ユーロ圏PMI、サービス・総合は4ヵ月、製造業は5ヵ月ぶりに反発
更新日:2021年11月24日(水)
ユーロ圏では感染再拡大が懸念され、ドイツなどでは新規感染者数が過去最大、オーストリアではロックダウン再開、オランダやベルギーなどでも規制強化に反発する暴動なども。そんな混乱状態のなかでもユーロ圏の景況感減速基調には歯止めがかかりつつあるようです。
ユーロ圏総合PMIは11月速報値で55.8。6ヵ月ぶり低水準となった10月の54.2からは1.6ポイント上昇し、4ヵ月ぶりの反発。
足下ではサービス業PMIがほぼ同じような推移となり、11月速報では56.6。6ヵ月ぶり低水準となった10月の54.6からは2.0ポイント上昇し、やはり4ヵ月ぶりの反発。
製造業PMIは58.6となって10月からはわずかに+0.3。3ヵ月連続の58ポイント台で下げ渋る状態となり、5ヵ月ぶりの小反発。
供給遅延とエネルギー価格上昇などの影響でインフレ圧力は記録的レベルとなり、これに感染再拡大が加わって今後の見通しは10ヵ月ぶりの低水準へと落ち込んだ状態。にもかかわらず、総合指数としては下げ止まって反発の兆しに。需要急増に伴い、受注状況は改善しつつあるようです。
国別ではフランスのサービス業PMIが58.2となって前月比+1.6で続伸。2018年1月(59.3)以来、3年10ヵ月ぶりの高水準。総合PMIも56.3で4ヵ月ぶり高水準となり、ユーロ圏の反発を牽引。
ドイツは製造業PMIが57.6。前月比-0.2の小幅低下で4ヵ月続落、1月(57.1)以来、10ヵ月ぶりの低水準。サービス業PMIも53.4で2ヵ月ぶり高水準にとどまり、総合PMIも52.8で2ヵ月ぶりの高水準。なんとか下げ渋ってユーロ圏の反発の足を引っ張らずに済んだ状態。
なお、製造業PMIでドイツがフランスを上回るのは16ヵ月連続。ドイツの減速によりその差は縮小傾向。サービス業PMIと総合PMIでは2ヵ月連続でフランスがドイツを上回り、その差は拡大。
23日のNY金相場は-22.5ドル、1.25%安で4日続落。11月3日(1763.9)以来、20日ぶりの安値。時間外は1810ドル近辺が上限となって小幅保ち合い推移、ロンドン時間からはパウエル続投を好感した米長期金利上昇の流れ再開を受けて軟調推移。1800ドルの大台を割れるとNY朝にはサポート候補と見られた90日移動平均線(1793.1)と200日移動平均線(1792.6)、1790ドル近辺も下抜けてオーバーラン、NY午後には1780ドル付近まで下落。引け後には1790ドル近辺へと自律反発。8月安値(1677.9)から11月高値(1879.5)までの半値戻し(1778.7)付近に到達した状態でサンクスギビングの週末を迎えることとなり、一服感は生じやすいところ。さらなる下値警戒水準としては61.8%戻し(1754.9)から11月安値(1758.5)、1750ドル台まで。
NYプラチナは-50.9ドル、5.01%の大幅安となって6日続落。5%超の下落は6月17日(-86.7ドル、7.59%)以来、5ヵ月ぶりで今年2番めの急落。6日続落は今年最長で昨年2月以来、1年9ヵ月ぶり。水準としては10月5日(959.8)以来、1ヵ月半ぶりの安値。時間外に1020ドル台半ばまで小反発して戻り売り、ロンドン市場からの金の軟調推移に追随すると90日移動平均線(1014.5)を下抜けて加速、NY朝に1000ドルの大台を割れるとNY午後には970ドル割れ、950ドル台半ばまで下落してようやく下げ渋り。NY引け後には970ドル台から980ドルへと巻き戻し。9月安値(892.6)から11月高値(1113.1)までの61.8%戻し(976.8)を達成した状態に。さらなる下値警戒水準としては76.4%戻し(944.6)、10月安値(939.1)など940ドル近辺。
ドル円は25銭のドル高円安、0.22%の続伸で2017年1月11日(115.40)以来、4年10ヵ月ぶりのドル高円安水準。東京市場が祝日で休場となって閑散状態のなか、前日のパウエルFRB議長再任を受けての安心感からのドル買い円安基調が継続、115円ちょうどの壁を突破すると東京午後の時間帯には115円10銭台へ。欧州時間には米海軍ミサイル駆逐艦が台湾海峡を航行したことを受けて中国が反発、地政学リスクを材料に仕掛け的な売りも入った様子で一時114円50銭割れへと急落。ただしNY時間までには115円を回復し、NY終盤には115円20銭手前まで上昇。今朝の東京市場では115円20銭台を試す場面も。114円90銭の節目をしっかりと上抜けたことでもう一段上値を切り上げやすい状況に、115円台後半までが短期上値目標。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/23終値とチャート
24日の国内金価格は-136円、1.84%の大幅安で3日続落。下げ幅では雇用統計後の連休明けとなった8月10日(-234円、3.36%)以来、3ヵ月半ぶりで今年4番めの急落。下落率では小売売上高が好結果となった翌日の9月17日(-130円、1.89%)以来2ヵ月ぶりで今年5番め。水準としては10日(7247)以来、2週間ぶりの安値となり、1ヵ月半ぶりに右肩上がりの21日移動平均線(7285)も下抜け。下振れ警戒水準と見ていた9月安値(6764)から11月高値(7483)の23.6%戻し(7313)も大幅に下抜け。パウエル議長続投きっかけにしては、やや下げ過ぎの感も。38.2%戻し(7208)近辺までを一応警戒しながらも7300円台回復のチャンスをうかがう場面も。
プラチナ価格は-121円、2.95%安となって5日続落。5日続落は8月以来、3ヵ月ぶりで今年3度め。下げ幅は6月21日(-129円、3.10%)以来5ヵ月ぶりで今年9番めの急落。水準としては10月13日(3959)以来、1ヵ月ぶりの安値。下値サポート候補となっていた90日移動平均線(3984)も6週間ぶりにわずかながら下抜けて一服感も。さらなる下値警戒水準としては9月安値(3536)から11月高値(4320)までの半値戻し(3928)近辺。
※参考:
金プラチナ国内価格11/24とチャート
2021年11月24日(水)時点の相場
国内金:7,255 円 11/24(水)
▼136(
1.84%)
国内プラチナ:3,979 円 11/24(水)
▼121(
2.95%)
NY金:1,783.8 ドル 11/23(火)
▼22.5(
1.25%)
NYプラチナ:964.2 ドル 11/23(火)
▼50.9(
5.01%)
ドル円:115.12 円 11/23(火)
▲0.25(
0.22%)
11/23(火)のその他主要マーケット指標
PCEインフレは31年ぶり、トリム平均でも13年ぶり高水準 11/25(木)パウエルFRB議長続投でドル高、NY金急落 11/23(火)国内金価格61.8%戻しの法則 11/22(月)4年8ヵ月ぶりのドル高円安、実質実効為替は6年3ヵ月ぶり円安 11/20(土)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン