コロナ対策第3弾は無制限QE、も株安止まらず金は過去最大の急騰
更新日:2020年03月24日(火)
FRBは今月3日の緊急利下げ、16日にも緊急利下げでゼロ金利と量的緩和再開、そしてコロナ対策第3弾として今度は無制限QE。16日には国債を5000億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を2000億ドルの合計7000億ドルとしていた上限を撤廃。必要な分だけ、無制限に購入することなどを決定。量的緩和を好感する株価と金は急騰で反応し、FRBも3度目の正直、となったのも束の間。米議会での景気対策法案が進展しないことが嫌気されて株価は急反落、金だけが急騰を続ける展開となりました。
足下では有事のドル買いが進行し、ドル円は急反発となってまたも長期三角保ち合い上抜けトライの様相に。2月に上抜けトライに失敗し、3月は下抜けトライに失敗後の上抜け再トライ。ちょうど雲のねじれ付近で乱高下状態となって新たなトレンドが形成されようとしている可能性もありそうです。
別の見方をすれば、長期三角保ち合いはすでに崩れ、概ね106円から114円のボックスを形成しての保ち合い推移に移行中、さらに2019年以降は106円から112円にレンジを縮小しての保ち合い推移となっている可能性もありそうです。
今朝も、ここまで一方的に進み過ぎたドル買いの流れの巻き戻しの展開が進行しています。
それでも1週間後、長期三角保ち合いを上抜けて111円台半ばへと、雲の上限も上抜けることになれば、大きく流れが変わる可能性も否定できません。
23日のNY金相場は3日続伸で+83.0ドル、5.59%の暴騰。2013年9月19日(+61.7ドル、4.72%)、QE縮小先送りとなった時などを大幅に上回り、過去最大の上げ幅。今回はコロナ対策第3弾となる無制限QEを好感しての急騰。NY朝に臨時FOMCの結果が発表されると緩和策を好感した株価とともに急騰で反応、1500ドル手前から1530ドル付近まで上昇。しかし、米上院では景気対策法案が進展しないことが株価の重石となって米株などは急騰分を全戻しとする反落。今度はリスク回避の流れなってドル買いとともに安全資産として見直されたかのようにNY金はさらに水準を切り上げる展開に、NY午後には1560ドル超え、NY引け後には1570ドル超え。3月12日(1590.3)以来、10日ぶりの高値水準となり、今年高値1704.3ドルから急落後の今年安値1450.9ドルまでの半値戻し(1577.6)付近に到達。短期ダブルボトムのネックライン1500ドル超えに伴う上値目安1540ドル台を大きく上回ったことからの一服感よりも安全資産としての買いが続くようなら、61.8%戻し(1607.5)付近、1600ドルの大台を試すような展開にも。
NYプラチナは+5.0ドル、0.8%の続伸。米株とNY金が同時急騰したNY朝には反応が鈍いプラチナ。620ドル台でのもみ合いから若干水準を切り上げる展開へ、株価が反落してNY金がさらに水準を切り上げると金に追随、NY午後には640ドル、引け後には一段高となって660ドル台へ。この水準は暴落途中の17日に小反発した水準でもあり、節目として抵抗水準にもなりやすいところ。これを上抜けることができれば一段高の展開も見込まれ、上値目標は690ドル近辺まで。
金との価格差は19日の882.5ドルを大幅に上回る940.1ドルへ。
ドル円は20銭余り、0.21%のドル高円安となって5日続伸。5日続伸は昨年11月以来、4ヵ月ぶり。水準としては2月21日(111.58)以来、1ヵ月ぶりの高値。不安定な状態で乱高下スタートとなった週明け東京朝には111円20銭台まで上昇後は軟調推移、午後には110円を割れて一時109円60銭台まで下押し。押し目買いの展開となった欧州時間には110円80銭台まで上昇。NY朝にはFRBの無制限QE発表を受けてドル売りが強まると109円80銭台まで、1円の急落。しかし米議会での景気対策法案が膠着状態となったことを嫌気して株安の流れが強まると一転してドル買いの流れとなり、元の水準を回復してさらに一段高、一時111円50銭台まで上昇。今朝の東京市場ではその景気対策法案が今晩の合意に向けて進展との見方も伝えられて流れが逆転、株高ドル安となって110円30銭台まで下落。法案成立ならもう一段の調整も見込まれ、90日移動平均線が推移する109円近辺がサポート候補。上方向には111円台に水準を切り上げることができれば今年高値112円20銭台が意識される展開に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/23終値とチャート
24日の国内金価格は+296円、5.11%の大幅続伸。上昇率では2009年1月5日(+144円、5.63%)、金融危機の時以来11年2ヵ月ぶり。上昇値幅では2008年9月18日(+296円、10.61%)、リーマン破綻直後以来、11年半ぶりの急騰。3月11日(6102)以来、2週間ぶりの高値となって6000円台を回復。5800円の節目突破に伴う上値目標90日移動平均線(5872)付近を突き抜け、またも5800円台を素通り。今年の高安、6397円から5648円までの半値戻し(6023)を達成し、61.8%戻し(6111)も視野に。安全資産としての金買いと有事のドル買いが同時進行したことによる急騰も、今朝時点ではドル買いの調整も進行しており、かなり不安定な状態。
プラチナ価格は+156円、6.44%の大幅高で5日ぶりの反発。上昇幅としては2015年10月13日(+158円、4.01%)以来、4年5ヵ月ぶり。上昇率では2009年1月5日(+264円、10.24%)以来、11年2ヵ月ぶりの急騰。それでも今年高値からの暴落値幅(1499円)の10分の1強。まずは一番近い目安水準となりうる、急降下中の9日移動平均線(2733)までの値幅でも155円。もう一度10年ぶりの急騰が必要なほどの距離。それでも11年ぶりの大底をつけた可能性も。
金との価格差は前日の3374円から3514円へと急拡大。
※参考:
金プラチナ国内価格3/24とチャート
2020年03月24日(火)時点の相場
国内金:6,092 円 3/24(火)
▲296(
5.11%)
国内プラチナ:2,578 円 3/24(火)
▲156(
6.44%)
NY金:1,567.6 ドル 3/23(月)
▲83.0(
5.59%)
NYプラチナ:627.5 ドル 3/23(月)
▲5.0(
0.80%)
ドル円:111.05 円 3/23(月)
▲0.23(
0.21%)
3/23(月)のその他主要マーケット指標
外出禁止令のユーロ圏、3月サービス業PMIは過去最低へ急落 03/25(水)止まらない株安連鎖、リスク資産と化した金も乱高下 03/23(月)リーマンショック後のドル高と金安、とその反転 03/21(土)崩れ始めた米国の完全雇用 03/20(金)
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