フィラデルフィア連銀は予想外に2年ぶり低水準から急反発
更新日:2022年08月19日(金)
週初の8月NY連銀製造業景況指数が予想外に低調となっていたこともあり、この日のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も下振れを警戒するような値動きは徒労に終わり、結果は想定外の好結果。
8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は6.2。市場予想の-5.0を大幅に上回って4ヵ月ぶりの高水準。2年2ヵ月ぶり低水準となった7月の-12.3からは18.5ポイントの急反発、昨年1月(+19.0)以来1年7ヵ月ぶりの急上昇。
構成指数では、新規受注が-5.1となり、依然縮小傾向を示すマイナス圏での低調ながら、2年2ヵ月ぶり低水準となった7月(-24.8)から19.7ポイントの急反発。
期待指数は-10.6でこれもマイナス圏ながら、42年7ヵ月ぶり低水準となった7月(-18.6)からは急反発。新規受注見通しも-8.3、42年10ヵ月ぶり低水準となった7月(-12.4)からは反発。
また、仕入価格指数は43.6となって1年8ヵ月ぶり低水準。販売価格指数は23.3で1年半ぶりの低水準。
直近のピークは、仕入価格が4月(84.6)で、1979年6月(85.4)以来、42年10ヵ月ぶりの高水準。販売価格は昨年11月(62.9)で、1974年6月(63.4)以来、47年5ヵ月ぶりの高水準。
いずれもピークアウト後に、急速な低下基調が進行。
NY連銀でも価格指数がピークアウトしながらも高水準を維持、インフレ高止まり状態が需要急減につながった可能性に対し、フィラデルフィア連銀ではインフレが急速に緩和し、落ち込んでいた需要の急回復の兆しにつながった可能性も。
インフレ緩和状況の微妙な違いが、低調、好調の差となって表れた可能性もありそうです。
18日のNY金相場は-5.5ドル、0.31%安で4日続落となり、7月28日(1769.2)以来、3週間ぶり安値水準に。短期下値目安1780ドル近辺到達後は、上昇軌道の20日移動平均線(1778.8)を挟んでの小幅揉み合いとなった時間外序盤を経て、ロンドン市場ではユーロドルの上昇にも連れて1780ドル台半ばまで上昇。しかし1780ドル近辺が抵抗水準へと切り替わる形となってNY市場では戻り売りの展開、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が想定外の好結果となったことをきっかけにドル高の流れが急速に強まったことにも押され、NY午後には一時1770ドル割れ。複数のFRB高官によるタカ派発言もあり、ドル高圧力再燃となってNY金は調整一服も束の間、徐々に下押し圧力再燃。多少の反発に向けては1780ドル近辺を超えられるかどうかがポイントにも、下方向への行き過ぎ警戒水準は7月前半の安値保ち合い水準1730ドル近辺まで。
NYプラチナは-14.4ドル、1.57%安で4日続落。8月3日(888.5)以来、2週間ぶり安値圏での一段安。ほぼ1ヵ月ぶりに20日移動平均線(910.7)も割り込み、930ドルの節目割れに伴う短期下値目安900ドルの大台付近にも到達。時間外には920ドル近辺からロンドン市場で910ドル付近まで下げて930ドル手前まで反発、NY市場にかけては金にも連れる形で戻り売り、NY午後には910ドル割れ。NY引け後にもジリ安状態で900ドルの大台ラインへと接近中。8月前半までのやや一方的な上昇局面で高騰した過熱感も急速に低下し、ほぼニュートラル状態まで戻して一服感も。しかし一段安リスクも抱えるNY金に追随する展開となった場合には880ドル近辺が次の下値サポート候補。これを維持できない場合には逆三尊を形成した7月安値の両肩水準830ドル近辺までが行き過ぎ警戒水潤にも。
ドル円は80銭のドル高円安、0.59%高で3日続伸。7月27日(136.61)以来、3週間ぶり高値水準に。東京朝に134円70銭台まで下押し後は反発、米10年債利回り上昇とドル高の流れに連れ、東京市場終了後には前日高値付近、135円40銭台まで上昇。欧州序盤の小動きからNY朝にかけては134円60銭台まで軟調推移、先日のNY連銀製造業景況指数が予想外に下振れたことから、この日のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も下振れ?警戒感も重石となったような展開は、その指標結果で切り返し。予想外の好結果に135円台へと急反発後も堅調推移、NY午後にはセントルイス連銀ブラード総裁の「9月会合で0.75%利上げを支持」発言などもあり、135円80銭台まで急騰するとその後もFRB高官のタカ派発言などで高止まり。今朝の東京市場では136円台へと一段高。135円20銭の節目を上抜けたことで上値トライ再開の様相へ、まずは137円回復が短期目標に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/18終値とチャート
19日の国内金価格は+35円、0.42%の反発。週初の15日(8432)以来の水準となって16日の急落からの戻り基調を持続、今週は下へ行って来いの展開に。21日移動平均線(8334)で下値を支えられ、しかし上値も9日移動平均線(6415)を超えられず、ここまでの反発にはやや力不足の感も。それでも8390円の節目を上抜けたことで短期的には一段高への可能性も高まる状況にも。ドル高円安再加速にサポートされる展開となれば90日移動平均線(8479)を上抜けて8500円付近までが上値目標に。ただし8370円の節目を割れると巻戻し、7月末安値圏8250円近辺までが下値目安に。
週間ベースでは+34円、0.41%の反発。
プラチナ価格は-42円、0.97%の続落。今年2月以降の中期保ち合いレンジ上半分トライに失敗後の軟調推移となり、反発への勢いも大きく後退。6月高値から7月安値の38.2%戻し(4304)を割り込み、2週間ぶりに90日移動平均線(4302)も下抜け。4300円の節目割れに伴う短期下値目安は21日移動平均線(4249)も推移する4250円程度まで。
週間ベースでは-128円、2.89%安となって5週ぶりの反落。4月以来、4ヵ月ぶりの大幅安。
※参考:
金プラチナ国内価格8/19とチャート
2022年08月19日(金)時点の相場
国内金:8,409 円 8/19(金)
▲35(
0.42%)
国内プラチナ:4,299 円 8/19(金)
▼42(
0.97%)
NY金:1,771.2 ドル 8/18(木)
▼5.5(
0.31%)
NYプラチナ:904.9 ドル 8/18(木)
▼14.4(
1.57%)
ドル円:135.88 円 8/18(木)
▲0.80(
0.59%)
8/18(木)のその他主要マーケット指標
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