米9月求人件数は予想外に増加した8月から予想外の大幅減
更新日:2024年10月30日(水)
1ヵ月前、8月分の求人件数は予想外の増加で労働市場の底堅さが意識されたのに対し、今回9月分では予想外の大幅減。
米労働省発表の月次求人労働異動調査(JOLTS:Job Openings and Labor Turnover Survey)によれば、9月の求人件数は744.3万件。市場予想の793.5万件を大幅に下回り、2021年1月(718.5)以来、3年8ヵ月ぶり低水準。
前月比では-5.32%の大幅減となり、8月の1.95%増の2.7倍返し。前年比では-20.03%となり、5ヵ月ぶりの低水準、2年2ヵ月連続前年割れ。
6ヵ月平均では784.57万件となり、2年2ヵ月連続減で3年5ヵ月ぶりの低水準。減少傾向は順調に継続。
ただし過去平均539.7万人を大きく上回り、2019年平均715.4万人にはあと少し。
失業者1人当たりの求人件数、求人倍率は1.089件。8月の1.105件を下回り、3年2ヵ月ぶり低水準となった7月(1.077)に次ぐ低水準、3年4ヵ月で2番めの低水準。
2019年の平均1.193を下回っての推移は4ヵ月連続、低下傾向も継続。
失業者1人当たりの求人件数が1件に満たないことになる、節目の1.0割れも目前。
29日のNY金は+25.2ドル、0.91%高となって4日続伸。5日ぶり、今年45回めの最高値更新。アジア時間に2750ドル台から2760ドル台へと上昇、2760ドルの節目超えでは上値も重くロンドン市場にかけては2760ドル台での保ち合い推移。NY市場では米9月求人件数が予想を下回ったことをきっかけに長期金利低下とドル安の流れが優勢となり、2770ドル台へと上昇。同時刻に発表された10月消費者信頼感指数が予想を上回る好結果となったことで若干の乱高下も、NY午後には2780ドル台へと一段高、高値では2780ドル台後半まで上昇。2760ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2780ドル程度に到達後も勢いが衰えない様子も。週末の雇用統計までの関連指標に一喜一憂しながら次の高値目標として2800ドルの大台を試しに行く可能性も。下方向には2720ドルが当面のサポート。
NYプラチナは+12.5ドル、1.19%高で4日続伸。5月28日(1066.8)以来、5ヵ月ぶりの高値。アジア時間の1040ドル台前半が安値となって堅調推移、前日高値水準、1050ドルの節目を突破して1050ドル台へと水準を切り上げ、ロンドン序盤にかけての保ち合いを経て1060ドルトライ、高値では1060ドル台前半にとどまり、NY市場にかけても1060ドルを挟んでの保ち合い推移。1050ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1060ドル台に到達して一服状態に。目先、米指標結果をトリガに金の一段高に追随する展開となれば1080ドル台が次の目標水準に。当面の下値サポート1020ドル割れの場合には1000ドル近辺まで下値切り下げも。
ドル円は+8銭、0.05%の小幅高で3日続伸。7月29日(154.03)以来、3ヵ月ぶり高値水準で高止まり。東京市場では153円30銭台から軟調推移となって午後には153円割れ、ただし153円割れでは下げ渋り、152円70銭台までの安値で折り返し。欧州時間には反発局面を形成、153円台を回復すると米10年債利回り上昇にも連れてNY朝には153円80銭台まで上昇。これが高値となって失速すると、9月の求人件数が予想以上に減少したことを受けて153円60銭近辺から一時153円割れへと急落。しかし、消費者信頼感指数の好結果もあり153円70銭台まで反発、売り買い交錯状態からNY終盤にかけて153円30銭近辺へと収束。高値では2日連続153円80銭台まで上昇し、152円80銭の節目上抜けに伴う短期上値目標153円台後半に到達。引き続き米指標結果に反応し、上方向には154円半ば辺りまでの一段高も。下方向には151円80銭の節目を割れると150円半ばまでが調整目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/29終値とチャート
30日の国内金価格は+173円、1.17%高で4日続伸。3日連続、今年43回めの過去最高値更新。RSIは98.7%へと急騰、トランプ時代の2020年1月8日(99.6)以来、4年10ヵ月ぶりの過熱水準。当時パラジウムが初めて2000ドルを超え、NY金は10日続伸で1570ドル台、ドル円は108円台で国内金価格も4日続伸で40年ぶりに6000円台に到達した日。現在の金価格は当時の2.5倍!。今年の絶対値平均騰落率0.71%の現状水準換算値幅は106円、平均的な値動きで予想される水準は14860円近辺から15070円近辺まで。
プラチナ価格は+81円、1.47%高で3日続伸。7月11日(5614)以来、3ヵ月半ぶりの高値。RSIは88.0%、5ヵ月ぶりの高水準へと過熱感も急上昇。今年の絶対値平均騰落率1.23%の現状水準換算値幅は69円。平均的な変動値幅なら上方向には5655円、下方向には5517円。反落確率は一段と高まる状況。
金との価格差は9381円、3日連続で過去最大を更新。金価格はプラチナ価格の2.7倍。
※参考:
金プラチナ国内価格10/30とチャート
2024年10月30日(水)時点の相場
国内金:14,967 円 10/30(水)
▲173(
1.17%)
国内プラチナ:5,586 円 10/30(水)
▲81(
1.47%)
NY金:2,781.1 ドル 10/29(火)
▲25.2(
0.91%)
NYプラチナ:1,059.3 ドル 10/29(火)
▲12.5(
1.19%)
ドル円:153.36 円 10/29(火)
▲0.08(
0.05%)
10/29(火)のその他主要マーケット指標
ユーロ圏景況感10月は8ヵ月ぶり低水準、主要上位国が急失速 10/31(木)米主要地区連銀10月の賃金指数は下げ渋り 10/29(火)政治とカネで与党過半数割れ、日本(円)売りで金は最高値 10/28(月)ドイツIFO景況感、サービス業はプラス圏、製造業も下げ止まり 10/26(土)
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