輸出大国も今は昔?貿易黒字急減のドイツ、5月は赤字転換
更新日:2022年07月05日(火)
輸出大国ドイツは2021年から貿易黒字が急減、2022年5月は遂に貿易赤字に転換。
ドイツ連邦統計局が発表した5月の輸出額は1258億ユーロ、輸入は1267億ユーロ。貿易収支は-10億ユーロ。月間ベースでの赤字は1991年6月以来、30年11ヵ月ぶり。
年間輸出額では2010年から2021年まで12年連続で世界第3位(中・米・独)、20009年は世界2位、(中・独・米)、2008年以前(2003年以降の6年間)は世界1位。輸出大国ドイツは年間貿易収支でも1990年以降貿易黒字が続き、黒字幅は年々拡大してきました。
世界金融危機となった2008-2009年には輸出入ともに減少、貿易黒字も縮小、それでも2013年にかけて輸出入額も過去最高、貿易黒字も過去最高を更新し、拡大基調を回復。2020年のコロナショックで再び落ち込みましたが、2021年には輸出入額は過去最高へと切り返し。ただし、貿易黒字は2021年通年でも2020年を若干下回り、2016年をピークに黒字縮小傾向が続きます。
月間ベースでは、5月の輸出は過去最高となった4月から-0.5%と小幅減となったのに対し、輸入は前月比+2.7%となって4ヵ月連続の増加で過去最高も4ヵ月連続で更新。前年比では輸出が11.7%増に対して輸入は27.8%増。
このうちロシアへの輸出は2月から3月に60%減、4月には9.9%減、5月は29.4%増で10億ユーロに。5月のロシアからの輸入は前月比9.8%減、前年比54.6%減。それでも33億ユーロ。
対EU加盟国では675億ユーロの輸出(前月比-2.8%)に対して輸入は618億ユーロ(+1.6%)。
EU圏外への輸出は583億ユーロ(前月比+2.3%)に対して輸入は650億ユーロ(+2.9%)。
自動車の部品不足、供給問題、エネルギーや穀物・食品不足と価格高騰、中国での需要減など、ドイツのみならず世界的に影響をもたらす昨今の世界情勢により、世界の貿易事情にも変化の時が訪れているようです。
週明け4日は米独立記念日の祝日でNY市場が休場。時間外のNY金は1815ドル近辺の高値からロンドン時間につけた安値は1805ドル近辺まで、今朝の時間外では1810ドル付近。NYプラチナは880ドル手前から870ドル割れまでの小幅レンジで揉み合い、今朝時点では870ドル台後半へ。
ドル円は43銭のドル高円安、0.32%高で3日ぶりの反発。東京朝には135円20銭台から135円割れ、一時134円70銭台まで下げて先週末安値付近で切り返し。東京市場終盤にかけて135円50銭台まで反発すると欧州時間は135円20銭台までのレンジで揉み合いとなり、NY午前の時間帯には135円70銭台まで上昇。閑散状態のNY午後の時間帯を135円70銭付近での小康状態で通過すると今朝の東京市場では136円台へ。2営業日連続で135円割れでは下ヒゲを残して下げ渋り、上昇軌道の20日移動平均線(134.98)にも下値を支えられ、上値はゆるやかに上昇する5日移動平均線(135.90)に押さえられる状態に。引き続き134円90銭から136円60銭までのレンジで保合い推移継続。5日線を上抜けると上値トライへも、本格的な動き出しは次週米6月CPIの結果待ちにも。いずれ上限突破となれば高値更新再トライの流れとなって138円台後半辺りまでが短期上値目標に。逆に下限割れの場合には調整局面拡大へ、5月安値(126.36)から6月高値(137.00)までの38.2%戻し(132.94)近辺が短期下値目安に。
5日の国内金価格は+49円、0.57%高で3日ぶりの反発。8650円台の節目割れに伴う短期下値目安8600円割れを達成し、短期的には下値トライ一服となっての自律反発。調整一服となったドル円の反発にも支えられ、6月上旬から月末までの高値保合いレンジ8600円台後半から8700円台前半までの下限付近に。目先はこの高値保合いレンジ付近を維持しながら8740円の節目トライへのチャンスをうかがう展開にも。8740円超へと抜け出すことができれば上値トライ再開へ、8820円辺りまでが短期上値目標に。逆に8590円割れへと向かえば下値再トライ、8500円台前半へと水準を切り下げる展開にも。
プラチナ価格は+11円、0.26%高で3日ぶりの反発。しかし大幅続落後の戻りとしては極めて限定的に留まり、4310円の節目割れに伴う短期下値目安4200円近辺を目指す流れは変わらず、わずかに下げ止まりの可能性も示した程度。引き続き4200円近辺までの下値余地を残す状態。水平状態からわずかに下降し始めた90日移動平均線(4328)を9日移動平均線(4324)が下抜け、下押し圧力が強まり始める状態にも。21日移動平均線(4418)が90日線を下抜ける前に下値トライ一服となって切り返したいところ。これに失敗するようだと一段安への警戒感、4月安値圏4100円近辺が意識される可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格7/5とチャート
2022年07月05日(火)時点の相場
国内金:8,643 円 7/5(火)
▲49(
0.57%)
国内プラチナ:4,229 円 7/5(火)
▲11(
0.26%)
NY金:1,801.5 ドル 7/1(金)
▼5.8(
0.32%)
NYプラチナ:871.3 ドル 7/1(金)
▼24.0(
2.68%)
ドル円:135.70 円 7/1(金)
▲0.43(
0.32%)
7/1(金)のその他主要マーケット指標
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