金プラチナ短期相場観
ボルカー・ルールでの混乱は回避か
更新日:2013年12月10日(火)
2012年の適用予定が2年間先送りされていたボルカー・ルールについて、本日FRB他規制当局による最終案の採択が行われます。
銀行の自己勘定取引を規制するこのルールは、銀行によるハイ・リスク取引を規制する為のものですが、銀行側から見れば大きな収益を支えるビジネスを規制されることになり、大変な痛手。銀行側は、業界団体などを通じて訴訟を起こすのでは、とも伝えられます。
厳しすぎる規制は世界経済への影響も懸念されます。それでなくともテーパリング観測に伴い、新興国から米国へと投資マネーの逆流が始まりつつある状況。ボルカー・ルールによって米国の銀行資金も新興国からの引き上げが余儀なくされるようなら、新興国の混乱によるリスク回避も懸念されます。
最終案では、外国の中央銀行が発行する証券もボルカー・ルールの適用除外とされる、との報道もあります。
テーパリングの開始と同様、市場の余計な混乱を回避するために、落とし所を模索する当局の苦労は絶えないようです。
週明けNY市場、金相場は0.42%の上昇で3日ぶりの反発。1,220ドル台からの買戻しが進み、一時1,240ドル台前半まで上昇。1,210ドル台まで下落しては買い戻される底堅い展開が続いた先週の流れを受け継ぎ、反発への兆しを思わせる展開で流れも好転しつつある状況に。しかし1,250ドル台のレジスタンス手前の売り圧力はまだ強く、1,200ドル近辺までの下落リスクも継続。
プラチナ相場も3日ぶりの反発で0.9%上昇。しかし抵抗帯となりつつある1,380ドルラインまで上昇して押し戻される展開。売り圧力は弱まりつつあり、このラインをしっかりと超えることができれば1,430ドル辺りまで上昇の可能性が高まるところ。サポートラインは1,340ドル。
ドル円は0.32%続伸で先週高値の103円30銭台まで上昇。ドル高円安方向への流れが再び強まる可能性も高まり、上値目標水準は105円近辺。サポートラインは101円70銭。
※参考:金プラチナ相場とドル円12/9 NY市場終値とチャート
国内、金価格は0.97%の大幅続伸。流れは上方向へと好転しつつあり、4,110円程度までの下落リスクは後退。NY市場の下落基調の緩和傾向とドル円の円安基調継続により状況は大幅改善傾向。4,290円の節目を超えると大幅上昇への可能性も。
プラチナも1.14%の大幅続伸。4,680円の節目を超えてきたことで、11月半ばからの下落トレンドを脱した可能性も高まり、流れは上方向へ。現時点ではまだ確率は低いものの、最大4,850円付近まで上昇の可能性。サポートラインは4,620円。
※参考:金プラチナ国内価格12/10とチャート
- 2013年12月10日(火)時点の相場
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国内金 : 4,279 円 12/10(火) ▲41(0.97%) 国内プラチナ : 4,713 円 12/10(火) ▲53(1.14%) NY金 : 1,234.2 ドル 12/9(月) ▲5.2(0.42%) NYプラチナ : 1,368.5 ドル 12/9(月) ▲12.2(0.90%) ドル円 : 103.26 円 12/9(月) ▲0.33(0.32%)
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