金プラチナ短期相場観
米財政合意でテーパリング前倒しへの障害がひとつクリア
更新日:2013年12月11日(水)
12月13日を期限としていた超党派予算委員会による財政改革協議が期限3日前の10日、合意に至りました。
2年間の予算で強制歳出削減を600億ドル緩和、財政赤字を230億ドル削減するという内容で決着し、議会での可決を経て予算案の成立へ。これで政府暫定予算の期限である年明け1月15日以降、4ヶ月間で2度めの政府機関シャットダウンという馬鹿げた事態を回避できることになります。
テーパリング開始時期への障害の一つともされていた年末年始にかけての財政問題の不安が解消されることで、今週急速に高まり始めた、テーパリングの今月スタート観測にも追い風となりそうです。
しかし、オバマ大統領と民主党側が主張する、月内に失効する失業保険給付の延長については、今回の予算に含まれていないとのこと。
ゆっくりとした改善傾向を続ける米労働市場と、景気刺激策、ディスインフレ対策にとってはマイナス材料に。
いつも期限ギリギリまで揉める与野党協議が期限3日前に財政合意、それなりの内容のようです。
NY市場、金相場は2.18%の大幅続伸で11月19日以来3週間ぶりの高値。主要通貨に対するドル売り傾向と次週FOMCを控えての売りポジションの巻き戻しという支援材料もあったものの、1,250ドル台のレジスタンスラインを超えたことにより1,260ドル台後半まで急騰したことが、流れの変化を示唆。3週間の揉み合いを続けた1,250ドル以下のレンジを上抜けたことで上値余地は拡大。目標水準は1,300ドル台。サポートラインは1,220ドル。
プラチナ相場も1.48%の大幅続伸。抵抗帯となりつつあった1,380ドルラインをしっかりと上抜けて3週間ぶりの1,400ドルにタッチ。上値目標水準1,430ドルに向けて進みだした様子。サポートラインは1,340ドル。
ドル円は0.4%の反落。先週高値の103円40銭手前と同じ水準まで上昇して反落する流れでダブルトップのような足型を形成してしまったことがやや懸念要素に。今のところは102円台半ばの一目・転換線がサポートラインとなって再度103円台をうかがうような動きも。下方向の節目101円70銭台を割れるようならもう一段の下落の可能性、現状では上値目標105円近辺を目指す上昇トレンド中の調整の範囲内。
※参考:金プラチナ相場とドル円12/10 NY市場終値とチャート
国内、金価格は1.31%の大幅上昇で3日続伸、4,300円台は3週間ぶり。乱高下の揉み合いからようやく抜けだして方向性が見え始めた形。当面の目標水準は4,450円近辺。サポートラインは4,180円。
プラチナも0.76%の3日続伸。流れも好転し、4,850円の上値目標水準を目指す展開が加速。目先、4,770円付近の90日移動平均線が抵抗線となる可能性も。サポートラインは4,620円。
※参考:金プラチナ国内価格12/11とチャート
- 2013年12月11日(水)時点の相場
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国内金 : 4,335 円 12/11(水) ▲56(1.31%) 国内プラチナ : 4,749 円 12/11(水) ▲36(0.76%) NY金 : 1,261.1 ドル 12/10(火) ▲26.9(2.18%) NYプラチナ : 1,388.7 ドル 12/10(火) ▲20.2(1.48%) ドル円 : 102.84 円 12/10(火) ▼0.42(0.40%)
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