:5,046 円 2/27(水)
▼15(
0.30%)
国内プラチナ:3,270 円 2/27(水)
▲12(
0.37%)
NY金:1,328.5 ドル 2/26(火)
▼1.0(
0.08%)
NYプラチナ:860.4 ドル 2/26(火)
▲6.8(
0.80%)
ドル円:110.54 円 2/26(火)
▼0.49(
0.44%)
2/26(火)のその他主要マーケット指標
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