ユーロ圏6月製造業PMIは1年10ヵ月ぶり低水準、全8カ国が低下
更新日:2022年07月02日(土)
ユーロ圏の6月製造業PMIは52.1。速報値の52.0からわずかに上方修正されたものの、5月からは-2.5ポイントの急低下で5ヵ月続落。コロナ後のピークとなった昨年6月(63.4)から下落基調が1年続いて11.3ポイント低下。2020年8月(51.7)以来、1年10ヵ月ぶりの低水準。
生産がコロナ後初めて減少に転じ、2年ぶりの低水準に。インフレ圧力は若干緩和も依然高水準で需要を抑制、今後の見通しも悪化している様子。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2022年6月>
1:オランダ=55.9=前月比-1.9の続落で1年7ヵ月ぶり低水準。4ヵ月連続60割れ、節目50超は23ヵ月連続。2月から1-3-1-1-1位。
2:アイルランド=53.1=前月比-3.3で3ヵ月続落、1年4ヵ月ぶり低水準。25ヵ月連続50超。2月から5-1-2-3-2位。
3:スペイン=52.6=前月比-1.2の反落で1年5ヵ月ぶり低水準。17ヵ月連続50超。2月から8-8-8-6-3位。
4:ドイツ=52.0=前月比-2.8の反落で1年11ヵ月ぶり低水準。24ヵ月連続50超。2月から2-4-6-4-4位。
5:フランス=51.4=前月比-3.2の続落で1年半ぶり低水準。19ヵ月連続50超。2月から7-6-4-5-5位。
6:オーストリア=51.2=前月比-5.4で3ヵ月続落、1年10ヵ月ぶり低水準。50超は24ヵ月連続。2月から3-2-3-2-6位。
7:ギリシャ=51.1=前月比-2.7の続落で1年4ヵ月ぶり低水準。16ヵ月連続50超。2月から6-7-5-7-7位。
8:イタリア=50.9=前月比-1.0で4ヵ月続落、2年ぶり低水準。50超は24ヵ月連続。2月から4-5-7-8-8位。
調査対象全8カ国が前月から低下。(※5月は2カ国上昇)下位グループ常連のスペインが3位に浮上、代わって急減速のオーストリアが下位グループへ転落。
下落幅最小は最下位イタリアの-1.0、最大はオーストリアの-5.4、50台後半は1位オランダのみ。全体の低下基調は続き、複数の国で節目50割れが警戒される水準に。
1日のNY金相場は-5.8ドル、0.32%安となって5日続落。5日続落は4月末以来で今年2度め。水準としては2月1日(1801.5)以来、5ヵ月ぶりの安値。米国の景気減速への警戒感などから米10年債利回りが1ヵ月ぶり低水準となる2.9%割れへと低下し、NY午前には一時2.8%割れとなるなか、リスク回避的なドル高の流れも進行。これに連れて下値サポートととなっていた1810ドルの節目を前日に割り込んだNY金は軟調推移、アジア時間に1800ドルの大台を割れるとNY朝には1790ドル割れ、一時今年最安値をつけた1月28日(1780.6)以来の安値となる1783.4ドルまで下落。5月安値(1785.0)をわずかに下回り、短期下値目安1780ドル近辺に到達。一服感からの自律反発後には6月ISM製造業景況指数の下振れもあり、ドル安へと反転した流れにも連れて1810ドル近辺まで一段高。NY引け後には1810ドルの節目を上抜けて3連休入り。日足レベルでは下ヒゲで1800ドルを割れて1780ドル近辺までの安値でダブルボトム形成トライにも成功した格好。短期的には1780ドル近辺の下値目安再トライの可能性も残しながら、1810ドル以上を維持できるようなら反発基調へも。上方向へは9日移動平均線(1823.3)上抜けがトレンド好転への第一歩。
週間ベースでは-28.8ドル、1.57%安で3週続落。3週続落は5月に続いて今年2度め。
NYプラチナは-24.0ドル、2.68%の続落で2020年11月11日(868.1)以来、1年8ヵ月ぶりの安値。前日NY引け後の890ドル割れから、この日の時間外序盤には890ドルが上限となって戻り売り、900ドルの大台割れに伴う短期下値目安880ドル近辺では若干の下げ渋りも、ロンドン時間にこれを割り込むと一段安、NY朝には2020年11月9日安値(849.2)以来となる850ドル近辺まで下落。その後はNY金の反発にも追随、NY午後には870ドル台を回復も、NY引け後には短期下値目安880ドル近辺で上値を押さえられる格好にも。短期的には下値目安到達後のオーバーランから下ヒゲを残す形で一服感も、中期的な下値サポート900ドル近辺を下抜けた状態を脱しない限りはさらなる下値トライへの警戒感も。行き過ぎ警戒水準としては2020年6月安値(790.5)圏、800ドル近辺も。
週間ベースでは-32.4ドル、3.59%安で4週続落。4週続落は4月以来で今年2度め。
ドル円は47銭のドル安円高、0.35%の続落。東京朝に136円付近まで上昇して戻り売り、この日も東京朝が高値となって調整局面継続へ。それでも東京午後に134円70銭台まで下げてこの日の安値をつけると欧州・NY時間にかけてはレンジを縮小する形での保合い推移。ロンドン序盤の反発局面では135円60銭台まで、NY市場でISM製造業景況指数の下振れを受けて急落した場面でも134円80銭近辺まで。NY終盤には135円20銭近辺に収束。5日移動平均線(135.85)に上値を押さえられる形となった一方で下値は20日移動平均線(134.79)に下値を支えられた状態。5月安値(126.36)から6月高値(137.00)までの23.6%戻し(134.49)付近まで下げて調整一服となる可能性も、もう一段の調整進行なら38.2%戻し(132.94)近辺が目安にも。
週間ベースではわずかに+8銭、0.06%の小幅高となって5週続伸。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/1終値とチャート
2022年07月02日(土)時点の相場
国内金:8,638 円 7/1(金)
▼102(
1.17%)
国内プラチナ:4,300 円 7/1(金)
▼131(
2.96%)
NY金:1,801.5 ドル 7/1(金)
▼5.8(
0.32%)
NYプラチナ:871.3 ドル 7/1(金)
▼24.0(
2.68%)
ドル円:135.27 円 7/1(金)
▼0.47(
0.35%)
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