金プラチナ短期相場観
米雇用統計の上振れにも値動き限定となった金の底堅さ
更新日:2013年3月9日(土)
事前指標の好調が続いていたことで、ある程度の好結果は予想された米2月分の雇用統計は、予想を大きく上回る結果にリスクオンの流れが加速しました。非農業部門雇用者数が予想を大きく上回り、失業率は予想外の低下で7.7%は2008年12月以来の水準。
円安ドル高の流れも加速し、ドル円が96円台後半まで上昇したのは、2009年8月12日以来。
株価の上昇も続き、史上最高値更新が続くNYダウは3週続伸。NASDAQも2週続伸、ドイツDAXは3週続伸、英FTSEは4週続伸、日経平均も4週続伸となっています。
FRBの緩和政策の早期縮小も懸念されるところですが、政策転換するほどでもない、とする見方もまだ強いようで、金の下げ幅も限定的となりました。
むしろ、その後の買い戻しには金の底堅さが表れているように見えます。
リスクオフとなればドル買い円買いとなりますが、最近はリスクオンでもドルが買われます。ドルの力強さが際立ってきたようです。
対照的にリスクオフでもリスクオンでも買われない、売られない金、この状態はもう少し続きそうな状況です。
NY市場、わずかに続伸となった金は7営業日連続の1,570ドル台。米雇用統計の上振れで1,560ドルまで急落した後に急騰。週間ベースでは4.6ドル、0.29%の上昇。上昇は5週間ぶり。終値だけを見ると横這い推移が続きますが、1,570ドルを割れるとすかさず買い戻される底堅さがあります。
プラチナも続伸で2月27日以来の1,600ドルの大台回復。週間では30.4ドル、1.93%の上昇となり、3週大幅続落後の大幅反発。1,615ドル付近で水平状態に横たわる90日移動平均線が中期的なレンジ相場を示唆していますが、このライン、そして1,620ドル付近を上抜けると短期的には上昇余地が広がりそう。
ドル円は3日続伸で一時96円50銭台に達し、終値でも96円ちょうど付近を維持したことでほぼ目標の96円超えを達成。この1週間では2.44円、2.6%の大幅上昇。週間で2%以上上昇したのは1月末以来5週間ぶり。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場3/8終値とチャート
- 2013年3月9日(土)時点の相場
-
国内金 : 5,004 円 3/8(金) ▲37(0.74%) 国内プラチナ : 5,103 円 3/8(金) ▲90(1.80%) NY金 : 1,576.9 ドル 3/8(金) ▲1.8(0.11%) NYプラチナ : 1,603.9 ドル 3/8(金) ▲8.8(0.55%) ドル円 : 96.00 円 3/8(金) ▲1.18(1.24%)
米雇用統計の上振れにも値動き限定となった金の底堅さ 3/9(土)
続く米経済改善傾向、注目は雇用統計上振れ後の金買い戻し 3/7(木)
世界同時株高の流れを支える日米欧の緩和政策でも金はサポートされず 3/6(水)
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン