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「適切に行動」パウエル議長発言に安心感、株高に金も高止まり
更新日:2019年06月05日(水)
CMEフェドウォッチ2019年末予想と米10年債利回り 2019年6月4日パウエルFRB議長が「貿易動向の影響を注視」し、リスクに対しては「適切に行動」すると発言したことを受けて、市場は「利下げの可能性」を排除しない姿勢を示した、と解釈し、これを好感。
既に反発していた株高の流れは一段と加速、米株はダウもナスダックも2%超の大幅高となり、いずれも1月4日以来、5カ月ぶりの上げ幅に。
リスクオフの円高や米10年債利回り低下の流れも巻き戻される形にもなったものの、利下げの可能性を好感する金も高止まり。

CMEフェドウォッチが示す年内利下げ予想は4日時点で97.7%。米10年債利回りが1週間前の2.3%台から3日には2.1%割れへと急落した流れに連動し、12月FOMCまでに1回以上の利下げを見込む確率も70%台から98.1%まで急上昇しました。
催促相場に応えたパウエルFRB議長発言に安心感、という状態となって4日には米10年債利回りも下げ止まり、1回以上の利上げ確率も小反落。

それでも年内据え置き予想はわずか2.2%。1週間前の20%台から急低下した水準を維持し、ほぼ「想定外」の状態となってきました。
0.25%1回の利下げ予想も40%台から14.2%まで低下しており、2回分の利下げ予想が20%台から32.2%へと上昇。3回の利下げも1桁台から33.3%まで急騰しています。

9月FOMC時点のFF金利予想でも、据え置き9.2%に対して1回の利下げが39.3%、2回の利下げが41.1%、3回の利下げも10.1%まで上昇、合計90.5%の利下げ予想となっています。

FRBの思惑とはまだかけ離れていることも予想されますが、今後の雇用統計やインフレ指標の動向次第では、9月に1回、12月に2回めと年内合計2回の利下げを落とし所に、徐々に歩み寄りが見られる可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2019/4/30 - 6/44日のNY金相場は+0.8ドル、0.06%の小幅高で5日続伸。2月25日(1329.5)以来、3カ月ぶりの高値水準。短期上値目標1330ドル台到達に伴う一服状態となり、1330ドルをはさんでの揉み合い状態に終始。パウエル議長発言を受けての株高や米長期金利急低下からの巻き戻し、ドル安からの反発にも、1320ドル半ばから1330ドル台半ばまで上下10ドル弱のレンジ内推移。目先は雇用統計の結果に左右され、サポート候補は1310ドル付近。なお、5日続伸となるのは1月25日から31日まで以来、4カ月ぶりで今年2度め。前回の5日続伸でも1270ドル台から1320ドル台まで上昇しており、今回と同水準。前回の5日続伸後は米雇用統計の好結果を受けての調整をはさみ、20日後に今年高値を更新。

NYプラチナ・日足チャート 2019/4/30 - 6/4NYプラチナは-1.8ドル、0.22%安で4日ぶりの小反落。今年安値圏で鍋底を形成しての急反発で当面の底入れの様相も、4月高値から5月末安値までの23.6%戻し(820.5)を達成して一服。上値は20日移動平均線(826.2)にも押さえられ、820ドルをはさんで上下10ドル弱の小幅レンジ内推移に終始。20日線を超えることができれば38.2%戻し(839.6)付近までが次の上値として意識され、下値サポート候補は3月上旬の安値圏810ドル付近。

ドル円・日足チャート 2019/5/1 - 6/4ドル円は15銭程のドル高円安となって3日ぶりの反発。東京時間には前日安値をわずかに下回り、1月10日(107.78)以来5カ月ぶりの安値も107円80銭台を維持。下値目安108円割れの水準到達に伴う達成感もあり、この水準では底堅さも。中国商務省の「米国との貿易摩擦は対話および交渉を通じて解決されるべき」との声明発表が貿易摩擦への警戒感緩和にもつながり、株高と円安、米10年債利回り反発をサポート。NY時間には108円30銭台まで反発したものの、パウエル議長発言がドルの重石となってドル円も伸び悩み。今朝の東京市場では日経平均の大幅反発とともに108円から108円20銭台まで上昇も、トランプ大統領の「メキシコへの関税は脅しではない」発言が重石に。目先、雇用統計などが好結果となれば円高一服となる可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/4終値とチャート

5日の国内金価格は+11円、0.22%高となって5日続伸。5日続伸は2カ月ぶりで今年4回目。4月16日(4965)以来、1カ月半ぶりの水準での一段高となり、上値目標4950円付近にもほぼ到達。ゆるやかに上昇を続ける90日移動平均線(4939)を1カ月ぶりに上抜け、これを維持できれば中期的にも強気地合いへ。ただし、短期的には一服感も。

プラチナ価格は-9円、0.29%の反落。前日の大幅高からの反動安も限定的、流れは好転しつつあり、昨年安値からの二番底をつけての反発局面が進行しやすい状況にも。目先は3090円の節目を突破できるかどうかがポイントに。上抜けなら3150円近辺までが次の上値目標に、上値を押さえられるようだと最近の底値保ち合い圏3000円から3100円までのレンジ内推移がもうしばらく継続することにも。
※参考:金プラチナ国内価格6/5とチャート

2019年06月05日(水)時点の相場
国内金:4,945 円 6/5(水) ▲11(0.22%)
国内プラチナ:3,068 円 6/5(水) ▼9(0.29%)
NY金:1,328.7 ドル 6/4(火) ▲0.8(0.06%)
NYプラチナ:819.1 ドル 6/4(火) ▼1.8(0.22%)
ドル円:108.19 円 6/4(火) ▲0.15(0.14%)
→6/4(火)のその他主要マーケット指標

←ADP大幅下振れもISM上振れで金は高値更新トライに失敗 06/06(木)
→ユーロ圏製造業PMI、ドイツは3カ月連続で圧倒的、最下位 06/04(火)
→月間上昇確率最低、金・プラチナともに試練の6月相場 06/03(月)
→コアPCEは4月も1.6%、一時的低インフレ継続 06/01(土)

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