輸出入は過去最大、米貿易赤字は過去最大から急縮小
更新日:2021年12月08日(水)
米商務省が発表した10月の貿易統計によると、貿易赤字は671億ドルとなって急縮小。
2ヵ月連続過去最大の貿易赤字となった9月が-814億ドルで、前月比+11.3%と1年2ヵ月ぶりの急拡大となっていたのに対し、10月は前月比-17.6%。2015年4月(-18.2%)以来、6年半ぶりの急縮小。
輸入が2907.49億ドルとなって前月比+0.9%、3ヵ月連続で過去最大を更新したのに対し、輸出は2236.33億ドルで前月比+8.1%。コロナショック直後の2020年6月(+8.7%)以来、1年4ヵ月ぶりの急増となって過去最大。2018年5月以来、3年5ヵ月ぶりに過去最大を更新した輸出の急増が貿易赤字急縮小に貢献。
国別のモノの貿易では、対中国への輸出が166.35億ドルとなって過去最大、前月比+52.5%の急増。輸入も480.32億ドルで前月比+1.3%、3年ぶり高水準。対中貿易赤字は313.97億ドルとなり、2年10ヵ月ぶり高水準となっていた9月から14%の急縮小。
対ドイツの輸出も61.1億ドルで前月比+12.5%の急増、1年7ヵ月ぶりの高水準。対日本への輸出は70.08億ドルで前月比+18.3%の急増、過去最大。対メキシコへの輸出は244.73億ドルで前月比+7.4%、3年ぶり高水準。
なお、中国税関総署がこの日発表した11月の中国の輸出入額も、ドル建てでは過去最大となったようです。
足下では米中対立ムード激化も懸念される状況下、年末商戦に向けては米中貿易も活発化し、経済回復基調をサポートする重要な貿易相手国同士であることに変わりはありません。
7日のNY金相場は+5.2ドル、0.29%の反発。時間外の1780ドルを挟んでの小幅保ち合いから、NY朝には一時1770ドル台前半まで下げて午後には1790ドル付近まで上昇。オミクロン株リスク後退に伴う株高の勢いが増すリスク選好の流れのなかでも、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクへの警戒感もサポート要因となった可能性。それでも90-200日移動平均線(1790.3-1791.6)のダブル・レジスタンスにしっかり蓋をされる状態。陰線と陽線が交互に並ぶくじら幕状態にもなり、1760ドルから1790ドルまでのレンジを維持しての保ち合い相場が継続。週末の米11月CPIや次週FOMC通過までは大きな流れとはなり難そうな状況にも。ただし、行き過ぎたインフレ高騰を嫌気する展開となればインフレヘッジの金買いの勢い再燃でレンジ上抜けへも、その場合の短期上値目標は1810ドル前後まで。逆の展開でレンジ下抜けの場合には9月末安値圏トライ、1730ドル前後までが下値目安に。
NYプラチナは+13.6ドル、1.45%の続伸。11月29日(964.5)以来1週間ぶり高値水準での一段高。930ドル台での小幅保ち合いからスタートした時間外は、ロンドン時間から株高の流れにも追随する形で堅調推移。940ドルの節目をあっさり上抜けるとNY朝にかけて956ドルまで上昇、NY引けにかけても950ドル近辺を維持しての小幅保ち合い推移。940ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標960ドル近辺には少し届かなかったものの、このタイミングでの急接近で一服感も。重要イベント通過後に金に追随する展開となった場合、上方向への次の節目は980ドル、これを上抜けることになれば90日移動平均線(1002.5)上抜けと大台再トライへ。920ドルのサポート割れの場合には9月安値890ドル台再トライへ。
ドル円は5銭程のドル高円安、0.04%の小幅続伸。11月25日(115.35)以来の高値水準に。東京時間にはリスク選好の株高の流れに追随、円安の勢いが強まった午後には113円70銭台まで上昇。欧州時間とNY朝、午後の上値トライでも113円70銭台では失速し、113円50銭近辺から70銭台までのレンジで保ち合い推移。オミクロン・リスク緩和によるリスク選好ムードとロシア・ウクライナ情勢への警戒感なども交錯するなか、最重要テーマとなっているインフレ動向とFOMCでの政策動向睨みで動き難い状況にも。方向感としては下方圧力が残るなかでも113円20銭の節目上抜けに伴う短期上値目標114円台半ばを目指す流れが進行し始めたところでの一服、という状態にも。下方向には112円80銭の節目を割れると下値再トライとなって111円台前半までが下値目標に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/7終値とチャート
8日の国内金価格は+11円、0.15%高で3日続伸。11月30日(7153)以来1週間ぶり高値圏での推移。下落基調が続く9日移動平均線(7115)を上抜け、短期的な地合い回復に向けての第一関門を突破。次に回復すべき水準としては11月高値(7483)から12月安値(7036)までの23.6%戻し(7141)。ゆるやかな上昇軌道を維持してサポートラインを形成する90日移動平均線(7033)を割れると下値トライ再開、短期下値目安は6960円近辺まで。
プラチナ価格は+46円、1.23%高で3日続伸。11月30日(3876)以来1週間ぶり高値圏で若干の加速、急降下してきた9日移動平均線(3802)がようやく射程圏内に。これを超えると11月高値(4320)から12月安値(3717)までの23.6%戻し(3859)が次の目標、さらには38.2%戻し(3947)から90日移動平均線(3939)、3940円近辺が短中期トレンド回復に向けての重要水準に。
※参考:
金プラチナ国内価格12/8とチャート
2021年12月08日(水)時点の相場
国内金:7,119 円 12/8(水)
▲11(
0.15%)
国内プラチナ:3,795 円 12/8(水)
▲46(
1.23%)
NY金:1,784.7 ドル 12/7(火)
▲5.2(
0.29%)
NYプラチナ:950.0 ドル 12/7(火)
▲13.6(
1.45%)
ドル円:113.55 円 12/7(火)
▲0.05(
0.04%)
12/7(火)のその他主要マーケット指標
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