雇用低調、緩和縮小先送りで想定可能な金価格の上昇余地
更新日:2021年09月06日(月)
米労働市場においてもデルタ株による感染再拡大によるダメージは回避し切れず、雇用者数の伸びが想定外に低調となったことからテーパリングの早期スタートへの思惑も失速。
早ければ9月FOMCでのテーパリング開始宣言も、との強気シナリオは大きく後退。となれば次なる可能性は11月FOMC。ただし11月FOMCは2-3日開催となり、その2日後の5日が10月雇用統計発表。タイミング的に9-10月の2ヵ月分の雇用統計の結果を見てテーパリング決定へ、という訳にも行かず。慎重論が今後、多少なりとも台頭することになれば12月中旬のFOMCで9-11月までの3ヵ月分の雇用統計の結果を見て最終判断へ、という無難なシナリオも想定可能に。となるとQE開始は年明けから、とスローダウンも。
6日の国内金価格は+43円、0.62%の反発。雇用統計後のNY金急騰分を反映し、7月16日(7048)以来、7週間ぶりの高値。7000円の大台を挟んでの小幅保ち合いから上方ブレイク、上値トライ再開となって6月高値(7335)から8月安値(6710)の61.8%戻し(7096)近辺、7090円近辺までが当面の上値目標。ただしNY金は週末の1830ドル近辺から週明け時間外には1820ドル台へとやや調整の動きも見られ、為替はドル安の巻き戻しからのスタートとなっており、一本調子での一段高といった展開も見通し難い状況か。当面の下値サポートは6990円、これを割れるようだと調整局面入り、21日移動平均線(6905)から6900円近辺までが下値目安に。
月足・週足の一目均衡表では三役好転を維持する金価格、日足では雲の上限(7082)を上抜けると三役好転。この夏場の下落幅の半値戻し(7023)を達成した現状から、61.8%戻し(7096)から雲の上限辺りまでは十分トライ可能な水準のようにも。
時間軸を少し拡大すると、2020年8月の過去最高値(7676)から今年3月安値(6413)までの半値戻し(7045)もほぼ射程圏内。ただし、この7000円台前半の水準は過去にも上値を押さえられてきた抵抗水準でもあり、それ相応の強気材料も必要となる可能性も。
となれば、7100円台へともう一段の戻りを試す為には、少なくともテーパリングの年明けへのずれ込みなどは必要条件にも。
プラチナ価格は+73円、1.89%の大幅高となって3日ぶりの反発。8月17日(3934)以来、3週間ぶりの高値。レンジ幅を拡大する逆三角保ち合いを形成し、再び上方ブレイクの可能性。乱高下となっての不安定な展開から、逆三尊トライへの流れが続いてネックラインとなる3964円超えとなれば逆三尊完成。一段高への可能性は高まり、短期上値トライの目標水準は8月高値圏4070円台まで。逆三角保ち合い継続となって3850円台を割れへと反落なら逆三尊崩れへと下値再トライ、昨年12月の保ち合い水準3690円台辺りまでを目指す流れにも。
日足・一目均衡表では転換線(3862)と基準線(3910)を上抜けて三役逆転から抜け出しての回復途上。春以降の斜行三角保ち合いも上抜け、上下動を繰り返しながらも少しずつ回復基調が進行し始めた様子も。引き続き逆三尊完成と今年高値から安値までの23.6%戻し(3997)が重要な攻防ライン。9月FOMC通過の頃にこの水準に到達できれば、雲の下限トライと遅行線の価格ライン上抜けトライとなり、回復基調も次の段階へ。
※参考:
金プラチナ国内価格9/6とチャート
2021年09月06日(月)時点の相場
国内金:7,033 円 9/6(月)
▲43(
0.62%)
国内プラチナ:3,931 円 9/6(月)
▲73(
1.89%)
NY金:1,833.7 ドル 9/3(金)
▲22.2(
1.23%)
NYプラチナ:1,021.6 ドル 9/3(金)
▲27.4(
2.76%)
ドル円:109.71 円 9/3(金)
▼0.23(
0.21%)
9/3(金)のその他主要マーケット指標
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