金プラチナ短期相場観
低調な米雇用統計も一時的の可能性
更新日:2014年1月11日(土)
昨日の雇用統計では、失業率が前月の7.0%から6.7%へと大きく低下したものの労働参加率が過去30数年間での最低水準とのことで、失業率自体の信頼性の低下が続き、非農業部門雇用者数の伸びが大幅減となったことに対しては市場も素直に反応した形。
しかし今回12月分の雇用統計では、米労働省によれば、悪天候で就業不能になった労働者数が27.3万人にも達したとのこと。過去の月平均では13.8万人、11月は3.7万人ということからも異例のケースという色合いも強そうです。
株価もNYダウこそわずかに下落したもののNASDAQや欧州株は上昇。
ドル売り傾向はそれなりに強かったものの、金やプラチナの買われ方や変動状況を見ると、やや控えめな印象もあります。
1日当たりの変動幅を見ると、昨年のドル円相場の日々の値幅の年間平均は1.1円、雇用統計の日は1.51円。昨日の値幅も1.51円。と妥当な振れ具合。
しかし、金相場の昨年の年間平均は26.4ドル、雇用統計日の平均は32.7ドル。これに対して昨日の値幅は21.9ドル。
プラチナは、年間平均28.7ドル、雇用統計日が30.85ドル。昨日の値幅は22.2ドル。
金もプラチナも買い優勢とはなったものの、変動幅は昨年の雇用統計日どころか、平均以下とかなり控えめな値動きとなっています。
米国では記録的な寒波のなか「命を脅かす寒さ」が継続中。来月の雇用統計でも悪天候による影響が予想されます。
しかし、金やプラチナの反発傾向も、それほど強いものではないかもしれません。
NY市場、金相場は1.42%の大幅続伸。米12月分雇用統計のネガティブな結果を受けて急騰するとそのまま上値を伸ばして12月11日以来1ヶ月ぶりの高値水準に達し、ほぼ高値引け。1,220-40ドルのコアレンジ上限となり、12月上旬の高値1,260ドル台の節目も意識される水準、しかし上値も重くなる水準。突破できるようなら1,290ドル辺りまで上値余地拡大の可能性も。
週間ベースでは+8.3ドル(+0.67%)となり3週続伸。
プラチナ相場も1.2%の大幅続伸で連日の年初来高値更新。1,420ドルの目標水準到達後の停滞から調整のないまま再び上昇基調へ。買われ過ぎの過熱感が高まり、反落も予想されるものの、当面の上値目標1,480ドルを目指す可能性も継続。
週間では+25.4ドル(+1.8%)で3週続伸。
ドル円は0.66%の下落。きっかけは雇用統計の結果にドル売りで反応した形だが、ドル円としては105円台の壁をしばらく突破できなかったことによる反落の構図も。わずかながら104円20銭のサポートラインを割れたことで103円前後までの円高進行の可能性は大。
週間ベースでは-0.69円(-0.66%)と2週続落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/10終値とチャート
- 2014年1月11日(土)時点の相場
-
国内金 : 4,309 円 1/10(金) ▲18(0.42%) 国内プラチナ : 4,938 円 1/10(金) ▲15(0.30%) NY金 : 1,246.9 ドル 1/10(金) ▲17.5(1.42%) NYプラチナ : 1,436.9 ドル 1/10(金) ▲17.0(1.20%) ドル円 : 104.13 円 1/10(金) ▼0.69(0.66%)
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