金プラチナ短期相場観
今年に入って明暗分かれるユーロ圏の格付け
更新日:2013年1月30日(水)
ギリシャ中銀総裁の「最悪期は脱した」という発言が、今のユーロ圏の状況をよく表しているように見えます。経済は以前マナス成長は続くものの、「経済プログラムを含めあらゆる法整備を済ませており、プログラムの完全実施に向け、政府の対応に弾みがついてきている」ともしています。
事実、ギリシャ国債は上昇(利回り低下)し、12月後半には、S&Pによる格付けは「SD(選択的デフォルト)」から「B-」に引き上げられています。
今年に入ってからのユーロ圏での格付けの引き上げも目につきます。
「AAA」のフィンランドとルクセンブルクの格付け見通しをS&Pが「ネガティブ」から「安定的」に引き上げ、「AA」のベルギーはフィッチにより見通し「ネガティブ」から「安定的」へ。昨日も「AA+」のオーストリアの見通しがS&Pにより「安定的」へと引き上げられました。オーストリアはちょうど1年前にフランスとともにS&Pから「AAA」格付けを剥奪されていました。
少しづつユーロ圏の状況が改善されているようです。
一方、同じユーロ圏の小国では、マルタがS&Pがにより「A-」から「BBB+」へ引き下げ、同じS&Pからキプロスは年末に「B」から「CCC+」へと引き下げられ、今年に入ってフィッチからも「BB-」から「B」へと引き下げられており、キプロス支援を巡って協議が行われている事実もあります。
参考:ユーロ圏の国債格付けランキング
NY市場、金は5日ぶりの反発となったものの流れは下落方向。1,550ドル台辺りを目指す展開には変わりなし。本日のADP雇用統計の悪化、FOMCで追加緩和早期縮小の否定的な話が出るようなサプライズでもあれば流れは大きく変わる可能性もありますが。
プラチナは1%の大幅反発。下落余地は1,610ドル台近辺まで拡大したものの、強気相場もまだ維持しており、今週の状況次第では上値トライ再開の可能性も。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場1/29終値とチャート
国内、金価格は5,000円の大台ラインぎりぎりで反発。しかし12月末から続いた短期上昇トレンドはいったん終了。ここから新たな展開として、5,000(4,970)-5,060のレンジを中心とした揉み合い継続か、上下一方向へのブレイクで大きく動き出す展開か。いずれにしても今週後半の米雇用関連指標がきっかけとなる可能性は高そう。
プラチナも5,150円の目標到達後はレンジ相場形成の様相も。あるいは上昇トレンド継続で5,160円の節目を上抜けか。上抜けできなければ、次のターゲット5,500円付近という目標はいったん消滅。
※参考:金プラチナ国内価格1/30とチャート
- 2013年1月30日(水)時点の相場
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国内金 : 5,049 円 1/30(水) ▲41(0.82%) 国内プラチナ : 5,123 円 1/30(水) ▲65(1.29%) NY金 : 1,660.8 ドル 1/29(火) ▲7.9(0.48%) NYプラチナ : 1,678.9 ドル 1/29(火) ▲16.7(1.00%) ドル円 : 90.70 円 1/29(火) ▼0.14(0.15%)
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