金プラチナ短期相場観
ドル円との逆相関関係が強まるプラチナはNYダウとも決別
更新日:2013年12月17日(火)
11月末まで史上最高値を更新し続けたNYダウは12月に入ってやや調整相場入り、ドル円も同じように円安傾向が続き、先週末に年初来高値こそ更新したものの調整地合いも強まる傾向にあります。月初の米雇用統計での好結果以降、テーパリング開始に向けた材料が出始め、今月スタートの可能性が高まりつつあることによる警戒感の高まりもその要因の一つと思われます。
そんななか、NYプラチナ相場はドル円との逆相関関係が非常に高まり、30日間の相関係数は、金とドル円の-0.88台を超える-0.92台と最も強い逆相関関係を示しています。そして、しばしば連動性が高まるNYダウとの関係も、最近では逆相関関係が強い状態。
その結果、11月末まで下落を続けたプラチナ相場もいったん下げ止まり、反発の兆しも見せつつ揉み合い傾向となっています。
今回のFOMCで予想外のテーパリング開始ならドル高優勢、株価は下落、という流れになった場合、プラチナはドル高に逆相関となり下落、NYダウの下落に逆相関なら上昇。今の関係性が続く限りは矛盾する傾向に。
予想通りの先送りなら、株価は持ち直し、ドル円はいったん調整入り、という流れの場合、プラチナはNYダウの上昇に反して下落、ドル円下落に反して上昇。やはり今の関係性では矛盾が。
予想外のテーパリング開始観測の高まりと共に強まった関係性(逆相関)は、開始なら関係性継続でどちらにも動き難い状態が継続し、先送りならその関係性も崩れ、どちらか一方との逆相関が弱まることに。
どちらかと言えば、逆相関関係がより強いドル円と逆の動きに、つまり、金に追随する流れが予想されます。
NY市場、金相場は0.79%の続伸。先週の1,220ドルまでの急落からのショートカバーが継続し、一時1,250ドル台まで上昇。しかしこの付近では上値も重く戻り売り優勢に。FOMC終了までは下がればショートカバー、上がれば戻り売りによるレンジ状態の様相。上下の節目は1,260ドル台と1,220ドル。
プラチナ相場は0.21%の小幅下落。これで4日続落となったもののやはり下値も限定的。1,340ドル台から1,350ドル近辺のサポートラインが厚みを増しつつあるようにも。どちらかと言えば上向きの流れが継続中で1,430ドルの目標水準まで上昇の可能性も残す状態。
ドル円は0.14%の小幅続落。円安の勢いもやや息切れ状態で調整色が強まるなか、102円40銭台のサポートライン手前、102円台半ばでの底堅さを見せて103円台を回復。終値103円台は3日連続。今回のFOMCで予想外のテーパリング開始ならドル買い進行で目標水準105円近辺を目指す展開へ。現状維持で開始時期不明?ならドル売り優勢で100円台辺りまでの調整余地の可能性も。
※参考:金プラチナ相場とドル円12/16 NY市場終値とチャート
国内、金価格は0.3%の続伸。9日、21日移動平均線で反発した流れが続き、9日移動平均線も21日移動平均線をゴールデンクロス。緩やかな上向きの流れを維持する状況で4,450円の上値目標への可能性も継続。サポートラインは21日移動平均線が位置する4,250円に切り上げ。
プラチナは小幅下落で4営業日続落。9日、21日移動平均線ともつれるような状態で反発できず。再び揉み合い傾向が強まり、上値目標4,850円への可能性も残しつつ、下値サポートラインの4,620円も視野に入ってくる状況に。
※参考:金プラチナ国内価格12/17とチャート
- 2013年12月17日(火)時点の相場
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国内金 : 4,284 円 12/17(火) ▲13(0.30%) 国内プラチナ : 4,675 円 12/17(火) ▼7(0.15%) NY金 : 1,244.4 ドル 12/16(月) ▲9.8(0.79%) NYプラチナ : 1,360.1 ドル 12/16(月) ▼2.8(0.21%) ドル円 : 103.01 円 12/16(月) ▼0.14(0.14%)
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