フィラデルフィア連銀の9月は予想外の急回復でドル高支援
更新日:2025年09月19日(金)

予想外の急減速となったNY連銀とは対照的に、フィラデルフィア連銀の製造業9月は予想外の急回復。
同時刻に発表された失業保険申請件数、継続受給者数とともに予想外の改善傾向を示したことで、前日のFOMC後に巻き戻し基調を強めたドル高の流れをサポートする格好に。
9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は+23.2。市場予想の+1.9を大幅に上回り、8月の-0.3からは急反発で1月(44.3)以来、8ヵ月ぶりの高水準。
なお、2ヵ月連続予想外の好調から9月は予想外の低調となったNY連銀に対し、フィラデルフィア連銀は予想外の低調の次は予想外に好調を交互に繰り返す展開。
代表的な2つの米主要地区連銀の、そもそも上下動も激しくほぼ予想不能ともいえるこの指標は、時にその結果に市場が反応するやっかいな指標。
フィラデルフィア連銀の構成指数では、新規受注が2ヵ月ぶり、出荷は7ヵ月ぶりの高水準へと反発。仕入れ価格は3ヵ月ぶり、販売価格は9ヵ月ぶり高水準へとインフレ鈍化の兆しを示唆。
雇用指数は3ヵ月ぶり低水準へと回復基調はやや失速も、期待指数は4ヵ月ぶり高水準へと上向き。
ただし、販売価格見通しが5ヵ月ぶり高水準へと上昇し、関税の価格転嫁の可能性を示唆している状況だけは、NY連銀と同じ。

18日のNY金は-39.5ドル、1.06%の大幅続落で9月11日(3673.6)以来、1週間ぶりの安値。前日NY引け後のFOMCを経て急落後、自律反発局面となったこの日の時間外には3700ドルを回復して失速、戻り売りの形となって前日安値を下回る3670ドル近辺へと下落。ロンドン・NY朝にかけての反発局面では3700ドルの大台を再び回復、しかし米経済指標の好結果をきっかけにドル高急伸となった流れで3660ドル付近まで急落。この日の安値をつけた後、NY午後には3670ドル台へと下げ渋り。3730ドルを当面の上限に、3600ドルまでのレンジで高値保ち合いの様相となり、浅めのサポート3670ドルでいったん下げ渋り、これを割れると3650ドル前後までの下値切り下げへ。3730ドル超へと切り返すようなら次の最高値更新目標は3770ドル近辺。

NYプラチナは+23.6ドル、1.71%高で3日ぶりの反発。前日のFOMC直後につけた安値1350ドル台から下ヒゲを残して反発した流れを受け継ぐ形で反発局面継続へ、アジア時間の1360ドル台半ばが安値となり、ロンドン序盤には1400ドルの大台回復トライへ。いったんは跳ね返されながらもNY朝にかけての再トライでは1410ドル台半ばまで上昇。米指標きっかけでのNY金の下落局面に追随した場面では1390ドル割れも、NY午後には大台再トライ、ただしNY引け後にはこれを維持できず。1370ドルから1420ドルまでのレンジでの保ち合い継続、上抜けできれば1500ドルの大台付近までを目指す流れにも、下抜けなら1300ドルの大台割れへ。

ドル円は+99銭、0.67%の続伸で9月4日(148.45)以来、2週間ぶりの高値。FOMC後の反発局面が継続、東京朝の146円70銭台が安値となり、東京市場終了時には147円50銭台まで上昇。一服後の反動安でも147円を維持し、147円30銭台を中心に保ち合い推移となって欧州時間を通過するとNY朝にはフィラデルフィア連銀製造業景況指数や失業保険申請件数などがいずれも好結果となったことを受けてドル高の流れ再開、148円トライとなって高値では一時148円20銭台まで上昇。NY午後には148円維持をかけた攻防状態に。147円70銭の節目上抜けに伴い、ドル高円安方向への流れが進行しやすい状況に。植田日銀総裁会見がハト派的となり、9月初旬までの保ち合い上限148円半ばを突破することができれば当面の上値目標として153円台を目指す流れにも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/18終値とチャート
19日の国内金価格は+16円、0.08%の小幅高で3日ぶりの反発。上昇軌道の9日移動平均線(18890)にもサポートされる形となって強気のパーフェクトオーダーを維持。これを維持できなくなればいったん調整へ、18790円の節目も割り込めば18600円付近までが短期調整目安に。19080円超へと高値更新の場合には19170円辺りまでが次の上値目標。
週間ベースでは+160円、0.85%高で5週続伸。5週続伸は6月以来、3ヵ月ぶりで今年2度め。
プラチナ価格は+113円、1.59%高で3日ぶりの反発。7140円の節目割れに伴う短期下値目安6950円近辺までを目指す流れは巻き戻され、21日移動平均線(7126)と9日移動平均線(7175)をまとめて上抜け、徐々にレンジを拡大する逆三角保ち合い再開へ。7280円の節目を上抜けると保ち合いレンジ拡大か、もしくは上方ブレイクとなって一段高トライの可能性も。後者なら短期上値目標は7490円辺りまで。逆に7090円の節目を割れると保ち合いレンジ下方拡大か、もしくは下方ブレイクで下値再トライへ、後者なら短期下値目標は6850円程度まで。
週間ベースでは+57円、0.8%の反発。
※参考:
金プラチナ国内価格9/19とチャート
2025年09月19日(金)時点の相場
国内金:18,956 円 9/19(金)
▲16(
0.08%)
国内プラチナ:7,204 円 9/19(金)
▲113(
1.59%)
NY金:3,678.3 ドル 9/18(木)
▼39.5(
1.06%)
NYプラチナ:1,400.2 ドル 9/18(木)
▲23.6(
1.71%)
ドル円:148.00 円 9/18(木)
▲0.99(
0.67%)
9/18(木)のその他主要マーケット指標
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