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ADP大幅下振れもISM上振れで金は高値更新トライに失敗
更新日:2019年06月06日(木)
ISM雇用指数とADP、NFPの3カ月平均 2019年5月ADP社発表の5月雇用リポートがネガティブ・サプライズとなって株価急落、金利急低下、ドル安急進、安全資産の円と金が買われるリスクオフの流れとなりました。
前月比+2.7万人という数値は、リセッションの時期に前月比マイナス圏に落ち込んだ2008年2月から2010年3月までの2年余りの期間の最後の月、2010年3月の-11.3万人以来で9年2カ月ぶりの低水準。建設業が大幅に落ち込み、製造業や鉱業などでも減少、サービス業での増加も低調となり、規模別では小規模企業が大幅マイナスとなったようです。
この結果、ADP雇用者数の3カ月平均は、4月の+21.6万人から5月は+15.2万人へと急減、半年ぶりに+20万人を割り込み、1年7カ月ぶりの低水準となっています。

しかし、1時間45分後に発表された5月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回る56.9となり、3カ月ぶりの高水準。製造業の景況指数が2年7カ月ぶり低水準となる52.1となっていたこともあり、非製造業への警戒感もあっただけに、直前のADP雇用の低調ぶりと合わせてちょっとしたポジティブ・サプライズにもなりました。

これで株価急落と金利低下、ドル安の流れも急速に巻き戻され、安全資産の円と金も売り転換。
NY金は今年最高値となった2月20日の1349.8ドルに迫る1348.9ドルまで上昇していたところからの急反落となり、今年高値更新トライに失敗した形となりました。

なお、ADP雇用の下振れから、雇用統計での非農業部門雇用者数(NFP)の伸びも低調となる可能性も警戒されることにもなりそうですが、ISMの指標からはそれほど悲観的な結果は予想し難い状況でもあります。

ISM非製造業の雇用指数は5月に58.1となり、昨年9月の62.4から続いていた低下基調から急反発し、その9月以来8カ月ぶりの高水準となっています。
ISM製造業の雇用指数も4月の52.4から5月は53.7へと反発。およそ2年ぶり低水準となった2月の52.3付近で下げ渋り、回復方向への動きにもなっています。

ただし、雇用統計のNFPも3カ月平均では4月の+16.93まで3カ月連続+20を下回り、3カ月連続の低下で1年5カ月ぶり低水準となっており、短期的な方向性はADPのそれと一致しているようにも見えます。

NY金・日足チャート 2019/5/1 - 6/55日のNY金相場は+4.9ドル、0.37%上昇し6日続伸。6日続伸は2017年末から年明けにかけての11日続伸以来、1年5カ月ぶり。水準としては今年高値となった2月20日(1347.9)以来、3カ月半ぶりの高値水準。欧州時間から米長期金利低下とドル安の流れにもサポートされて1330ドル台から1340ドル台へと堅調推移、ADP雇用発表直後には1350ドル手前まで小幅に急騰も、今年最高値1349.8ドルにはわずかに届かず。すると、その後発表されたISM非製造業景況指数が予想を上回る好結果となったことで1340ドル割れへと急反落。結果的に上方向への行って来いとなって短期上値目標水準1330ドル台で一服状態に。週末の雇用統計が予想外に好結果となった場合にはダブルトップの可能性を残して調整局面入りとなることも想定され、ネックラインとなる1270ドル割れの水準が中期的な重要サポート水準にも。ネガティブな結果となれば今年高値更新再トライも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/5/1 - 6/5NYプラチナは-16.3ドル、1.99%の大幅続落。820ドル台を維持しての小幅揉み合い状態から、NY朝のADP発表直後には金に追随する形で830ドル台へと急騰。しかしISM後の急反落では戻り売り圧力の強さを感じさせるプラチナ特有の展開、元の水準を突き抜けて800ドル前半まで、30ドルもの大幅下落。800ドルの大台ライン付近では下げ渋る動きにもなり、20日移動平均線(822.7)に上値を押さえられる形で安値圏での保ち合い形成の様相にも。20日線を上抜けできれば850ドル付近までが次の上値目標にも。
金との価格差は2月11日の525.3ドルを上回る530.8ドルとなり、過去最大を更新。

ドル円・日足チャート 2019/5/2 - 6/5ドル円は10銭弱のドル高円安となって小幅に続伸。トランプ大統領の「メキシコへの関税は脅しではない」発言が重石となった東京時間には一時108円割れも、その後は底堅く推移して前日高値圏108円30銭台まで値を戻す展開に。しかし、ADP下振れには急落の反応で再び108円割れ、前日安値をわずかに下回るも107円80銭台を維持して下げ渋るとISMの好結果をきっかけに反発基調再開、一時108円40銭台まで上昇。10日発動予定のメキシコ関税については両国の協議が続き、楽観見通しや悲観的な見方などが交錯し、警戒感からドル円は今朝の東京市場でも108円10銭台から40銭台までのレンジで上下に振られる展開。3日連続下ヒゲで107円80銭台をつけ、終値では108円台を維持する形となり、短期的な流れは下値目安到達後の下げ渋りで鍋底形成から反発へと向かう可能性も徐々に高まりつつあるようにも見えるものの、目先は雇用統計と米メキシコ貿易協議の行方次第の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/5終値とチャート

6日の国内金価格は+19円、0.38%高となって6日続伸。6日続伸以上は2月(8日続伸)以来で今年3回目。4月16日(4965)以来、1カ月半ぶり高値圏での堅調推移となり、上値目標4950円付近を若干オーバーラン。2月の今年高値から5月末安値までの半値戻し(4956)も達成し、落ち着き安いところ。ただし、市場のボラティリティも高まりつつあり、雇用統計が予想に解離した結果となった場合には上下に大きく振られる展開にも。上方向には61.8%戻し(4988)から5000円の大台までが意識され、下方向には38.2%戻し(4924)から4900円ラインがサポートとなるかどうか。

プラチナ価格は-47円、1.53%の続落。NYプラチナの急反落により、最近の底値保ち合い圏3000円から3100円までが当面の主要レンジとなる可能性も。短期的には2970円台から3080円までが当面の上下の節目。上値再トライとなって節目を超えることができれば3月半ばの押し目水準3170円近辺までが次の上値目標にも。確率的には低下したと思われるものの、下方向へ安値更新の場合には昨年安値2911円トライの流れにも。
※参考:金プラチナ国内価格6/6とチャート

2019年06月06日(木)時点の相場
国内金:4,964 円 6/6(木) ▲19(0.38%)
国内プラチナ:3,021 円 6/6(木) ▼47(1.53%)
NY金:1,333.6 ドル 6/5(水) ▲4.9(0.37%)
NYプラチナ:802.8 ドル 6/5(水) ▼16.3(1.99%)
ドル円:108.27 円 6/5(水) ▲0.08(0.07%)
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