混沌の9月末、国内金価格の重要なサポート水準
更新日:2022年09月26日(月)
イタリア総選挙では「右派連合が過半数」獲得見通しで初の女性首相誕生の可能性が高まり、英国では3人目の女性首相、トラス新政権の無謀な大幅減税に市場が動揺、英ポンドは対ドルで37年ぶり安値をつけ、「インフレ対策に失敗」した可能性も高まる状況となり、「動員反対デモ」が続くロシアではウクライナ東南部4地域の住民投票から併合へ、クリミア大作戦が繰り返される事態への警戒感も高まる状況となった9月最後の週末。
インフレ退治断行へと米FRBが大幅利上げ継続姿勢を見せ、ドル高株安地合いが続くなか、国内では日銀が辛抱強くデフレ対策を継続する一方で政府・日銀による円買い介入再トライへの警戒感も、「ここまで」は円安圧力緩和に成功した状態のようにも見える9月末の週明け。
3連休明け、26日の国内金価格は円買い介入直前の木曜朝から-138円、1.64%の大幅反落。下げ幅としては今年の絶対値平均55円の2.5倍、今年9番めの急落。水準としては8月3日(8264)以来、1ヵ月半ぶりの安値。FRBのタカ派姿勢に来年以降の早期緩和期待後退による軟調推移のNY金は週明け時間外も1650ドル割れへ、円買い介入によって瞬間的には一定の調整をこなして戻り基調のドル円は週末の143円30銭から週明け東京市場朝には一時144円トライ。円安サポート剥落によって一時的には下げ過ぎのようにも見える国内金価格はほぼ水平状態の90日移動平均線(8448)上抜けトライに2回連続失敗後に急落。保合い下限8400円を割れに伴う短期下値目安8320円近辺到達でも下げ止まり切れず、勢い余って8300円割れ。短期的には下値トライ一服となる可能性が高そうに見える状況ながら、急変動を理由とする介入への警戒感が結果的にボラ高騰を招く為替の不安定感がそのまま国内金価格の不安定要因にも。
足下の急落で日足・一目均衡表では三役逆転の弱気相場入り。週足では二役逆転。現時点では7700円近辺で推移する雲の上限は11月には8200円台へと急上昇。上昇基調の52週移動平均線(7944)も追髄しそうな状況にあり、1月安値から4月高値の38.2%戻し(8243)近辺は強めのサポートとなる可能性も。と同時にこの水準を11月まで維持できない場合には一段安への警戒感も高まり、5月と8月安値8170円前後で形成するダブルボトムとの攻防へも。
プラチナ価格は-191円、4.23%の大幅続落。下げ幅としては今年の絶対値平均55円の3.5倍、3月10日(-302円、6.46%)以来半年ぶりで今年2番めの急落。水準としては9月7日(4230)以来、20日ぶりの安値。NYプラチナは急落となった週末の850ドル近辺から週明け時間外には860ドルへと反発を試す動きも。2021年2月高値(4798)、もしくは2013年2月高値(5445)を起点とする中長期三角保合い上限ライン付近で上値を押さえられての急反落で、4470円の節目割れに伴う短期下値目安4380円程度に到達してさらに一段安。9月安値(4052)から高値(4603)の半値戻し(4328)も達成。ほぼ水平状態の90日移動平均線(4301)までで下げ止まれない場合には61.8%戻し(4262)も視野に。
日足・一目均衡表では雲の下限(4289)に唯一サポートされて二役逆転で踏みとどまる状態。週足では基準線(4367)を下回る転換線(4328)をわずかに下抜けて一役逆転、二役は好転状態を維持。2020年3月安値を起点とする中長期下値サポートライン付近にも位置し、その2020年3月安値から2021年2月高値の23.6%戻し(4237)近辺が当面の重要なサポート水準にも。
※参考:
金プラチナ国内価格9/26とチャート
2022年09月26日(月)時点の相場
国内金:8,294 円 9/26(月)
▼138(
1.64%)
国内プラチナ:4,327 円 9/26(月)
▼191(
4.23%)
NY金:1,655.6 ドル 9/23(金)
▼25.5(
1.52%)
NYプラチナ:858.7 ドル 9/23(金)
▼47.3(
5.22%)
ドル円:143.35 円 9/23(金)
▲0.96(
0.67%)
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