2025年世界経済成長見通しはコロナ禍以来の低成長へ
更新日:2025年04月23日(水)

IMF(国際通貨基金)が22日発表した世界経済見通しによれば、2025年の世界経済成長見通しは+2.8%。前回1月時点の予想3.3%からは-0.5ポイントの下方修正。コロナ禍の2020年以来、5年ぶりの低成長が予想される状況に。
今回の下方修正の震源地、米国の2025年成長見通しは1.8%。前回の2.7%から-0.9ポイントの大幅下方修正。
トランプ関税の影響を受けて主要国の見通しも軒並み下方修正。
ユーロ圏は1月の1.0%から0.8%へ-0.2、ドイツは0.3%から0.0%へ-0.3、日本は1.1%から0.6%へ-0.5、英国は1.6%から1.1%へ-0.5、いずれも下方修正。中国も4.6%から4.0%へ-0.6、インドも6.5%から6.2%へ-0.3ポイントの下方修正。
主要国のなかで下方修正とならなかったのは、戦争特需とトランプ関税除外のロシアが1.4%から1.5%へと0.1ポイントの上方修正となった以外では、唯一スペインが2.3%から2.5%へと0.2ポイントの上方修正。
貿易摩擦の激化と金融市場の調整を背景に、下振れリスクの高まりが経済見通しを支配。今後の状況次第ではさらなる悪化も予想され、IMFでは国際協力関係が縮小する現状を危惧。
なお、この発表と前後してNY金は一時3500ドルの大台を突破、為替は一時1ドル140円割れ。
世界経済見通し引き下げを見越して、リスク回避の流れもセリング・クライマックス、かどうかは定かではないものの、短期的には一服感の様相にも。
景気悪化を懸念したかどうかも定かではないものの、トランプ大統領の強硬姿勢にもやや変化の兆しも。

22日のNY金は-5.9ドル、0.17%の反落。安全資産買いの勢いはアジア時間まで継続、3430ドル近辺から3490ドル台へと一段高となり、高値では一時3510ドル付近まで上昇。史上初の3400ドル超となった翌日に3500ドルの大台も突破して上値トライ一服。ロンドン序盤に3470ドルを割れるとNY朝には3450ドル割れ、NY午後には3420ドル割れ、NY引け後には3400ドルの大台を割り込んで安値では3380ドル割れ。米中緊張緩和期待など、リスク回避の流れが巻き戻し方向へと向かう兆しも見られ、NY金の最高値更新ラッシュも一服となる可能性も。3320ドルが目先の下値サポート、これを割れると3260ドル辺りまでが調整目安に。

NYプラチナは-4.9ドル、0.51%安で3日続落。4月14日(957.5)以来1週間ぶり安値圏で一段安。時間外にはNY金の急騰局面に追随する格好となり、960ドル台から980ドル付近まで上昇。しかし4日連続980ドル前後で上値を押さえられると軟調推移、NY朝にかけては金の反落局面に追随して960ドル台へ、NY引け後には960ドル割れへと一段安。日々抵抗感が強まる980ドルの上限から900ドルまでの主要レンジ内推移が続き、上限付近に位置して下げ渋る状態。20日移動平均線(963.4)近辺を維持できれば上限再トライのチャンスも。突破できれば比較的大幅上昇を試しに行くような展開となる可能性も。

ドル円は+72銭、0.51%高で3日ぶりの反発。東京朝に141円10銭台まで小反発後に戻り売り、トランプ大統領のパウエルFRB議長批判発言などが材料視され、リスク回避の流れは東京市場の時間帯まで継続。午後には140円20銭近辺まで水準を切り下げて東京市場終盤には140円割れトライ、安値では139円90銭割れを試す場面も。昨年9月16日(139.58)以来、7ヵ月ぶり安値付近で下げ渋ると欧州時間には140円半ばへと反発。トランプ大統領の側近や関係者からは中国との緊張緩和を示唆する発言もあり、NY市場ではリスク回避の巻き戻しの流れが進行。米株の大幅高にも連れ、NY午後には141円台を回復し、NY終盤には141円半ばへ。今朝の東京時間にはトランプ大統領のパウエル議長の解任否定発言もあり、一時143円台まで急騰する場面も。140円80銭から142円半ばまでが目先の主要レンジとなり、上限超えなら144円後半辺りまでを目安に一段高トライへ、逆に下限割れなら下値トライ再開で139円近辺までが短期下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/22終値とチャート
23日の国内金価格は-276円、1.62%の大幅安で3日ぶりの反落。前日上げ幅の86%を帳消し、下落率は今年の絶対値平均0.90%の1.8倍、今年6番め、4月では4番めの急落。16600円の大台が目先の下値サポート、これを割り込むようなら一段安トライで16500円割れを試しに行く可能性。切り返す展開となって16990円の最高値更新となった場合には17100円近辺までが短期上値目標に。
プラチナ価格はわずかに-2円、0.04%安で4日続落。4月15日(4771)以来1週間ぶり安値圏で小康状態。4670円から4820円までの主要レンジ内上限付近に位置し、9日移動平均線(4776)と揉み合う形で横ばい推移。目先、しばらくはレンジ内推移優勢の様相も、上値再トライとなって上限突破できれば4900円の大台近辺までが短期上値目標。
※参考:
金プラチナ国内価格4/23とチャート
2025年04月23日(水)時点の相場
国内金:16,714 円 4/23(水)
▼276(
1.62%)
国内プラチナ:4,777 円 4/23(水)
▼2(
0.04%)
NY金:3,419.4 ドル 4/22(火)
▼5.9(
0.17%)
NYプラチナ:962.2 ドル 4/22(火)
▼4.9(
0.51%)
ドル円:141.61 円 4/22(火)
▲0.72(
0.51%)
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