金プラチナ短期相場観

金プラチナ短期相場観

テーパリング開始に現実味

更新日:2013年12月13日(金)

米FRBによる量的緩和の縮小開始は来年3月以降と見る向きが大勢だった1ヶ月ほど前からは、随分と形勢が変わってきました。
昨日の米新規失業保険申請件数は予想より悪化したものの、今回の統計には感謝祭やクリスマスといった年末の休暇シーズンの季節調整に伴う変動が反映されているとのこともあり、それほど重要視されなかった模様。同時刻に発表された11月の小売売上高は前月比0.7%増と予想を上回り、6月以来で最大の伸びとなり、前月分も上方修正。ブラックフライデーから始まる年末商戦を前倒しして値引き合戦を展開した小売業の努力が功を奏したようです。

11月雇用統計の上振れ以降、財政合意を経て予算案も下院で可決、ボルカー・ルールの最終案もやり過ごし、タカ派のフィッシャー氏のFRB副議長候補要請などに続き、小売の好調も確認できたことで、いよいよテーパリング開始にも現実味が。
今週始めに、ニューヨークタイムズ紙は来年以降、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は今月、と2大紙による予想が割れたことが話題となりましたが、WSJのヒルゼランス記者は、5月にも「FRBによる年内の出口戦略の可能性」と警告し、その後5月22日のバーナンキ発言に至りました。

材料が出揃い始めたことで、ニューヨークタイムズ紙優勢だった流れは、五分五分程度まで、WSJ紙が猛追して来たような状況かもしれません。

NY市場、金相場は2.57%の大幅続落。上向きつつあった流れは戻り売りに押し戻される展開で、10月1日以来の下げ幅となり、元のレンジ下限となる1,220ドル台へ。来週のFOMCでのテーパリング開始の可能性が徐々に高まりつつあることも戻り売りへの支援材料。12月に入って底堅さも見せた1,220ドル台のサポートラインでどこまで耐えれるか。割れると大幅下落の可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2013/11/14 - 12/12プラチナ相場も1.5%の大幅続落。21日移動平均線に綺麗に上値を押さえられた形で1ヶ月ぶりの同ライン超えに失敗。NYダウが軟調で金が下落するとプラチナの支援材料はなく、上向きの流れも大きく後退。1,430ドルの目標水準への可能性は維持。サポートラインは1,340ドル台。

ドル円は0.92%の反発。102円台前半では底堅く、米11月小売売上高の好結果などを材料に大きく円安方向へ。しっかりとした調整を2日間で終えて再び103円台を回復、終値ベースでの年初来高値も更新。サポートラインを102円40銭に切り上げて105円付近の上値目標水準を目指す展開へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円12/12 NY市場終値とチャート

国内、金価格は1.14%の大幅続落。適度な調整から過度の調整となりかねない下落で再び乱高下地合いに逆戻りの様相も。FOMCへの警戒感が予想以上に高まってきたことで上下に振れやすい状態がしばらく続きそうな状況。ベースは上向き方向で上値目標水準は4,450円。下方向への節目は4,180円。
この1週間では+65円(+1.55%)の反発。

プラチナも0.87%続落。金価格の乱高下に追随し、大幅調整を余儀なくされた形で10-11月の高値揉み合い水準4,740-4,840円のレンジ下限で反落。流れは上向きで4,850円が目標水準。サポートラインは4,620円。
週間ベースでは+70円(+1.51%)と4週間ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格12/13とチャート

2013年12月13日(金)時点の相場
国内金4,253 円 12/13(金) ▼49(1.14%)
国内プラチナ4,692 円 12/13(金) ▼41(0.87%)
NY金1,224.9 ドル 12/12(木) ▼32.3(2.57%)
NYプラチナ1,364.4 ドル 12/12(木) ▼20.8(1.50%)
ドル円103.37 円 12/12(木) ▲0.95(0.92%)

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