コアPCE4ヵ月ぶり高水準、トリム平均では4年9ヵ月ぶり低水準
更新日:2021年02月27日(土)
米商務省が発表した1月の個人消費支出は前月比+2.4%となり、7ヵ月ぶりの大幅増。個人消費が米経済回復の牽引役であることを示す好調ぶり。感染急減とワクチン接種拡大とともに今後に向けた明るい材料となりそうです。
市場が注目する個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は1月に前年比+1.45%となり、続伸となって昨年2月(+1.84)以来11ヵ月ぶりの高水準。市場とFRBが注目する、食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+1.53%。これも続伸で9月(+1.53)以来、4ヵ月ぶりの伸びを示し、いずれも市場予想を上回ってインフレ上昇の兆しともとられかねない結果にも。
セクター別ではサービス価格が前年比+1.9%で横ばい推移となったのに対し、商品価格が12月の前年比-0.2%から1月は+0.5%へと上昇。11ヵ月ぶりの前年比プラス圏回復で1年ぶりの高水準。なお、耐久財が前月の+1.3%から+1.4%へと上昇し、耐久財以外も前月までの-0.9%から+0.0%へと回復。エネルギー関連は11ヵ月連続の前年割れながら-4.5%まで回復し、コロナ後でマイナス幅は最小。
NY原油価格が25日には63ドル台まで上昇し、ほぼ1年10ヵ月ぶり高値水準となり、月間平均でも50ドル台を回復して1年ぶり高水準となったことが大きく貢献したようです。
ただし、PCEもコアPCEも依然としてFRBの目標2%以上には程遠い水準です。
また、ダラス連銀発表のトリム平均PCE(PCE構成品目のうち上位31%以上と下位24%以下を除外して算出)では前年比+1.68%。2016年4月(1.68)以来、4年9ヵ月ぶり低水準となっています。
クリーブランド連銀発表のメディアンPCE(価格変動分布50%台の品目のみで算出)では、前年比+1.90%となって2013年4月(1.88)以来、7年9ヵ月ぶり低水準へと急降下。
一部の品目、あるいはサービスが1月のPCEインフレ上昇を牽引したようです。
26日のNY金相場は-46.6ドル、2.62%の大幅安となって4日続落。1月8日(-78.2ドル、4.09%)以来1ヵ月半ぶりで今年2番めの急落となり、昨年6月15日(1727.2)以来、8ヵ月ぶりの安値。時間外序盤こそ1770ドルの節目水準で下げ渋る状態が続いたものの、これを維持できなくなるとロンドン・NY朝にかけては一段水準を切り下げて1760ドルをはさんでの揉み合いへ。NY市場ではPCEインフレが予想を上回ったことなどもあり、1.4%台後半で下げ渋っていた米10年債利回りが一時的に1.5%台へと反発したことをきっかけにドル高の流れも加速。株安の流れとともにNY金は一時1715ドル近辺まで、50ドルほどの急落。NY引け後には1730ドル台まで自律反発し、1770ドル割れに伴う下値目安1740ドル前後に帳尻合わせ。短期的には一服感も、短中期的には昨年3月安値から8月最高値の50%戻し(1770.1)を大きく割り込んだことから、61.8%戻し(1694.7)が意識されやすい節目水準にも。
週間ベースでは-48.6ドル、2.73%の続落。月間では-121.5ドル、6.57%の大幅続落。2016年11月(-102.3ドル、8.04%)以来、4年3ヵ月ぶりの大幅安。
NYプラチナは-46.2ドル、3.75%の大幅続落で2月8日(1175.2)以来、3週間ぶりの安値。時間外には1220ドル近辺から1240ドル手前まで反発して戻り売り、金とユーロと株価に追随する形で軟調推移。ロンドンで1200ドルの大台を割れるとNY朝に一度は1210ドル台への戻りをはさんで一段安、一時1170ドル近辺まで下落してNY引けにかけての自律反発では1200ドルに少し届かず。11月以降の上昇局面でのサポートラインとなってきた20日移動平均線(1204.4)を少し割り込んだ状態となり、目先は20日線に再びサポートされるか、もしくはレジスタンスに切り替わるか。下方向には昨年9月安値(821.3)から今年高値(1348.2)までの23.6%戻し(1223.9)を割り込んだことで38.2%戻し(1146.9)が次の節目候補。
週間では-107.8ドル、8.34%の大幅安で4週ぶりの反落。昨年9月21日からの週(-96.5ドル、10.28%)以来5ヵ月ぶりの急落。月間では+106.1ドル、9.83%の上昇。1月の横ばい推移をはさんで3ヵ月続伸。
ドル円は33銭のドル高円安、0.31%高で4日続伸。8月14日(106.60)以来、半年ぶりのドル高円安水準。NY午後には一時106円70銭付近まで上昇し、106円の節目超えに伴う短期上値目標107円付近にほぼほぼ到達。前日急騰した米10年債利回りが行って来いの形で調整となったものの、リスクオンの巻き戻しの流れは続き、株安に円高、ドル高の流れ。ドルと円の綱引きでは東京時間には105円80銭までの円高、欧州時間には106円50銭台までのドル高。調整後のNY時間にはPCEインフレ上昇などの結果も受けて106円台後半へと再反発。短期的には若干の上昇余地も残し、107円台へと水準を切り上げることになれば、コロナ後の戻り高値111円70銭台から今年年初の安値102円50銭台までの半値戻し(107.16)が意識され、これも超えるようだと中期的には61.8%戻し(108.24)も意識されることにも。
週間では+1.13円、1.07%の続伸。11月9日からの週(+1.27円、1.23%)以来、3ヵ月半ぶりの大幅高で52週移動平均線(105.95)超え。月間では+1.88円、1.8%の大幅続伸。2019年2月(+2.52円、2.31%)以来2年ぶりの急騰。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/26終値とチャート
2021年02月27日(土)時点の相場
国内金:6,604 円 2/26(金)
▼114(
1.70%)
国内プラチナ:4,503 円 2/26(金)
▼170(
3.64%)
NY金:1,728.8 ドル 2/26(金)
▼46.6(
2.62%)
NYプラチナ:1,185.3 ドル 2/26(金)
▼46.2(
3.75%)
ドル円:106.57 円 2/26(金)
▲0.33(
0.31%)
2/26(金)のその他主要マーケット指標
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