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★金プラチナ短期相場観★

世界のプラチナ需給-2021年第2四半期
更新日:2021年09月10日(金)
世界のプラチナ需給・鉱山産出量 2021年第2四半期WPIC(World Platinum Investment Council)発表のプラチナ需給レポートによれば、2021年第2四半期のプラチナ総需要は59.3トン。前期比-6.0%、前年同期比では+22.6%となって4四半期ぶりの低水準。
総供給量は64.3トンで前期比+6.9%、前年同期比+54.9%の大幅増で6四半期ぶりの高水準。
需給バランスは、5.0トンの供給過剰。供給が需要を上回るのは5四半期ぶり。
2021年の通年見通しとしては、総供給量が247.1トン、総需要は241.1トンとなって5.9トンの供給過剰。供給過剰は3年ぶりの見込み。

<供給>
■鉱山産出量:49.5トン 前期比+10.3%、前年比+64.5%、6四半期ぶりの高水準。うち南アフリカは36.2トン(前期比+12.5%、前年比+123.7%)で6四半期ぶり高水準、ロシアは4.2トン(前期比-25.9%、前年比-22.1%)。2カ国合計シェアは83.6%となって前期の83.1%から小幅増で3四半期ぶり高水準。※鉱山操業稼働率97%まで回復。
■リサイクル:14.8トン 前期比-3.2%、前年比+29.6%で4四半期ぶり低水準。

世界のプラチナ需給・目的別需要 2021年第2四半期<需要>
■自動車触媒:20.7トン 前期比-7.1%、前年比+75.2%、3四半期ぶり低水準。15四半期連続の前年割れ後に3四半期連続で前年比プラス。
 ※半導体不足による生産制限がなければプラチナ需要は+2トンとの見方も。
■宝飾品:14.3トン 前期比-3.4%、前年比+18.8%、4四半期ぶり低水準。14四半期連続前年割れ後に3四半期連続で前年比プラス。
 ※欧州と北米で需要増、中国では減少。
■産業用:18.4トン 前期比-13.0%、前年比+46.7%。3四半期ぶり低水準。2015年以降では3番めの高水準。
 ※ガラス関連は3.5トンで2015年以降最大となった前期比-60.8%も前年比+40%、通年では68%増となって2013年以降最大となる見込み。
■投資:5.9トン 前期比+21.7%、前年比-50.4%。3四半期ぶり高水準。地金・コイン等の現物投資需要は3.5トンで前期比5倍超、前年比-10%。ETF関連は+1.0トンで買い越しは5四半期連続も5四半期では最少。
★需要全体における自動車触媒需要の占める割合は34.8%。2015年以降でシェア最低となった2020年第2-3四半期の24%台以来、3四半期ぶり低水準。シェア2番めは産業用が31%となって前期の33.5%に次いで2015年以降では2番めの高水準。宝飾需要はシェア24.2%で2四半期ぶり高水準も2018年以前の30%超には届かず。投資需要は10%で3四半期ぶり高水準。

プラチナ価格とプラチナ消費需要+ETF 2021年第2四半期<価格と消費需要・ETF需要>
宝飾品需要と現物投資需要を合わせたプラチナ消費需要は17.8トン。前期比+15.6%、前年比+11.8%で2四半期ぶり高水準も2015年以降では4番めの低水準。
NYプラチナ平均価格は1182.1ドルとなり、第1四半期の1165.1ドルから小幅高、6年1四半期ぶり高値水準。近年では最高値水準での高止まりとなったことで消費需要も低迷。ETFの買い越し幅も急縮小。2019-20年の2年間の好調期を経て投資需要は一服状態にも。
WPICの長期見通しとして、自動車セクターの回復、パラジウムの代替需要、工業需要、水素経済への投資需要などを背景にプラチナ需要は今後も成長見込み。


NY金・日足チャート 2021/8/5 - 9/99日のNY金相場は3日ぶりの反発で+6.5ドル、0.36%上昇。1810ドルの節目割れに伴う短期下値目安1780ドル前後に対しては8日安値で1783.1ドルまで下げて反発。戻りでは1800ドルの大台には届かず、この日の時間外も1790ドル台前半を中心に小幅揉み合いスタート。それでもロンドン市場ではユーロ高ドル安の流れに連れての反発基調で一時1800ドル台を回復。NY朝には米失業保険申請件数が想定以上の好結果となったことを受けての米長期金利上昇とドル高に押されて戻り売り、1780ドル台半ばまでの急反落も一時的にとどまるも自律反発では1800ドルに抵抗感を残す形で1790ドル台半ばに収束。1790ドルが目先の下値サポートとなり、再度しっかり割れると1770ドル近辺までの下値余地拡大も。上方向には1830ドルが当面の抵抗水準も、目先は20日移動平均線(1798.2)から1800ドルの大台ライン付近に抵抗感。

NYプラチナ・日足チャート 2021/8/5 - 9/9NYプラチナは-1.6ドル、0.16%の小幅安で3日続落。8月19日(971.2)以来、3週間ぶりの安値。終値ベースでの今年安値970ドルとの攻防では、何度かこの重要水準を下回るも960ドル台後半までとわずかな下振れにとどまると、NY朝には金の反発局面に追随して980ドル台まで上昇する場面も。しかし上値は重く、NY引けにかけては再び970ドルとの攻防状態に。これを維持できなくなれば、990ドルの節目割れに伴う短期下値目安940ドル近辺を目指す流れ再加速も。その手前では今年最安値954ドル付近でサポートされるかどうか。
金との価格差は825.5ドルとなり、1月5日(834.8)以来、8ヵ月ぶりの水準まで拡大。

ドル円・日足チャート 2021/8/6 - 9/9ドル円は50銭余りのドル安円高、0.48%の続落となって9月3日(109.71)以来、1週間ぶりの安値。前日高値110円40銭台が短期的なピークとなって軟調推移。東京朝の110円20銭台がこの日の高値となり、ユーロ高ドル安に連れた欧州時間には110円を割れて109円80銭台、NY朝には失業保険申請件数の好結果を受けて下げ渋る状態にもなったものの、午後にかけては米10年債利回りが一時1.3%割れへと急低下した流れにも連れて109円60銭台まで下落。NY終盤には下値サポート109円70銭を回復。今年高値を目指す展開へとつながる可能性もあった上値トライへの流れは早々に巻き戻され、今度は下方向への節目109円70線との攻防に。これを割り込むようだと一定の下落局面形成へ、5月安値圏108円台半ば辺りまでが当面の下値目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場9/9終値とチャート

10日の国内金価格は-4円、0.06%安となって4日続落。8月26日(6919)以来、2週間ぶりの安値。7000円の大台を挟んでの小幅保ち合い下放れに伴う短期下値目安6900円近辺を目指す流れがジワリ進行。惰性で上昇する21日移動平均線(6935)を下抜け、上からは下落基調に転じた9日移動平均線(6985)が猛追。9日線の21日線下抜けが早いか、価格ラインの21日線上抜けが早いか、地合い回復に向けての攻防にも。
週間ベースでは-64円、0.92%安となって4週ぶりの反落。

プラチナ価格は+2円、0.05%の小反発。今年2番めの安値をつけての折返しで逆三尊形成への可能性を残した格好ながら、一時的に下げ渋っただけの状態のようにも。NYプラチナの一段安か、下げ渋って反発できれば逆三尊形成トライへも、という状況にそのまま依存する状態。このまま一段安への流れ再開なら今年安値を更新して3690円近辺までが当面の下値目安に。下げ渋って反発に転じた場合のネックラインは3964円。その手前、3930円台の短期保ち合い上限が反発方向への流れの分岐点。これを突破できるようなら流れは好転、逆三尊完成は通過点となって4100円台の大台回復を目指すような流れにも。
週間ベースでは-78円、2.02%安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格9/10とチャート

2021年09月10日(金)時点の相場
国内金:6,926 円 9/10(金) ▼4(0.06%)
国内プラチナ:3,780 円 9/10(金) ▲2(0.05%)
NY金:1,800.0 ドル 9/9(木) ▲6.5(0.36%)
NYプラチナ:974.5 ドル 9/9(木) ▼1.6(0.16%)
ドル円:109.72 円 9/9(木) ▼0.53(0.48%)
→9/9(木)のその他主要マーケット指標

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→求人件数は5ヵ月連続過去最高、求人不足から人材不足へ 09/09(木)
→独ZEW期待指数はコロナ後最低、鉱工業生産はコロナ前比5.5%減 09/08(水)
→黄金比61.8%の重要性と国内金価格 09/07(火)

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