失業保険申請件数は52年ぶり低水準、4週移動平均も100%回復
更新日:2021年12月10日(金)
米国の失業保険申請件数は、トレンドを示す4週移動平均でもコロナ前の水準22万件まで、100%回復を達成。
12月4日までの週の新規失業保険申請件数は市場予想の22.0万件程度を大幅に下回る18.4万件。季節調整による影響もあったようですが、前週からは-4.3万件の大幅減、2週前の19.4万件も下回り、1969年9月6日までの週(18.2)以来、52年3ヵ月ぶりの低水準。
4週移動平均では21.875万件。2020年3月7日までの週(21.525)以来、1年9ヵ月ぶり低水準となり、3月14日までの週(22.55)を下回り、コロナ前100%回復の目安水準としていた22万件を下回ったことで100%回復。想定以上の早期達成。
11月27日までの週の失業保険継続受給者数は199.2万人となり、コロナ後最少となった前週(195.4)からは3.8万人の増加。4週移動平均では202.75万人となり、コロナ前の水準170万件と比較すると、残りは32.75万人。
4週移動平均の前週比10週平均では-7.72万人となり、足下ではやや加速。このペースが続いた場合のコロナ前100%到達までの所要期間は4.2週、ほぼ1ヵ月。大崩れしなければ、年明け早々、遅くとも1月から2月までには、失業保険継続受給者数もコロナ前の水準170万人に100%回復見込みとなりそうです。
ここから先は、スタグフレーション懸念などが高まり、新規失業保険申請件数も含めて「底打ちしない」ことが重要となります。
9日のNY金相場は-8.8ドル、0.49%安で3日ぶりの反落。12月2日(1762.7)以来、1週間ぶりの安値。保ち合い上限1790ドルを前日一時的に上回ったのが今週高値となり、この日は小幅に軟調推移。アジア時間からロンドン時間にかけて1788ドル台で何度も上値を押さえられると、90日移動平均線(1789.5)にはかすりもせずに失速。NY市場にかけてはドル高優勢の流れに押されて1770ドル台半ばまで下落。新規失業保険申請件数の想定外の好結果もあり、自律反発も限定的となってNY引けにかけても1770ドル台半ばで小康状態に。1日当たりの変動値幅は今週ここまで4日連続で12-16ドル、今年の平均25.6ドルの5-6割程度の小動きが継続。1760ドルから1790ドルまでの保ち合いレンジ半ばに位置し、重要イベント通過後に新たなトレンド形成へと向かう可能性も漂う状況にも。まずはその注目度が最近では雇用統計並かそれ以上との見方もある消費者物価。保ち合いレンジ上抜けなら短期上値目標は1820ドル台、下限割れの場合の下値目安は9月末安値圏、1730ドル前後まで。
NYプラチナは-18.2ドル、1.9%安で4日ぶりの反落。940ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標960ドル近辺にしっかり到達した前日高値で短期的にはピークアウトした格好。アジア時間での955ドルまでがこの日の高値となり、ロンドン時間からは金の軟調推移にも連れて水準を切り下げるとNY市場では930ドル付近まで下落。NY引け後には一時930ドル割れを試しながらも下げ渋り、920ドルの下値サポート付近では底堅さも確認して930ドル台半ばへと反発の兆しも。920ドルから960ドルまでの保ち合いレンジを形成し、あらためて上抜け成功なら980ドル付近までが短期上値目標に、下限を割り込むようだと今年安値890ドル近辺再トライへ。
ドル円は24銭のドル安円高、0.21%安で4日ぶりの反落。3日続伸後の東京時間朝には113円70銭近辺から80銭台まで小幅に上昇、上値トライへの勢いは前日高値に及ばず失速。東京午後からNY時間にかけては米10年債利回りが1.52%台から1.5%割れへと低下した流れにも追随する形で軟調推移。格付け会社フィッチ・レーティングスによる中国恒大集団の部分的デフォルト(RD)認定もあり、株安の流れにも同調して一時113円20銭台まで下落。ただし米新規失業保険申請件数の好結果を受けて下げ渋るとNY午後には113円60銭台まで反発。しかし重要イベントを前に上値も重く、今朝の東京市場でも113円40銭近辺での揉み合い状態に。上値が重い状態ながら、適度なインフレと早期利上げ観測台頭を原動力に、短期的な流れは114円台半ばを目標に上値トライ継続へ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/9終値とチャート
10日の国内金価格は-47円、0.66%安となって5日ぶりの反落。週初の6日(7082)以来4日ぶり安値となり、今週の上昇幅はほぼ半減。11月高値(7483)から12月安値(7036)までの23.6%戻し(7141)を達成したことによる一服感もあり、ドル高一服と円高傾向、NY金も保ち合いが続く状態からはサポート力には欠ける状態。今晩の米11月CPIを経て次週FOMC通過までが今年最後のビッグイベントにもなり、年末年始に向けての方向感も醸成される可能性。7030円台から7140円台までの保ち合いレンジを形成した状態で重要ウィーク入り。レンジ上抜けなら10月高値7210円台辺りまでが短期上値目標に、下限を割れると7000円の大台割れへ、短期下値目安は6960円程度まで。
週間ベースでは+59円、0.84%高で3週ぶりの反発。
プラチナ価格は-81円、2.11%の大幅安となって5日ぶりの反落。下落基調の9日移動平均線(3768)上抜けもわずか1日と短命に終わり、地合い回復に向けた流れも再び後退。12月安値(3717)更新へと向かうようだと一段安へ。短期下値目安は浅めにとどまれば3670円程度まで、NYプラチナが今年安値トライとなった場合には3600円の大台付近までが意識される可能性も。意外と切り返す展開となって3830円台の節目を上抜けると3900円の大台回復トライへ。
週間ベースでは+34円、0.91%高で4週ぶりの反発。
※参考:
金プラチナ国内価格12/10とチャート
2021年12月10日(金)時点の相場
国内金:7,095 円 12/10(金)
▼47(
0.66%)
国内プラチナ:3,751 円 12/10(金)
▼81(
2.11%)
NY金:1,776.7 ドル 12/9(木)
▼8.8(
0.49%)
NYプラチナ:937.7 ドル 12/9(木)
▼18.2(
1.90%)
ドル円:113.45 円 12/9(木)
▼0.24(
0.21%)
12/9(木)のその他主要マーケット指標
米CPIは39年ぶり高水準も想定内でドル安金高 12/11(土)米求人件数は過去2番めの高水準、7ヵ月連続前年比1.6倍超 12/09(木)輸出入は過去最大、米貿易赤字は過去最大から急縮小 12/08(水)世界のインフレ高騰を牽引、米11月CPIはさらに上昇? 12/07(火)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン