ユーロ圏製造業PMI縮小基調16ヵ月連続、拡大はギリシャだけ
更新日:2023年11月03日(金)
ユーロ圏製造業PMIがコロナからの回復後、初めて拡大と縮小の節目50を割り込んだのが2022年7月。1年後の今年7月には3年2ヵ月ぶりの低水準、コロナ後最低となる42.7まで低下。これが大底となって回復基調へ、と思いきや反発は限定的となり、10月も43.1。コロナ後の最低こそ上回るものの、続落となってコロナ後2番めの低水準。ユーロ圏での製造業の経済活動縮小基調となる節目50割れでのでの推移は16ヵ月連続。しかも節目水準には程遠く、そこまでの道筋すら見通せないような状況にも。
新規受注の落ち込みは厳しく、需要低迷の泥沼状態が続いているようです。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2023年10月>
1:ギリシャ:50.8=前月比+0.5、3ヵ月ぶりの反発で節目50割れを回避、2ヵ月ぶり高水準。9ヵ月連続節目50超。5月から1-1-1-1-1-1位。
2:アイルランド:48.2=-1.4の続落で3ヵ月ぶり低水準。2ヵ月連続50割れ。3-3-3-2-2-2位。
3:スペイン:45.1=-2.6の反落で1年ぶり低水準。7ヵ月連続50割れ。2-2-2-3-3-3位。
4:イタリア:44.9=前月から-1.9、4ヵ月ぶりの反落で3ヵ月ぶり低水準。7ヵ月連続50割れ。4-6-6-6-4-4位。
5:オランダ:43.8=3年4ヵ月ぶり低水準の9月から+0.2の小反発。14ヵ月連続50割れ。6-5-4-5-6-5位。
6:フランス:42.8=-1.4の続落で3年5ヵ月ぶり低水準。9ヵ月連続50割れ。5-4-5-4-5-6位。
7:オーストリア:41.7=+2.1の反発で6ヵ月ぶり高水準。2ヵ月ぶり40超、15ヵ月連続50割れ。8-8-8-7-7-7位。
8:ドイツ:40.8=3年2ヵ月ぶり低水準の7月から3ヵ月続伸、前月から+1.2で5ヵ月ぶり高水準。4ヵ月ぶり40超、16ヵ月連続50割れ。7-7-7-8-8-8位。
拡大基調となる節目50超となったのは2ヵ月連続でギリシャのみ。
そのギリシャも9月には50.3まで低下し、節目割れ寸前の状態から10月に小反発、と綱渡り。
9月から上昇したのはギリシャ以外ではオランダ、オーストリア、ドイツ。8ヵ国中4ヵ国が上昇もほぼ下位グループ。ギリシャ以外の上位グループ、アイルランド、スペイン、イタリアとフランスはいずれも低下し、ユーロ圏の回復基調失速を牽引。
2日のNY金は+6.0ドル、0.3%高で3日ぶりの反発。FOMC後の反発の流れはアジア時間の1990ドル台前半での小幅揉み合い推移を挟み、ロンドン・NY朝にかけて小幅に上昇。米7-9月期単位労働コストが3四半期ぶりのマイナス圏となり、ドル安の流れが強まった場面では2000ドル付近まで上昇。わずかに大台に届かず失速すると、巻き戻しの流れで1980ドル台半ばまで反落。ただしこの流れも続かずNY午後には1990ドル台前半に戻して小康状態に。十字線に近い足型を形成したこの日の変動値幅は12.9ドル、今年の平均24.7ドルの半分程にとどまる小動き。引き続き1980ドルから2010ドルまでの高値保合いレンジを維持して雇用統計待ちへ。ネガティブな結果となれば上抜けトライへ、上抜けると2030ドル台辺りまでを目指す流れに。予想外に堅調なら下値トライへ、1980ドル割れなら1950ドル近辺までが調整目安に。
NYプラチナは+0.2ドル、0.02%の小反発。アジア時間の930ドル近辺からロンドン序盤に940ドル台前半まで上昇して失速。950ドルの抵抗水準付近での上値の重さを確認するとNY朝にかけては920ドルまで急反落。すると今度は90日移動平均線(925.0)割れでは下げ渋る格好となり、NY市場では930ドル回復トライ、NY引け後には930ドル台を維持して小康状態に。十字線を形成してほぼ横ばい推移となり、920ドル台での足場固めも進行。これを維持できなければ900ドルの大台ラインが比較的重要なサポート。割れると短期上昇トレンド崩れへ、短期的には880ドル近辺までが下値目安に。上方向にはやや重めの抵抗水準950ドルを超えると一段高トライへ、970ドル付近を目指す流れにも。
ドル円は46銭のドル安円高、0.3%の続落。FOMC後の調整局面が続き、東京朝の150円90銭台が高値となって午前のうちに150円10銭台まで下落。午後には150円半ばへと反発し、欧州時間にかけても150円40銭付近での小幅揉み合い推移。NY市場では単位労働コストの予想外のマイナス圏への落ち込みを受けて賃金・インフレ圧力後退への思惑からドル安の流れが強まって150円割れ、安値では149円80銭台まで下落も20日移動平均線(149.80)にもサポートされて150円台へと反発、NY午後には150円40銭台を中心に小幅揉み合い推移に。雇用統計でもネガティブな結果となって利上げ打ち止めと早期利下げ観測が強まるようだと一段安の展開にも。149円の節目を維持できない場合には調整局面拡大へ、147円付近までが短期下値目安に。想定外にポジティブな結果で切り返す展開となり、151円80銭超へと高値更新の場合には介入警戒感とともに152円台半ばを目指す流れへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/2終値とチャート
2023年11月03日(金)時点の相場
国内金:10,505 円 11/2(木)
▼37(
0.35%)
国内プラチナ:4,866 円 11/2(木)
▼57(
1.16%)
NY金:1,993.5 ドル 11/2(木)
▲6.0(
0.30%)
NYプラチナ:930.6 ドル 11/2(木)
▲0.2(
0.02%)
ドル円:150.48 円 11/2(木)
▼0.46(
0.30%)
11/2(木)のその他主要マーケット指標
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