減速傾向続く中国貿易統計、9月は輸出入ともに前年割れ
更新日:2019年10月15日(火)
中国税関総署が発表した貿易統計によれば、9月の輸出総額は1兆5288.6億人民元、輸入は1兆2537.1億元。貿易収支は2751.5億元の黒字。
輸出は12月以来、9カ月ぶりの高水準で今年最大。輸入も11月以来10カ月ぶりの高水準で今年最大。貿易黒字も8月からは15%増。いずれも決して悪くはない数字、むしろ好調のようにも。
しかし、前年同月比で見ると輸出は2カ月連続の低下で前年比-0.8%となって2月(-16.7%)以来7カ月ぶりの低水準で前年割れ。輸出も2カ月連続の低下で-6.2%、2カ月連続の前年割れ、直近5カ月では4カ月が前年割れ。
輸出入ともに伸び悩み状態が鮮明となりつつあります。
なお、ドル建てでは輸出が前年比-3%、輸入は-9%となって輸出入ともに2カ月連続の前年割れ。対米輸出は前年比-22%となってリーマンショック直後以来の減少幅。
9月1日には米国が1250億ドル相当の中国製品に対して15%の制裁関税を発動し、中国も対抗措置を発動していました。
米中貿易摩擦の激化がそのまま中国の貿易額の伸び悩みに反映される状況となっています。
その意味でも今回の米中貿易協議において部分合意となったことは、米中双方にとっても貿易額の伸び悩み解消に向けては好材料。
しかし、第1段階の合意署名に向けては不透明感も漂い始め、減速感漂う米中貿易の局面打開に向けても一筋縄ではいかない雰囲気もつきまといます。
週明け14日は10月第2月曜日、米国はコロンブスデーの祝日で債券市場のみ休場。NY金相場は+8.9ドル、0.6%高となって3日ぶりの反発。週末のリスク・オン材料となった米中貿易協議の部分合意に関して、この日の欧州時間には中国側が第1段階の合意署名の前に詳細を詰めるためのさらなる協議を希望していることが伝えられて巻き戻し。株価急落と円高の流れを受けてNY金は1490ドル半ばから1500ドル台へと小幅に急騰。しかし、大台回復も長くは続かずNY市場では1490ドル台半ばへと反落。ただ、ムニューシン米財務長官は第1段階の合意署名が実現しなければ12月15日予定の対中追加関税発動を示唆しており、「第1段階合意」に向けての不透明感もくすぶる状況に。下値目安1450ドル台に向けた流れはいったん巻き戻される形となり、1480ドル台が目先のサポートとなって1510ドル台の保ち合い上限までが主要レンジに。あらためて下値トライ再開となれば9月安値1470ドルまでが下値目安に。
NYプラチナは-0.9ドル、0.1%の小幅続落。時間外の軟調推移は890ドル台半ばまでと底堅く、金の反発基調に追随する形でNY朝には一時906ドルまで反発。しかし、これも維持できずNY午後には900ドル割れ。890ドルをはさんでの保ち合いから900ドルをはさんでの保ち合いへと小幅に下値を切り上げるも十字線を形成し、方向感喪失状態にも。910ドルの保ち合い上限を突破できれば9月末の急落前水準920ドル台までが上値目標。880ドル台の保ち合い下限割れの場合には8月末の急騰前水準850ドルまでが下値目安に。
ドル円は先週末からほぼ横ばい推移も、わずかに水準を下げて4日ぶりの小反落。休場となった週明け東京市場朝には108円50銭近辺まで小幅に上昇して頭打ち、米中部分合意を受けたリスク・オンの円安基調も一服、国内祝日の東京時間には円高優勢となりやすく108円台10銭台まで軟調推移。欧州時間には中国の追加交渉要望が伝えられて米中温度差など不安感を煽る形となり、108円30銭近辺から108円ちょうど付近まで30銭ほどの急落。しかし、結果的にはこれが格好の押し目買いポイントにもなり、NY時間にかけて108円40銭台までコンスタントに買い戻し。下方向への行って来いとなって長めの下ヒゲを残し、円安トレンド継続を示唆する状況ながら今朝の東京市場にかけても108円半ばが強めの抵抗水準に。ここを上抜けできれば一段高の展開で109円台半ば辺りまでが上値目標に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/14終値とチャート
3連休明け、15日の国内金価格は先週末から+15円、0.27%の反発。週末の米中部分合意を受けて月曜日が平日なら値を下げていたはずの展開も、第1段階の合意署名に向けての不透明感も漂い始めたことでNY金が下げ渋り、国内価格を下支え。反落警戒感を抱えながらも下値を切り上げる流れも続き、三角保ち合い頂点付近に位置し、急反落か一段高かの分岐点に迫る状態にも。目先のサポート5640円を割れると急反落警戒感は強まり、9月安値5520円台までが下値目安に。高値更新となれば一段高への可能性、5780円程度までが当面の上値目標にも。
プラチナ価格は-5円、0.15%の小反落。NYプラチナの900ドルの大台割れとともに国内プラチナ価格も3400円の節目水準回復に失敗。直近の
短期上値目標3380円台到達に伴う一服状態となり、21日移動平均線(3405)にも上値を押さえられる形に。NYプラチナが900ドルの大台を回復し、小幅保ち合い上抜けへと向かうことになれば9月の高値保ち合い水準3450円前後までが次の上値目標にも。
※参考:
金プラチナ国内価格10/15とチャート
2019年10月15日(火)時点の相場
国内金:5,658 円 10/15(火)
▲15(
0.27%)
国内プラチナ:3,390 円 10/15(火)
▼5(
0.15%)
NY金:1,497.6 ドル 10/14(月)
▲8.9(
0.60%)
NYプラチナ:899.4 ドル 10/14(月)
▼0.9(
0.10%)
ドル円:108.39 円 10/14(月)
▼0.03(
0.03%)
10/14(月)のその他主要マーケット指標
ZEWドイツ景況感、現況は9年半ぶり低水準も底入れサイン? 10/16(水)利下げ効果?でミシガン大消費者信頼感指数は下げ渋り 10/12(土)米9月消費者物価指数、コアCPIは11年間で2番めの高水準 10/11(金)求人件数3カ月連続前年割れは前回のリセッション以来 10/10(木)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン