金プラチナ短期相場観
続く米経済改善傾向、注目は雇用統計上振れ後の金買い戻し
更新日:2013年3月7日(木)
FRB発表のベージュブック(地区連銀経済報告)では、個人消費の拡大と住宅市場の幅広い回復の継続が指摘され、米国経済の緩やかな改善傾向が続いていることが示されました。労働市場においても「控えめ」ながら改善傾向が大半の地区で見受けられるともしています。
昨日ADP社が発表した雇用者数でも前月比19.8万人の増加となり、週末の米労働省発表の雇用統計にも期待が高まります。
以前は、ADP雇用者数と米雇用統計との数字の乖離が結構指摘されることもありましたが、昨年秋のADP社の調査方法見直し以降、その連動性は高まっているようです。昨年10月分以降、ADPの数値と労働省のNFP(非農業部門雇用者数)ともに、+15万人~+20万人付近での推移を続けています。
今のペースで雇用の伸びが続けば、徐々に失業率を押し下げ始めることも予想されます。
米国の雇用改善と景気回復が続けば、金融緩和の早期縮小懸念も高まり、金市場にとっては売り材料となりますが、バーナンキFRB議長は当面の緩和策継続を明言しています。何より昨日のADP上振れで売られた金はすかさず買い戻しの動き。現在の価格帯での底堅さは想像以上のようです。
明日の雇用統計の結果次第で金は再び売られることになりそうですが、注目はその後の買い戻し。今後の相場動向を左右するかもしれません。
NY市場、金は横這い推移で5営業日連続の1,570ドル台。上下8-9ドルの動きで始値と終値が同じ、いわゆる「十字線」で相場転換の可能性を示唆する兆候。下落バイアスも縮小で流れも変わるか?
プラチナは一時1,600ドル台にタッチして反落。1週間ぶりの1,600ドル台回復には失敗。しばしばターゲットを行き過ぎるプラチナにしては珍しく1,500ドル半ばのターゲットやや手前で切り返したことで十分な買い戻し圧力がなかった模様。売り圧力が減少に転じているだけに、流れが変化する可能性も高そう。
ドル円は終値ベースで2月11日以来となる94円台に。1ヶ月程続いた調整相場を終えて再び円安方向へと動き出すのか、まずは直近高値となる94円台半ばが意識されるところ。当面、96円を目指す展開となる可能性は高そう。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場3/6終値とチャート
国内、金は続伸で昨日の予想が現実に。流れは好転し切れてはいないものの、小さな保ち合いブレイクで5,100円超えを目指す展開へ。
プラチナも続伸で1週間ぶりの5,000円台を回復。やはりトレンドはまだ下方向のため、一方的に上昇するような地合いではないものの、5,100円手前辺りまで戻す可能性は大。
※参考:金プラチナ国内価格3/7とチャート
- 2013年3月7日(木)時点の相場
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国内金 : 4,967 円 3/7(木) ▲53(1.08%) 国内プラチナ : 5,013 円 3/7(木) ▲24(0.48%) NY金 : 1,574.9 ドル 3/6(水) +-0.0(0.00%) NYプラチナ : 1,579.8 ドル 3/6(水) ▼5.9(0.37%) ドル円 : 94.06 円 3/6(水) ▲0.78(0.83%)
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