金プラチナ短期相場観
ユーロ圏は景気対策へと軌道修正、日欧の緩和策でドルと金は?
更新日:2013年5月7日(火)
ECBは利下げに踏切り、ドラギ総裁は今後の追加利下げ、マイナス金利も辞さない構えを表明。ユーロ圏は従来の財政健全化最優先から、経済成長路線への同時アプローチを余儀なくされる展開に。
今年の経済成長率見通しを-1.4%へ下方修正したイタリアでは、リセッション脱却に向けてレッタ首相が緊縮策オンリーから景気刺激策へと舵を切り、IMFはギリシャの景気回復の為に構造改革の必要性を指摘。南欧を中心とした若年層失業率の異常な高さは、ユーロ圏の景気回復への大きな足枷になっています。
金融緩和策の強化が見込まれる欧州と異次元緩和の日本、ユーロ安、円安圧力は当面続くことになります。
最も景気回復が進む米国では、緩和策の出口が意識されるものの不透明感も残る状況。消去法による緩やかなドル高進行の流れも当面続きそうな状況です。
5月になると毎年訪れるリスクオフの大きな流れも、今年は一服となる可能性も高そうです。
安全資産としての認知度が低下してきた金は、米ドルとの逆相関の関係もやや弱まってきたものの、緩やかなドル高に反して、緩やかな軟調推移となる可能性は十分にありそうです。
NY市場、金はわずかに反発も1,470ドル台のレジスタンスラインに上値を押さえられる状態が継続。このラインは2011年5月上旬から2ヶ月間サポートラインとなった水準。当時は最後の反発で上放れ、夏場の金バブルへ向けての上昇トレンドの起点に。今回、レジスタンス状態が長く続くようなら、2年前とは逆のパターンとなってしまう可能性にも要注意。当面のサポートラインは1,440ドル。
プラチナは3日続伸。上向きの流れは継続中ながらもレンジ上限となる1,510ドル手前で足踏み状態。サポートラインは1,460ドル。上限突破できれば4月の急落前の水準を一気に超えて1,500ドル台半ば辺りまで上昇の可能性も。
ドル円は3日続伸で99円30銭台へ。100円トライが意識されるもののドル高円安継続の勢いには欠ける状態。当面の材料難もあり、現状レンジ97円20銭から99円60銭での揉み合い継続か。
※参考:金プラチナ価格とドル円 NY市場5/6終値とチャート
4連休明けの国内、金は3%の大幅反発。しかし節目の4,880円が上値抵抗に。このラインをしっかりと上抜けできるようなら、先月の急落時以来となる5,000円台回復への期待も高まるところ。下限4,730円との間で揉み合い傾向が続く可能性も。
プラチナは4%の大幅上昇。4960円の節目を突破したことで5,000円台半ば辺りまで上昇余地拡大の可能性も。しかしNY市場の状況とドル円の動向を見る限り今回の目標達成の可能性は低めと見ておくべきか。当面のサポートラインは4,790円に。
※参考:金プラチナ国内価格5/7とチャート
- 2013年5月7日(火)時点の相場
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国内金 : 4,876 円 5/7(火) ▲140(2.96%) 国内プラチナ : 4,992 円 5/7(火) ▲194(4.04%) NY金 : 1,468.0 ドル 5/6(月) ▲3.8(0.26%) NYプラチナ : 1,507.7 ドル 5/6(月) ▲6.5(0.43%) ドル円 : 99.31 円 5/6(月) ▲0.27(0.28%)
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