ダラス連銀製造業PMIも半年ぶりプラス圏回復
更新日:2020年09月01日(火)
米主要地区連銀の製造業景況感(PMI)は4月の大底から、5月以降は急回復となり、PMIだけはV字回復の様相となっていました。そのなかで唯一出遅れていたダラス連銀も8月には+8.0となって2月(+0.8)以来、ようやく半年ぶりにプラス圏を回復。水準としては昨年2月(10.9)以来、1年半ぶりの高水準。
ダラス連銀の場合、原油価格の急落とともに他の地区連銀に先行してPMIも急低下、原油価格回復の遅れとともに、PMIの回復基調も遅れ気味。
3月にはNY、フィラデルフィア連銀などではマイナス圏入りはしていたものの、4月の大底と比較すると3分の1から4分の1程度の落ち込み。リッチモンド連銀に至っては+2.0とプラス圏に踏みとどまっていました。この3月にダラス連銀は-70.1、大底となる4月の-74.0に迫る水準へと急落していました。原油価格が月間平均で2月の50.5ドルから3月は30.5ドルへと急落したことに連動する形となっていました。
回復基調となった6月にはプラス・マイナス圏混在も、7月にはダラス連銀(-3.0)以外の地区連銀では全てプラス圏を回復。原油価格は7月の月間平均でようやく40ドルを回復した状態でした。そして8月には原油価格も平均で42.4ドルと2月(50.5)以来、半年ぶり高水準。
原油価格はコロナ前の2月以前、50ドル超の水準にはまだ届きませんが、PMIは低迷状態からの反動もあり、先行して回復基調を強めた格好です。
ダラス連銀の雇用指数は8月に10ヵ月ぶり高水準となり、半年後の見通しを示す期待指数は1年9ヵ月ぶり高水準へと急回復となっています。
対象的に、PMIの回復基調で先行していたNY連銀やフィラデルフィア連銀では、期待指数のピークは6月。7-8月は急失速となり、PMIも8月には失速。
地区連銀製造業PMIは8月に、拡大基調は維持しながらも回復継続と伸び悩みが混在。足並みが乱れ始めた状態に今後の実体経済の回復基調への不透明感も漂います。
31日のNY金相場は+3.7ドル、0.19%の小幅続伸。週明け時間外スタート直後には週末高値を超えて1985ドルまで上昇も、27日の急騰でつけた高値1987ドルが超えられずに失速すると、東京午後の時間帯には1960ドル台前半まで反落。ロンドンからNY午前にかけてはユーロ主導のドル安基調にサポートされて1980ドル台へと反発。結果的に27日高値から20日移動平均線(1980)が抵抗帯となる形で高値保ち合いの様相に。この水準を突破できれば短期上値目標2000ドル再トライへも。
月間ベースでは-7.3ドル、0.37%の小幅安となって6ヵ月ぶりの反落。
NYプラチナは-2.1ドル、0.22%の小幅反落。950ドル手前まで小幅急騰スタート後に反落、時間外は金に連れて軟調推移となり、NY朝には930ドル手前まで下落。先週末安値を下回らずに反発もNY市場での高値は940ドル半ばまで。小幅揉み合いに終始し、上値目標960ドル台に向けた流れはスタート直後に一服。上値の重い状態が続くようだと徐々に下値警戒感も、920ドルの下値サポートを割れると調整再開で7月末安値900ドル割れを目指す流れにも。
月間ベースでは+19.0ドル、2.07%の続伸。
ドル円は50銭強のドル高円安、0.49%の反発。週明け東京市場朝は先週末の大幅下落からの反動高となって105円80銭台まで急騰も、直後に105円20銭台まで反落と乱高下。落ちつかない状態でのスタート後は、菅官房長官の自民党総裁選出馬意向の報道を受けて株高と円安の流れに。現政権の延長線上との思惑から緩和政策継続見込みによる市場の安心感から欧州・NY時間にかけてもコンスタントに買われて106円台を回復。しかし、欧州時間以降はドル安の流れも徐々に強まり、NY市場では105円70銭台まで押し戻される場面も。ドル安と円安との攻防状態ともなり、ドル円は再び方向感喪失状態に。104円台後半を目指した下値トライは先週末の105円20銭までで折返し。目先は106円をはさんでの保ち合いとなって月初の米指標結果次第という展開にも。106円台半ばの保ち合い上限を超えると上値トライへの目標水準は107円台後半も、105円30銭の下値サポートを割れると104円台後半再トライへ。
月間ベースでは-46銭、0.43%の続落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/31終値とチャート
1日の国内金価格は+31円、0.43%の続伸。依然として上値の重さを抱えながらも、8月7日の過去最高値(7676)から8月安値(7191)までの23.6%戻し(7305)と7300円の節目を超え、ゆっくりと上値トライへの流れが進行し始めた様子も。目先、21日移動平均線(7339)から7350円の節目辺りが抵抗とならなければ、短期上値目標38.2%戻し(7376)近辺までの一段高も。
プラチナ価格は+30円、0.87%の続伸。8月後半のレジスタンスラインとなってきた9日移動平均線(3439)をようやく上抜け。8月高値(3655)から24日(3379)までの38.2%戻し(3484)から21日移動平均線(3489)付近が次の上値抵抗候補となり、これをしっかり上抜けると半値戻し(3517)を上値目標に一段高の展開へ。下方向には3420円台がサポート、これを割れるようだと3350円近辺を目安に一段安の展開にも。
※参考:
金プラチナ国内価格9/1とチャート
2020年09月01日(火)時点の相場
国内金:7,323 円 9/1(火)
▲31(
0.43%)
国内プラチナ:3,465 円 9/1(火)
▲30(
0.87%)
NY金:1,978.6 ドル 8/31(月)
▲3.7(
0.19%)
NYプラチナ:937.9 ドル 8/31(月)
▼2.1(
0.22%)
ドル円:105.88 円 8/31(月)
▲0.52(
0.49%)
8/31(月)のその他主要マーケット指標
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